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109.ケール攻防戦 掌握

何か、1話にだいぶ詰め込んだ感じです。

(浅山 茜視点)


ーピ~!ピ~!ピ~!


「ん?……何か変な音が鳴ってる……」


私が普段通りケールの街中を歩いていると、急に警報っぽい音が鳴り出した。


そして、次の瞬間……


ードゴゴゴゴ……ドゴォォォォォン!


「っ!?……うわっ、キモい魔物……」


ケールの天井とも言える、地盤との境界を突き破って現れたのは……まさかのワーム系モンスターだった。


「っ!?……あ、あれはマグマワームか!?」


「でも何でだ!?」


「そういや、さっきの警報って結界が破壊された時のじゃ……」


……結界が破壊された?


となると……あれで終わりじゃない!


ーヒュ~……ドシィィィィン!……ぐつぐつぐつ……


「ゴボォォォォォ!」


ケールの上部から、地面?まで落ちたワーム系モンスター。


その直後……


『マグマワーム発見!……至急駆除開始!』


ーヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!


「ゴボォォォォォ!」


ーバン!バン!バン!バン!……ドシィィィィン!


……結局、落ちて来たマグマワーム?とやらはすぐにケールの街並みから発射されたミサイルで呆気なく駆除された。


「な、何だったんだ?」


「さあな。……ま、このケールが陥落するなん事なんてあり得ねぇがな……」


「そうそう!」


……街の皆は安心してるけど……これ、十中八九終わってないよ?


という私の推測の答え合わせをするが如く……


「ワオォォォォォォォン!……今よりこのケールは、魔王軍が占領するグルァ!」


「殺戮だっキィィィィ!」


マグマワームが空けた穴から出て来たのは、白くて半裸な猿人と黒くて軍服を着た人狼(ウェアウルフ)という2体の魔王軍……


多分、白猿将軍 ルササと黒狼将軍 ルウフだね。


「……まさか、また魔王軍幹部が2人も来るとは思わなかったけど……その程度で勝てると思わない事だね!」


このケールが保有する戦力は、並大抵の物じゃない。


だから、今回は割と楽勝……


「「「「「「「「「「「「「【迷宮創造(ラビリンス)・簡易版】解放ですピョン!」」」」」」」」」」」」」


「っ!?」


突然聞こえたのは、大量に重なった憎き敵の声……


まさか……


「おや、そこに居るのは勇者アカネですピョンか?」


「ラビリンス……何で、そんなに……」


「ピョンピョンピョン……今回は以前の様には行きませんピョンよ?」


私の目の前に現れたのは、憎き敵こと迷兎将軍 ラビリンス。


でも、その数が異常だった。


「……み、見た感じ余裕で30人以上は居るよね?」


「当然ですピョン。……何せ、47体程ケールへの侵入に成功したのですピョンから!」


ラビリンスが使っている自動人形(オートマトン)の肉体が、47体も居たからだ……


いやはや、夢であって欲しいね……


……って、そうなるとさっきの詠唱は……


「「「「「フシュ~……フシュ~……」」」」」


「「「「「ブクブクブクブク……」」」」」


「「「「「フシュゥゥゥ~!」」」」」


「「「「「ゴボォォォォォ!」」」」」


「「「「「ワオォォォォォン!」」」」」


……やっぱり、魔物が召喚されてる……


「あ、あれは……アイアンリザードにメタルクラブ、タンクトータスにマグマワームにコマンダーウルフだと!?」


あ、ケールの住民が種類を教えてくれた……


取り敢えず、アイアンリザードとコマンダーウルフは道中で遭遇したのと同じ。


タンクトータスは甲羅の一部が大砲みたいになってる巨大な亀。


マグマワームはさっき駆除された、全身がマグマで燃え盛ってる巨大ワーム。


……その全てが大群を率いてるとか、かなり危険なんだよね……


『魔物の大群を発見、至急駆除開始!』


当然、さっきと同じ様にミサイルが発射された。


でも……


ーバン!バン!バン!……カサカサカサカサ……


「っ!?……と、止められた!?」


ミサイルは何故か全てメタルクラブに当たり、その上メタルクラブはノーダメージとはいかなくともまだ動ける状態であった。


「……メタルクラブは防御力が非常に優れた魔物だグルァ!……そんなメタルクラブを防壁部隊とし、後続の魔物達を進めるのだグルァ!」


……いや、本気で言ってるの?


あの程度の雑魚、私にかかれば……って、ん?


何か、ラビリンスの分身体が次々と街の中央に飛んでってる様な……


「……確実に、あっち止めた方が良い感じじゃん!」


何を考えてるかは分からないけど……ラビリンスを行かせちゃ駄目だって私の本能が訴えてる。


でも、世の中そう上手くは行かないみたいで……


「おっと、貴女の相手はこの私達ですピョン!」


「掌握の邪魔はさせませんピョン!」


「この個体でも足止めなら出来ますピョン!」


「私達と踊りましょうピョン!」


「……絶対に、先には進ませないですピョン!」


……ラビリンスは5体の分身体を私にぶつけて、足止めをするつもりらしい。


そこまでして、何を考えて……


「ま、関係ないけどね!……【戦乙女(ワルキューレ)】の神器15番、【破魔の剣】!」


ーブン!……スカッ……


「やっぱり技が大振りですピョン!」


「やはり、私達が優勢ですピョン!」


「ぐぬぬ……」


そうして私は5体のラビリンス分身体に対し、猛攻を仕掛けるのだった。


……他のラビリンス分身体を追わなかった事を、後に後悔する事になるなんて知らないで……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(俯瞰(ふかん)視点)


「あ~もう、魔物が多過ぎるんですわ!……しかも、大規模な魔法なんて使ったら巻き添え被害が大変な事になりますし……」


メアリーは焦っていた。


自身の魔法で一掃しようにも、下手をしたら巻き添え被害が大きくなってしまうからだ。


「くっ……私めの守りもいつ突破されるか……やはり、戦場でものを言うのは数の暴力ですな!」


ロウルは劣勢に陥っていた。


魔物の1体1体はそこまで強いものではないが、それが束になって襲いかかって来る事で倒すのが困難になっていたからだ。


「ニャッ……ご主人様を迎えに行かなければいけませんニャン!」


ナフリーは走った。


もし、この状況で自身の主人たる藤四郎が襲われたりしたら……そう考え、馬車へと走った。


「……まさか、こんな不意打ち食らうとは思わへんかったわ……」


「そんな事を言っとる場合か!……早く敵が狙ってる場所を割り出すのじゃ!」


エルリスとメサイアは、どうにか敵の狙いを暴こうとしていた。


しかし、現状としては後手に回っていた。


「……何だか外が騒がしいな……」


馬車に籠っていた藤四郎は、ケール襲撃に気付いていなかった。


「ふむ……あれの対処はボクでも骨が折れそうだね」


「……いや、それよりもラビリンスの動きを止めないとマズいっしょ!」


魔物の対処にあたろうとしていた司を制止し、正義(ジャスティス)はラビリンスを倒そうという結論に至っていた。


もっとも、それは時既に遅しだったが……


「……ん?……何か、外が騒がしいですね?」


「そうでありんすね……」


書物庫に居た兼人とミツエは、藤四郎と同じくケールの襲撃に気付いていなかった。


「グルルルル……本官のスキル、【最高司令官スプリームコマンダー】により結束した魔物達は、並大抵の戦力では削れぬグルァ!」


「それより、さっさと蹂躙させろっキィィィィ!」


「いや、お前は最終戦力だグル。……そう簡単に前線には出さないグル……」


「何だそれっキィィィィ!」


ルウフとルササは、魔物達の後方で言い争いをしていた。


「……あの2人が、今回の首謀者っすか……」


「……早く倒しマスか?」


「……いや、もう少しだけ様子を見るっす!」


「分かりマシた……」


ダレスとダルクは、ルウフとルササを監視していた。


敵が隙を見せ次第、討ち取るために……



そして街が混乱して数分後、ケールの中枢にて……


「ハァ……ハァ……この街のシステムは、乗っ取らせないのであ~る!」


「……まだ生きてたんですピョンか?……老いぼれが頑張るものじゃないですピョンよ?」


5体程度のラビリンス分身体により制圧されたケール中枢部では、プルスレゼスがラビリンスによって圧倒されていた。


もっとも、ラビリンス側も相当な数を減らされてはいたが……


「だとしても……吾輩が倒れる訳には……」


「あ~もう、さっさと中枢システムと一体化しますピョン!」


「待て!……待つのであ~る!」


……プルスレゼスの叫びも虚しく、ラビリンス分身体の1体が、ケールの中枢システムへと向かって行った。


そして、ケールの存続を危ぶませる存在へと変貌する事になるのだった……

ご読了ありがとうございます。


ラビリンスは魔物が暴れている混乱に乗じて、中枢部へと侵入しました。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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