166.英霊VS邪神 回収
邪神のサイズですが、某特撮で見かける怪獣と同じ様なサイズだと思ってください。
それと、見た目はデフォルメされた蛸ではなくリアルな蛸寄りです。
(タイガーラ視点)
「ふぅ……取り敢えず、蛸足ブンブンタイムは終わったガルか?」
「……他の近接英霊の皆さんが軒並み遠くへぶっ飛ばされて、遠距離英霊の皆さんも機を伺い始めたでヤンスからね~。……ぶっちゃけ、蛸足を振り回す必要がなくなったんでヤンショう……」
……つまり、俺達は完全無視ガルか?
舐められたものガルなァ……
「とはいえ、こっからどうするガル?……邪神は俺達を敵とすら見てねぇガル。……強いて言うなら、自分に群がる羽虫程度の認識だガル……」
「ま、敵認定されたらそれこそ無理難題になるだけでヤンスよ。……まだ羽虫を払う認識だからこそ、この程度の被害で済んでるんでヤンスから……」
邪神にとって、俺達は羽虫程度の存在だガル。
ただ、そこに逆転の可能性があるガル。
「う~む……かといって、我等がどうこうした程度であの巨体から墨袋を取り出すのは……」
「と、当方を墨袋まで連れて行ってくれれば……いえ、その前に墨袋を切り離す必要がありますね……」
「……流石の某も、あの巨体を捌くのは無理だ……」
「誰か助っ人で連れて来て欲しい人が居たら言って欲しいでヤンス。……2、3人程度なら連れて来れるでヤンスよ?」
……あ~もう、無茶苦茶だ……
こういう時、あいつ等ならどうしたガルかなァ……
『ん~……どうせ霊体でありんすし、ここは死ぬ気の特攻あるのみでありんすかね?』
俺の想像したイマジナリーミツエはそう言ったガル。
『一か八かの賭けじゃな!……【霊魂再生】のゾンビ戦法で攻撃し続けるのじゃ!』
俺の想像したイマジナリーメサイアはそう言ったガル。
『う~ん、ここは味方の戦力を1回考え直して、上手い事ハマる組み合わせを考えるんが最適解やな……』
俺の想像したイマジナリーエルリスはそう言ったガル。
……ああ、本当に……
「……死神長、2人連れて来て欲しい奴が居る。……名前は知らねぇが、"風の刃を使う奴"と"捩り切る奴"だガル……」
「合点承知でヤンス!」
ーフッ……
「……そういやゴルマ、"風拳"っていうぐれぇだガルから、拳に風を纏わせられるんガルよな?」
「ハッハッハ!……勿論だとも!」
「なら、あれとこれとそれが合わされば……何とかなりそうだガル!」
助っ人を連れて来るために姿を消した死神長を待ちながら、俺は現状を確認するガル。
邪神は他の英霊共を警戒して、未だに海面に姿を現したままだガル。
……多分、この程度の相手に逃げるのは癪なんだろうガルなァ……
「はい、連れて来たでヤンス!」
「ガルァ!?……で、その2人が頼んだ奴等ガルかァ?」
そうこうしている間に戻って来た死神長の両脇には、それぞれ男女が1人ずつ抱えられてたガル。
「ふぅ……俺は"風刃"のメルドレスってもんだ!」
「私は"搾殺聖女"のメブリールよ……」
うわ、何かクセ強そうだガルな……
「……ハッハッハ!……"風刃"とは、我の"風拳"と似通っている気がしてならないな!」
「"搾殺聖女"……いや、搾り殺すとは?」
……ゴルマとムネマサも思い思いの感想を言ってるガルし……
ま、後はやるだけだガル!
「死神長、次の総攻撃はいつになりそうだガル?」
「えっと……もうすぐ皆さん動き出しそうでヤンス!」
「なら、端的に言うガル。……ゴルマがメルドレスの技で出来た風を拳に纏わせて、メブリールは墨袋の真上に位置してそうな邪神の体表を思いっきり捩って欲しいガルァ!」
「「「「「「「……………ハァ?」」」」」」」
……って、そうなるのは分かってたガルァ!
「どうせ霊体だから死なねぇガルし、物は試しと思ってやるガルァ!」
「あ、ああ……我の頭が駄目な訳ではなかったか……」
「……ちょい待ち、俺の挨拶アレで終わり!?」
「私も同じだし、いくら緊急事態だからって……」
「と、当方はまだ恵まれてたのですね……」
「……む?……某は……」
「あ~もう面倒臭ぇガルァ!」
その後、俺は何とか作戦を噛み砕いて伝え……
……たが、説明と時を同じくして……
「「「「「「とりゃぁぁぁぁぁぁ!」」」」」」
……他の英霊共が、再び特攻を始めたガル。
んで、俺はそいつ等を利用するガル。
「……邪神の注目は向こうに行くガルから、ここが1番のチャンスだガル。……ただ、ここで考えておきてぇ事として……しばらく、邪神の動きを封じてぇガルなァ……」
ハァ……本当に……
「……まず、俺が注意散漫になってる邪神に一撃ぶちかますガルから、後は段取り通りに頼むガル!」
「承知した!」
「……了解した……」
「はいよ!」
「はいはい……」
「が、頑張ります!」
「じゃ、行くでヤンスか!」
こっからは最短コースで行くガルァ!
まずは俺!
「ふぅぅぅぅぅぅ……ガルァ!」
ーダンッ!
「「「「「「っ!?」」」」」」
俺は思いっきり蛸足を蹴ると、邪神の目と目の間に空中突進していたガル。
……この技は強力な分、溜め時間が長いのがネック何ガルよなァ……
お陰で死神長との戦いじゃ1度も出す機会がなかったガルし……
でも、さっきまでの掴まり時間で充分チャージは出来てるガルァ!
「食らえガル!……【大虎破壊拳】だガルァァァァァァァァァ!」
理屈は単純。
全身のエネルギーを拳に込め、思いっきりぶちかますだけだガル。
……ただ、それだけだガルが……
ードゴォォォォォォォォォン!
……注意が他の方向に行った邪神相手にゃ、すんなり刺さったガル。
しかも、蛸の目の目の間には大元の脳があるって前に何かで聞いた事があるガル!
つまり……
「縺ァ$縺弱ョ¥縺縺縺縺縺!?」
邪神は何が起こったのか分からず、脳震盪を起こした人間の如く反応を止めたガル。
が……
「うぎゃぁ!?」
「本体はぐだっとしたのに蛸足はゆっくり動いてやがる!」
「おんぎゃぁぁぁぁぁ!」
……蛸足は未だ動きを止めず、特攻を仕掛けた英霊共を相手にゆっくりと動いていたガル。
「タイガーラさん、蛸の脳は足の付け根にもあるんでヤンス!……一応、メイン脳はどうにか出来るでヤンスから、作戦に支障はないでヤンス!」
「そ、そうガルか……」
これもきっと、他の英霊共が蛸足の注意を引き付けてるから作戦が遂行出来るんガルよな……
偉大な先輩達に感謝だガル。
さて、それはそうと……
「ゴルマァァァァァァァァ!」
「分かっているとも!……ふむ、これはこれで危険だな!」
「俺の【旋風斬】を拳に纏わせてその反応かよ……メブリール、そっちはどうだ?」
「問題なしよ。……準備は出来てる……」
「ハッハッハ!……ならば行くぞ!……【嵐拳】!」
「【捩れ渦】!」
ーブチュブチュブチュ!
メブリールが邪神の体表を捩り切り、そこへゴルマの【嵐拳】が炸裂したガル。
当然、刃となった風を纏った拳は邪神の肉を抉り取り、その身を掘り進めて行ったガル。
そして、しばらく掘ると……
「うむ、少し開けた空間あり!……墨袋も確認出来るぞ!」
ゴルマが墨袋を見つけ、こちらに声をかけるガル。
と、流石に蛸足も本体の危機に気付いたらしく……
ーくねくねくね!
蛸足は一直線に身を掘るゴルマへと向かったガル。
だが、それを許す程英霊の奴等は甘くねぇガル。
「【残山斬】!」
ーザンッ!
「【魔氷華】!」
ーピキピキピキ……
「【遅延の矢】!」
ーシュン!……ブチュッ!
「【万雷】!」
ードンガラガッシャァァァァァァァァン!
英霊共の攻撃が蛸足の動きを止め、その隙に……
「ふむ、ここまで見えれば充分。……某が新境地、【大蛸墨袋切り落とし】!」
……ムネマサが墨袋と本体の接続部位を切り落とし、墨袋は完全に切り離されたガル。
そして極めつけは……
「ひ、ひぃぃぃ!……さ、【採取】です!」
ーパシュッ!
「……す、すんなり行けたでヤンスね……」
「ハァ……ハァ……ま、邪神が俺達を敵とすら認めてなかったから出来た事だガル……つっても、本番はここからガルが……」
ルルリリアによって墨袋は回収され、俺達の仕事は終わりを迎えたガル。
ただまあ……
「……縻……邊痲蓙僞櫨ュ蜈!」
……完全に目を覚ました邪神から敵視されちまったガルから、もう神界で出来る事はねぇガルなァ……
と、俺はそう考えながら……
ーブンッ!
「ぐへっ!?」
ードボォォォォォン!
……さっきまでの比にならねぇ怒り満載の蛸足ブンブンを食らって、神界の大海にぶっ飛ばされちまったガル……
ご読了ありがとうございます。
何か急いでしまいましたかね……
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。