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144.ラビィネル救出!

題名の通りです!

(時は少しだけ遡り、ラビィネル視点)


「grrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!」


ーメキメキ……ブンッ!ブンッ!ブンッ!


「ふぅ……シトラスちゃんの方は意外と何とかなりそうかな~?……あ、あのラビリンス相手に本気モード解禁するつもりだ~♥️!……うぅ……嫉妬しちゃいそう♥️……なんて考えるのは後々!……今はラビィネルちゃんを助け出さないと♥️!」


……アカネはあたちを助けようと、振り回されるダークトレントの根を華麗に飛び続けてた回避してたピョン。


でも、それもいつまで保つか……


『そうですピョンそうですピョン!……どうせ私からは逃れられないんですから、余計な希望は持たない方が賢明ですピョンよ?』


ピョン!?


……の、脳内にラビリンスの声……


ああ、ラビリンスの本体がしゃしゃり出て来たピョンか……


『ピョンピョンピョン♪……この地と一体化している都合上、私がラビィネルの脳内に直接声を送れるのを忘れたとは言わせませんピョン!』


……あたちが守るべきだった"夢都 ワンダーランド"をこんな迷宮(ダンジョン)に変えた挙げ句、あたちの脳内にまで干渉するピョンか……


最悪ピョンな!


『最悪とは酷いですピョンね~?……そもそも、守るべきだった地を何も出来ずに奪われたのはラビィネルですピョンよね~?』


くっ……


……言われなくても、お前の本体があたちの管理するワンダーランドを奪い取ったあの日の記憶は今も忘れてないピョン!


『だったら、自分が助けを求める資格なんて持ってない事を自覚するべきですピョンよね?……何せ、この地を管理する者としての責務を全う出来なかったのですピョンから!』


……確かに、あたちは自身が守るべきだったワンダーランドを奪われ、こんな悪趣味な迷宮(ダンジョン)へと改造された敗北者だピョン……


『それなら……』


でも……こんなあたちを助けようとしてくれる者が居るなら、あたちはそれに応えるだけだピョン!


『……本っ当に反吐が出ますピョンね……どうせここで勇者アカネがダークトレントを倒したところで、ラビィネルを含めた哀れな挑戦者達はこの迷都から出られませんピョン!』


それはお前がこの地を支配しているからピョンか?


『その通りですピョン!……何故、私がこんな回りくどく不確実な方法を選んだと思っているのですピョンか?……この地では私が全てだからですピョン!』


(トラップ)の殆んどが使えないのにピョンか?


『それでもですピョン!……いくらラビィネルに残った僅かな支配権で全員を転移出来ても、この地からは絶対に逃れられませんピョン!……強いて言うなら、私を倒すのみ……もっとも、迷都内でのみ魔王に匹敵する力を持った私に勝てるならという前提条件が付きますピョンが……』


……つまり、あたちがここで救出される事すら計算内だとでも?


『正確に言えば、どちらに転んでも支障はないというだけですピョン。……そこで勇者アカネとシトラが死んでも都合は良いですピョンし、仮にラビィネルが奪還されてもこの迷都から出られない限りラビィネルが私の手中に有るという事実は覆りませんピョン!』


言ってくれるピョンね……


『さてさて、どう転びますピョンか……おや?』


ピョン?


ラビリンス、いったいどうしたと……


そう思ったあたちは、すぐに目の前の現実へと意識を戻して……


「grrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!」


ーメキメキメキメキメキメキメキメキ……


……そこに映った景色は、先程までとは全く比にならない量……恐らく数十本はありそうなダークトレントの根が、アカネへと伸びる風景だったピョン。


「お~っと、これはダークトレントを本気にしちゃったかも~!」


アカネは一見すると余裕そうだったピョンが、本当に大丈夫かはあたちには分からなかったピョン……


『ふむ……どうして勇者アカネがもっと強い武器を出さないのかは疑問ですピョンが、どうせラビィネルを巻き込むのが嫌だからとかそんな理由が関の山でしょうピョン。……これだから弱者に寄り添う強者は……』


……ラビリンスは相変わらずピョンな……


『では、どうなるか見てみましょうピョン!』


ラビリンスがあたちの脳内でそう言った直後、アカネはダークトレントの根に囲まれて……


「……ん?……ここが決め時っぽい!」


ースパッ!スパッ!スパパパパパパパパパパパッ!


「grrrrrrrrrrrrrrrr!?」


……その根が全て、アカネによって切り落とされたピョン。


『ピョン!?』


「こっから一気に行くよ~!」


ースパッ!スパッ!スパパパパパパパパパッ!


「grrrrrrrrrrrrrrrrr!?」


アカネはどんどんとダークトレントの根を切って、あたちへと近付いて来たピョン……


『あ、あり得ませんピョン……あんな腐っても常人にとっては強力な武器で、ラビィネルを巻き添えにせずにダークトレントだけを傷付けるだなんて……』


……勇者、アカネ……


あたちの存在をラビリンス越しに気付いて、こうして救おうとしてくれる程の優しい人……


「あ、もうすぐ助けれそうかも……ねぇねぇ♥️!」


「ピョン?」


「ラビィネルちゃ~ん、愛してるよ~♥️!」


「ピョン!?」


な、何をサラッと愛の告白を……


……あ~あ、これはアカネに責任取って貰わないと割に合わないピョンな……


これも冗談だったら許さないピョンよ?


『こ、こんな時に愛の告白ですピョンか?……本当に私を舐め腐ってますピョンね……』


そう思うのも自然だピョンが……


……でももう、アカネはあたちのすぐそこまで来てるピョンよ?


『ダークトレント、死力を尽くして勇者アカネを仕留めるのですピョン!……さっきまではラビィネルを奪われても別に構わないと思っていましたピョンが……あそこまで舐め腐った態度をされるとイライラしてしまいますピョン!』


「grrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!」


ーメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキ


ラビリンスからの命令を別系統から受けたのか、ダークトレントは更に根を伸ばしてアカネへと襲いかかったピョン。


でも……


「恋の障害は綺麗に散ってね♥️!」


ースパッ!スパッ!スパパパパパパパパパパパッ!


「grrrrrr!?」


ーバラバラバラ……ドシィィィィィン!


……あたちを捕縛していたダークトレントはアカネの剣によって一瞬で細切れと化し、あたちは支えを失って地面に……


「ここで華麗にお姫様抱っこでキャッチ♥️!」


ータンッ……


「ピョン!?」


……落ちる事はなく、アカネの言葉通りにお姫様抱っこされる形でキャッチされたピョン。


しかし、ここで1つ気付いた事が。


「ハァ……ハァ……何とかなってくれた♥️……」


「……汗びっしょりだピョン……」


アカネは先程まで余裕とばかりに振る舞ってたピョンが、いざ触れてみると全身が汗ばんでたピョン。


「あはははは……司ちゃんみたく常時格好良くは行かないよね~。……実際、迫る木の根をラビィネルちゃん巻き添えにせず切り落とすとか心臓バクバクものだし、そもそもラビィネルちゃんを上手く助けられるかも不安だったしで……」


「アカネ……」


……結局、この戦いの最中アカネはずっと不安だらけだったピョンか……


「でもでも、ラビィネルちゃんを助けられたら何の問題もナッシング~♥️!……なんちゃって?」


「……そうピョンか……」


本当にアカネは……


救いたい誰かのためなら、自分の命なんて簡単に捨てられる……


そんな危うい性格をしてるピョン……


「……で、ラビィネルちゃん♥️?……さっきの私の告白だけど、あれ別に冗談でも何でもなくて……」


「……良いピョン……」


「へ♥️?」


「あ、アカネの恋人になら……なってやっても良いピョンよ?」


ードキドキドキドキ……


……これであたちは引き返せなくなったピョン。


さて、アカネはどう返すピョ……


「ほ、ほへへ……」


ーばふん!


「アカネ!?」


アカネは顔を真っ赤にして、目を泳がせまくってたピョン。


と、そこへ……


「アカネ、そっちも終わったみてぇガルな……って、いったいどうしたガルァ!?」


シトラがやって来たピョンが、案の定アカネの様子に驚いてたピョン。


「ら、らららラビィネルちゃんから告白にOK貰っちゃった♥️……プライバシーの侵害になるからラビィネルちゃんの思考は知識として分からない様にしてたんだけど……」


「お、落ち着けガル!」


結局、アカネが落ち着くまでに少しだけ時間を要したピョンが……


……これであたちは無事、ひとまずラビリンスの支配から抜け出せたのだったピョン……

ご読了ありがとうございます。


ラビィネル、救出!


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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