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143.餅つき兎は戦闘狂

シトラスの本気って上手く書けない……

(ラビィネル視点)


「ラビィネルちゃん♥️!……もうちょっとの辛抱だから少しだけ待っててね♥️!」


「grrrrrrrrrrrrrrrrrrr!」


ーメキメキメキ……ブンッ!ブンッ!ブンッ!


……あたちを捕まえてるダークトレントは太く巨大な根を振り回し、アカネを落とそうと躍起になってるピョン。


ただ、アカネはそんなの関係ないとばかりに柔軟な動きで飛び回って避け続けてたピョン。


「……アカネ、本当にあたちなんかを助けてくれるピョンか?」


「当たり前じゃん♥️!……打算がないとは言わないけど、それ以前に私はラビィネルちゃんを口説き落とすって決めたんだから♥️!」


……あたちはラビリンスの記憶を見れるピョン。


だからこそ、アカネが勇者に相応しい良い奴なのは知ってるピョンが……


あたち程度のためにこんな危険な真似を……


「grrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!」


ーメキメキ……ブンッ!ブンッ!ブンッ!


「あらよっと……う~ん、私としてはもうちょっと綺麗に助けたいんだけどな~……」


……って、意外に余裕ありそうピョン……


「ほ、本気であたちを助ける気あるピョンか?」


「あるある♥️!……でもまあ、どうせなら格好良く助けたいに決まってるでしょ♥️?」


「……いや、冗談なのはバレバレだピョン。……本当はちょっと厳しいピョンね?」


「あちゃ~、バレちゃったか♥️。……うん、どうにかラビィネルちゃんを傷付けずに助ける方法を模索してるところだよ……」


……これまでラビリンスを介してアカネを見続けてきて辿り着いた結論として、アカネは誰かを助けられるなら格好良さとか気にしないタイプだピョン。


つまり、それだけあたちの救助は厳しいって訳だピョン。


「……アカネ……」


「あはは……例え知りたい事を知れても、未来が見れる訳じゃない。……今だって、色んな心配事が頭に浮かんじゃうしさ……」


いまいち言ってる事は分からないピョンが、それでもアカネが何か重い覚悟をしている事は分かるピョン。


なら、あたちに出来る事は1つ。


「ふぅ……アカネ、あたちを助けて欲しいピョン!」


「勿の論だよ♥️!」


……囚われの姫として、勇者アカネの助けをただ待つ事だけだピョン……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(シトラス視点)


「助けを乞うとは……これだから弱者は虫酸が走るんですピョン!」


ーブンッ!


「良いんじゃねぇガルか?……勇者の助けを待つ囚われの姫ってのは大昔から物語の定番ガルよ?」


ーブンッ!……ドシィィィィィン!


会話をしつつ、オレとムーンはお互いの得物をぶつけ合うガル。


もっとも、攻撃力だけなら互角の実力故に勝負は決まらねぇガルが。


「ふん、それが何ですピョン?……所詮、雑魚は強者に助けて貰わなければ何も出来ないって事ですピョンよね?」


「ケッ!……腐った考え方ガルな!」


「何とでも言えば良いですピョン!……寧ろ、私としてはシトラがそういう脳内お花畑な考えだったのが意外ですピョン!」


ーブンッ!


「余計なお世話だガル!……とはいえ、オレだってアカネの恋人としてはラビィネルへの感情は複雑だガルよ!」


ーブンッ!……ドシィィィィィン!


……ったく、ムーンは勘違いした実力至上主義者みてぇな考え方してる上に、オレの考えを脳内お花畑呼ばわりして来るガルか……


確かにオレだってアカネの恋人としてはラビィネルに思うところありまくりだガルが、それはそれとして今後アカネに恋人が増える事は反対するつもりもねぇガルし……


「……シトラ、もしかしてですけど……あんまり私に注意を向けてないですピョン?」


「ガル?……いやいや、注意はしてるガルよ?」


「でしたら、もっと戦いを楽しみましょうピョン!」


「ガルァ?……ああ、戦闘狂だガルか……」


オレも似た様なタイプだガルが、こういう戦闘狂って相手からしたら迷惑そのものガルな……


ほんと、よくアカネはオレなんかの相手をしてくれたガルな……


「もっと戦いを楽しみましょうピョン!……って、そういえばさっき勇者アカネがシトラの恋人って言いましたピョンか?」


「それがどうしたガル?」


「信じられませんピョン!……あんな変態より私の方が何倍もシトラを楽しませられ……」


「黙れガル……」


「ひゅっ……」


ハァ……


黙って聞いてればペチャクチャと……


「ムーン……テメェとの戦いは退屈なんガルよ!……筋力こそ【覇王】込みのオレと同等ガルが、技術も読み合いも皆無でひたすら力任せの攻撃を出鱈目にぶつけて来るだけ……こんな戦いに楽しさを見いだせって方が無理な話だガル!」


「ピョン!?」


ムーンの技術は拙く、読み合いが出来る程のレベルにすら達してないガル……


加えて根本的に相入れねぇ価値観……


楽しむなんて無理だガル!


「あ~……もうイライラするガルァ!……こっからは本気で行くガル!」


「ほ、本気?……え、まだ本気じゃなかったんですピョンか!?」


ああ、こいつは本当に救えねぇガル……


「【覇王獣化】だガル!」


「ピョン!?……な、何ですピョンか……その力……とってもわくわくしますピョンね!」


うげっ……


【覇王獣化】を見ても絶望しねぇガルか……


……ラビリンスと根本は同じでも、戦闘狂属性を付与するだけでここまで様変わりするもんなんガルな……


「ふぅ……テメェは確かに強い力を授けられたかもしれねぇガル!……ただ、圧倒的に実戦経験が不足してたガルァ!」


「ええ、そうでしょうピョン!……だから、どうせ他の【異世界兎物語(ラビット・ストーリー)】は自分の敗北すら認められずに無様に負けている頃でしょうピョン!」


「……それが分かってて、オレに挑むんガルか?」


「勿論ですピョン!……本体様は私に、完璧な戦闘狂の人格を与えましたピョン!……それ故に私は自身の死すら恐れない破綻者になろうとも、戦闘を楽しみ続けるのですピョン!」


……こ、こいつ……


もし戦闘技術が育ってて、読み合いによる駆け引きが出来る程の知能があれば……きっとオレを楽しませてくれてたガルな。


……が、現実はそう上手く行かねぇガル。


「だったらお望み通り、圧倒的な実力差で叩き潰してやるガルァ!」


「ピョ~ンピョンピョン♪……やれるものならやってみなさいピョン!」


ーダンッ!


ムーンはかなり興奮した状態でスタートダッシュを切ると、オレの目の前まで迫ろうとしてたガル。


……が、今のオレはそれすらも見えてるガル。


そうして攻撃手段を少しだけ考えたオレは、キングクラッシャーを地面に置いて……


「ハァ……えいガル!」


ーブンッ!ガンッ!


「ピょへっ!?」


……迫り来るムーンの顎に素手で(・・・)アッパー(・・・・)をお見舞いし、その突撃を止めたガル。


更に……


「ガルガルガルガルガルガルガルガルガルァァァ!」


ードカドカドカドカドカドカドカドカドカドカ!


「ピょふピょへピょひピょへピょふピょへし!」


ードサッ……


オレはひたすらムーンの全身を素手で殴り続け、その身体(ボディ)を粗方壊し尽くしたガル。


オレの攻撃が終わった後のムーンは関節が全て明後日の方向を向いており、火花も散ってたガル。


「あ~あ、またこの姿が目立たねぇ戦いしちまったガル。……アカネは軽々制圧しやがったガルし、ムーンは逆に実力差があり過ぎてしょっぱい戦いになっちまったガルし……」


「ピョン……ピョン……ああ……これが……【覇王】の……本気……ですピョンか……」


ージジジ……バチバチ……


「もしアカネを侮辱するなら、この姿のオレを軽々制圧出来る様になってからがスタートラインだガル!」


「無茶苦茶……です……ピョン……でも……これで死んだと……しても……不思議と……悔いは……ありません……ピョン……」


ージジジ……バチチ!


弱々しく声を紡ぎながら、そんな言葉を吐き続けるムーン。


……あの醜悪な本性をしたラビリンスから生まれたとは到底思えない程に、潔い遺言だったガル。


「こりゃ、戦闘狂属性が変な作用をしたんガルか?」


「どうで……しょう……ピョン……もう……私は死ぬんだから……関係……ありま……せん……ピョ……」


ーバチン!


「……死んだガルか……」


相手は自我は別だとしてもラビリンスの1個体。


頭でそれは分かっているのに……心の何処かで、オレはこいつの死を悼んでいたガル……


こうして、オレとムーンの戦いは幕を閉じ……オレはアカネの方へと目を向けたガル……

ご読了ありがとうございます。


シトラスは強いんですが、強さ故に本気で対等に相手出来る相手が居ません……(※つまり、相手が自身より強いか弱いかの2択)


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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