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158.英霊達への事前説明会

今回の話で出て来るキャラの大半が"誰だお前"状態になると思いますが、まあそういうキャラか程度に流してください。

(タイガーラ視点)


「カ~タカタカタカタカタ!……さあさあ皆さん、今回はご協力感謝するでヤンス!」


「……ったく、軽々しいガルな……にしても、ここが神界ガルか……」


……俺は今、普段の冥界から離れ……神共が居る神界へとやって来ていたガル。


勿論、それには理由があって……


あ、丁度壇上で死神長が話してたガル。


「……邪神を現世に落とす前に、こちらで少し弱らせる必要があるのは周知したと思うんでヤンスが……この邪神、神相手だと100%すぐに逃げて雲隠れするから困ってたんでヤンスよ~……」


「だからって普通、俺達みてぇな冥界の住人に協力を申し出るガルか?」


そう。


俺達が死神長によって神界へ連れて来られた理由は、魔王を生み出している邪神を弱らせるための戦力だったガル。


実際、俺以外にも数十人……いや、軽く100人を越える英霊が神界(ここ)に集められていたガル。


「……あ、別に皆さんを侮ってる訳じゃないでヤンスよ?……他の神相手には逃げる邪神が、ギリギリ逃げずに応戦しそうな戦力……それが皆さんなんでヤンスから!」


「ま、自分から立候補したとはいえ……本当に邪神なんかに抗えるんガルかね……」


今回の獲物である邪神は、現世だと神界(こっち)より弱くなるってのは死神長から聞いてるガル。


だから、逆を言えば……神界(こっち)じゃ普通に強いんガルよな~。


「え~、皆さんには邪神を弱らせる……具体的に言えば、奴の墨袋を(・・・)摘出する(・・・・)任務を遂行して貰うでヤンス!」


「……これはまた、難しい任務だガルな……」


「というのも、奴は自身の墨で染められた部分を自らの領域(テリトリー)とするんでヤンスが、領域(テリトリー)内部で奴は自らの肉体を自由に再生させられるんでヤンス!」


「……本当に面倒な相手だガル……」


……墨で染められた部分の中で肉体を再生って……


流石は邪神というべきガルな……


「だから、現世に落とす前に奴の墨袋は抉り取る必要があるんでヤンス!」


「……で、それを俺達にやらせてぇんガルか……」


「ま、それはそれとして……質問があれば答えるでヤンスよ~?」


この死神長には恩こそあるガルが、それはそれとして今回の任務は大変そうガル。


それはそうと質問って、緊張感ねぇガルな……


とか思っていると……


「では、お教えいただきたい!」


「お、貴方は……およそ500年前にこの世界に召喚された"炎罰の勇者"ことタツノスケさんと肩を並べた、"風拳"のゴルマさんでヤンスね~?」


「うむ!」


「お、早速ビッグネームだガル……」


最初に質問に名乗りを上げたのは、約500年前に活躍した"炎罰の勇者"と肩を並べた相棒……"風拳"のゴルマという英雄だったガル。


その見た目は俗に言う細マッチョ?とやらで、髪は黒く色黒な肌が特徴的な男だったガル。


「この戦い、我等はその魂が消滅する可能性すらあるのだろうか?」


……その質問は誰もが気になりつつも、そこまで気にしていなかったものだったガル。


少なくとも、ゴルマ本人でさえあくまでも念のための確認というべき感じで……


「あ~、覚悟満々のところ申し訳ないんでヤンスけど、別に消えたりしないでヤンス。……あっし等も自分達の問題に皆さんを巻き込んでいる自覚はあるでヤンスから、最低でも皆さんの安全だけは守らせて貰うでヤンス!……具体的には、あっし等が加護ぶっぱして皆さんの魂が崩壊するのを防ぐでヤンス!」


「な、なるほどな……」


「ちゃ、ちゃんとしてるガル……」


俺含め命を懸ける気満々だった英霊達だったガルが、その犠牲は流石に死神側も看過出来なかったガルか。


と、そのすぐ後……


「では、次の質問はあるでヤンスか?」


「では、次は私が……」


「む?……貴女は確か……およそ300年前にこの世界に召喚された"一閃の勇者"ことシモツネさんの仲間だった"剛弓"のムルネさんでヤンスね~?」


次に手を挙げたのは、約300年前に活躍した"一閃の勇者"の仲間……"剛弓"のムルネという英雄だったガル。


その見た目は亜麻色の長髪に尖った耳が特徴的なエルフの女で、背中には大きな弓を背負っていたガル。


そのムルネが口を開き……


「その邪神とやらが用いる戦闘方法、詳しくお聞きしても?」


……という、至極真っ当な質問をしたガル。


「ふむ、戦闘方法でヤンスか……実を言うと、動き自体は現世に生息しているクラーケンとそう変わらないでヤンス。……強いて問題点を挙げるとすれば、邪神の住み処が重苦しい水中みたいな場所って事と、力と素早さなんかがクラーケンなんかの比にならないって事だけでヤンスけど……」


「あら、それは何とも……」


ううむ……


件の邪神が蛸みてぇな奴だってのは事前に聞いてたガルが……想定の何倍も蛸そのものだガルな……


「取り敢えず、邪神の蛸足にさえ捕まらずに動ければダメージは受けないでヤンス。……それと、目と目の間が弱点になってるんでヤンス!……後、極め付きに追い詰められたら攻撃無効の結界も張って来るから気を付けるでヤンス!」


「それはそれは……大変興味深い話、ありがとうございました……」


……おいおい……


蛸足に捕まる事なく、結界もどうにかした上で墨袋を摘出しろって言うつもりガルか!?


無理難題ガルな……


でも……それが何だガル!


無理難題くれぇ、突破してやるガル!


「要は、蛸足を避けつつ追い詰めねぇ様に邪神の懐に潜り込めば良いんだガルな?」


「お、今の声は……およそ100年前に"救世の勇者"ことミツエさんと共に先代の魔王を討ち倒したタイガーラさんでヤンスね!」


「ガル?……いきなり何だガル?」


「いや、タイガーラさんが今言った通りなんでヤンスよ。……蛸足に捕まらず、かといって邪神を下手に追い詰めたりもせずに邪神の懐へと潜り込むのが勝利への決め手になるんでヤンス!」


「……自分で言っといて何だガルが、本当に無理難題だガルな……」


自分への発破のつもりだったガルが、本当にそんな無理難題を掲げて来るガルか……


……策とかあるんガルよな?


「ちなみに言っておくでヤンスが、策はないでヤンス!……もうぶっつけ本番、あっし等ですら邪神(向こう)がどう動くか分からないでヤンスし……」


「……これが現世の今後に関わる様な戦いじゃなかったら、今すぐにでも解散してぇガル!」


何でこう……


こんな無策で挑むんガル!


「……そうなる気持ちも分かるでヤンスが、こっちも遂に来た好機(チャンス)何でヤンス!……ようやく、邪神による負の連鎖を終わらせられる……それを前にして、冷静で居るなんて無理な話でヤンス!」


「……そっちもそういう感じだガルか……」


前々から死神長(こいつ)が人間に対して愛着を抱いてる甘ちゃんなのは知ってたガルが……それにしたってガル……


「さて、他に質問は……」


「あ、俺からも1つ聞きてぇ事があるガル。……さっきから邪神としか呼んでねぇガルが、正式名称とかねぇんガルか?」


……これは本当にただの質問だったガル。


そして、死神長もまた軽い態度で言葉を紡ぎ始め……


「あ~……邪神って呼んだ方が手っ取り早く済むからそう呼んでたんでヤンスが……この邪神の正式名称は"海魔邪神 クラーダ・ム・オクトヌス"っていうんでヤンス!」


……そう、言ったガル。


「"海魔邪神 クラーダ・ム・オクトヌス"……って長いガルな……」


「だから邪神って呼んでたんでヤンス!」


「納得ガル……」


何というか、本当に覚える意味もねぇ名前だったガルな……


……ってか、他に質問する奴も居なさそうだし、俺のこれが最後の質問になるんガルか……


「こほん……とにかく!……今回の作戦は賭けばかりでヤンスが、あっし等は皆さんの実力と勇気を信じているでヤンス!」


「ハァ……ま、出来る限り頑張ってみるガル……」


「ふぅむ!」


「あらあら……」


「以上で、説明を終了するでヤンス!」


こうして、何だか丸め込まれた気しかしねぇ死神長による説明?も終わったガル。


……ま、死ぬ気で頑張れば何とかなるガルか?


そう思わずには居られなかったガルがまぁ……俺は俺なりに頑張るだけだガルな!

ご読了ありがとうございます。


なお、邪神が魔王を生み出す理由は、いずれ敵だらけの神界から自身が苦手とする現世へと住み処を移すにあたっての侵略要員兼環境整備要員だったりします。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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