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13.下水道探索 始

そろそろアイデアを出すのがヤバくなってきます。

(浅山 藤四郎視点)


「うおぉっ……ジメジメしてるな……」


「まあ、不衛生ですし早めに討伐して行きましょうニャン。」


……俺とナフリーは今、王都の下水道を歩いていた。


なお、下水道は幾つも道が枝分かれしており、先に入ったであろう冒険者と鉢合わせる事はなかった。


……と、ここで……


「キシャァァァ!」


「チューチューチュー!」


「……鼠を追いかける……蛇?」


「レッサーマウスにレッサーボア……下水道の鼠と蛇が魔物化したってところですニャン。」


「だったら倒すか?」


「いえ、放っておいても普通の蛇や鼠と変わりませんし、何より素材にするには汚過ぎますニャン。」


つまり、倒しても旨味は無し、と……


「そうか……なら威圧して放置だな。」


「そうですニャンね。……ニャッ!」


ービクッ!


「チュ~!」


「キシャシャ~!」


ナフリーの威圧 (※スキルではない) を受けたレッサーマウスとレッサーボアは、再び下水道の奥へと逃げ去って行った。


だが、次の瞬間……


「キシャァァァァ!?」


「チュ~!?」


再びこちらに走って来るレッサーマウスとレッサーボア。


その様子は、先程ナフリーから逃げた時よりも怯えていた。


「また来ましたニャン?今度は容赦しな……」


「いや待て。……奥から何か来る。」


ーヌッチャ……ヌッチャ……ぷるるん……ヌッチャ……


「あれは……ビッグスライムですニャン!」


「早速当たりか!」


レッサーマウスとレッサーボアを追いかけていたのは、俺達と同じ大きさのスライム……ビッグスライムだった。


いや、思ってたより大きいな!?


「ご主人様、下がっててくださいニャン!」


「お、おう……あ、バフかけるな。」


そうして俺はいつも通りナフリーにバフをかけた。


「ありがとうございますニャン!……ふぅ……【飛斬】ですニャン!」


ーブンッ!……パリン……


「えっ……」


何が起こったのか説明しよう。


ナフリーが【飛斬】と呟いて腕を振った瞬間、ビッグスライムが中の(コア)ごと斬れて死んだのだ。


……だから俺、誰に説明してんだよ!?


「今の技は【飛斬】。……魔力を爪の先に込めて、飛ぶ斬撃として放つ技ですニャン。」


「な、なるほど……」


「とはいえ、常時バフをかけられない以上は連発出来ない技ではありますニャンね……」


「じゃあ、最低限で重要なバフだけかけられるようにしないとな。……うん、取り敢えず【体力増強】と【攻撃力上昇】に【魔力上昇】、それから【MP自動回復】ってところか……念のため【防御力上昇】も付けとくか。」


「あはは……そんな都合良く、急にバフ付けは出来ませんニャン。だったら、あたしが自分で強くなるしかないですニャン……」


「……すまん。」


俺のバフは、基本的に戦闘中しか効果がない。


いや、正確には目的を終えるまでか?


……だとしたら、行けるかもしれない。


「……ご主人様、どうかしましたニャン?」


「ナフリー、この下水道探索を終えるまでバフが欲しいって思ってくれないか?」


「え?どういう事ですニャン?」


「良いから良いから。……思ったか?」


「あ、はいですニャン……」


よし、試しにこれで……


「【体力増強】、【攻撃力上昇】、【魔力上昇】、【防御力上昇】、【MP自動回復】!」


「ん?……ご、ごごごごご主人様、戦闘中でもないのに力が湧いて……」


「……成功か。これでこのバフは、下水道探索を終えるまで継続する筈だ。」


「や、やはりご主人様は凄いですニャン!」


……うん、持ち上げて貰ってるところ悪いけど、そんな良い事ずくめって訳でもないんだな~……


「ただこれ……継続すればする程、俺の魔力が消費されるんだよな……なあ、ポーションって魔力回復するか?」


「あ、一応しますニャン……それと先日から聞かないようにしつつも完全に確信してたんですが……ご主人様達って勇者なんですニャン?」


「……まあ、普通に会話で出してたからな……ただ、俺は勇者じゃない。あくまでも勇者だった茜のオマケとして召喚されただけだ。」


「そ、そうだったんですニャンね。」


寧ろ、これまで聞いて来なかった方がおかしいのだが、遂にナフリーは俺達が勇者だという事を聞いてきた。


勿論俺は肯定したが、多分かなり前から知ってたのだろう。


だって普通に会話で出してたからな。


「……という事は、ご主人様達は異世界人なんですニャンか?」


「ああ、そうだな。」


「そ、そうですニャンか……」


俺達が異世界人だという事まで、ナフリーに話した。


そうして2人の間に、気まずい雰囲気が流れる。


だが、その時俺もナフリーも話の内容に集中し過ぎていたのだろう。


ーヌッチャ……ヌッチャ……ぷるるん……


……近付くスライムの音を、完全に聞き逃していた。


と、その時……


「キシャァ!キシャァ!」


「チューチュー!」


「ん?お前等まだ居たのか?……って、ビッグスライム2体目来てるぞ!」


「あ、申し訳ありませんニャン!……【飛斬】ですニャン!」


ーブンッ!……パリン……


「ふぅ……ヤバかったな……」


「話に熱中するのは辞めておきますニャン……」


幸いにもレッサーマウスとレッサーボアのお陰でギリギリでビッグスライムに気付けた俺達だったが、後数秒で取り返しがつかなくなっていただろう。


「……こういう所では、集中を別の所に向けるだけで命取りなんだな。」


「そうですニャンね……ところで、その2匹はどうしたんでしょうニャン。」


「確かに、俺達から離れねぇな。」


「う~ん……あっ、そういえば心当たりがありますニャン!」


「本当か!?」


何故か俺達から離れねぇレッサーマウスとレッサーボアを見て、ナフリーは心当たりがあると返す。


「確か【従属化(テイム)】というスキルなのですが、獣人系種族の中には生まれつき持ち合わせている者が居ると聞いた事がありますニャン。」


「……やったのか?」


「いえ、もしかしたらスライムから助けられた事を勝手に恩義として感じているのかもしれないですニャン。なので、念のため……【従属化(テイム)】ですニャン。」


ーキラ~ン


「……いや、こんなのテイムしてどうするんだよ……」


「……確かに、考えていませんでしたニャン……」


いや待て、それならナフリーは武闘家じゃなくて魔獣使い(テイマー)になるのか?


……俺のバフ付きとはいえ、あの強力な本体性能で?


「まあ、こいつ等の処遇に関しては後回しだ。……先を急ぐぞ。」


「は、はいですニャン!……という訳ですので、ネズさんとヘビーさんはあたしの後ろをついてきてくださいニャン。」


「チュ~!」


「キシャァ~!」


……見た目は汚れた鼠と蛇だが、ナフリーは何故か早速気に入ったようで名前まで付けていた。


まあ、これで一段落かと思いきや……


「……いや待ってくださいニャン!」


「ん?」


「ご主人様、こうしてる間も魔力減ってるんですニャンよね!?」


「まあ、そうだな……」


「……急ぎますニャン!早くしないとご主人様の魔力が底をつきますニャン!」


「確かに、ポーション10本でどこまで行けるか分からねぇからな。取り敢えず残り5本になったらすぐに引き返すぞ。」


「はいですニャン!」


こうして俺達は先に進みながら、ビッグスライムを見つけ次第倒していくのであった……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(エルリス・フルウィール視点)


「やっぱ冒険者は色々買ってくれるから助かるわ~。ほんま、ガッポガッポやわ。」


ウチはポーションを始めとした大量の商品を冒険者に売れて、舞い上がる程喜んどった。


せやけど……


「……流石に、外で異変が起こっとる時にビッグスライムが大量発生するとかおかしいわ~。……やっぱ、何かあると考えるんが普通やわな~。」


こないだから入念に調べた結果、ある程度の目星は付けとる。


「ほな、下水道のスライム殲滅は冒険者に任せて、ウチはウチの仕事を全うしよか~。」


商品売買を通しての支援は一通りやったし、ウチもここに()る必要はあらへんな。


そうしてウチは、黒幕やと思う奴をシメるためにその拠点へと向かうんやった……

ご読了ありがとうございます。


ペット2匹、ゲットです。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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