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104.発明コンビの好意

久しぶりの更新です!


案の定、文章はおかしいです!

(浅山 藤四郎視点)


「トウシロウ、ちょっと手伝って欲しい事があるんすけど……」


「トウシロウ様、マスターの言葉は聞き流しても良いデスからね?」


「……何か、2人ともやけに近くねぇか?」


「え、別に良くないっすか?」


「そうデスよ?」


「そうか?」


あの宝石蟹(ジュエルクラブ)に関する諸々から、2週間程度が経過した。


その間、驚く程何もなかった。


いや、俺としては何かしらトラブルでも起こるかと思ってたんだが、本当に何事もなく過ごせていた。


もっとも、それは不自然な事態でもあったらしく……


「それにしても、この旅路はやけに魔物が少なかったっすね~……流石にここまで出会わないのはおかしいっすよ?」


「そうデスね。……ここまで出会わないと、逆に何かある気がしマス……」


ダレスさんとダルクさんにとっては、ここまで魔物と出会わないのは逆におかしかったらしい。


「……そういや、こういう魔物の目撃例が減る事態に既視感があるんだよな……」


あれは確か、タルコス周辺の魔物の目撃例が極端に減ったって事件だっけか……


結論としては、あれは魔王軍幹部のタルコス侵攻の手駒として集められてたが……まさか今回もそうだって事はねぇよな?


と、そこへ……


「あ、お兄ちゃ……またお兄ちゃんは両手に華を体現してるね……」


「いきなり何だ?」


「つまり、リア充死すべし慈悲はないって事だよ!」


「……つまり嫉妬か……」


あの宝石蟹(ジュエルクラブ)の日以降、茜は毎回この台詞(セリフ)を言って来る。


それこそ、このやり取りも何回目になるか分からねぇくらいには……


と、俺が遠い目をして現実逃避をしていると……


「そりゃ嫉妬もするよ!……この馬車に居る私以外の皆に春が来てて、私だけ独り身なんだもん!」


「全員って……兼人とミツエさんの恋愛は何も解決してねぇだろ?」


「あの2人はもうさっさとくっ付いちゃえば良いんだよ!」


……それが出来ねぇから苦労してんだろ……


「後、ダレスさんとダルクさんだって別に春来てねぇし……」


「……まさかお兄ちゃん、気付いてないの?」


「何にだ?」


「2人がお兄ちゃんを見る視線、まるで獲物を狙う肉食獣のそれだよ?」


いやいや、そんな訳が……


ースッ……


「おい、何で2人とも目を逸らした?」


まさかマジだったのか?


「も~、だから言ったでしょ?」


「……そ、そうだな……にしても、俺の何処をそんなに気に入ったんだ?」


俺とダレスさん達が出会ってあまり経っていない以上、俺の何かしらを2人が気に入ったとしか思えねぇんだが……


「……何かこう、からかい甲斐がありそうな所っすかね~?」


「私も何となくとしか言えマセん……」


「……お兄ちゃん、変なフェロモンでも出てる?」


「それはないと思うが……流石に不気味だな……」


いくら何でもモテ過ぎだろ……


俺、そんなにモテるタイプじゃねぇ筈なんだが……


「いや、それよりも手伝って欲しい事なんすけど……」


「ああ、そういや最初はそんな話だったな……で、何して欲しいんだ?」


「えっとっすね……ちょっと発明品の実験体になって欲しいんすけど……」


「……いや、実験体って……」


ダレスさん、俺が好きなんだよな?


そんな相手を実験体にするって……もしかしてダレスさん、割とマッドな感じなのか?


「あ~……心配しなくても死んだり酷い後遺症が残ったりする事はないっすよ。……ただ、7日程度は腹を下し続ける可能性はあるっすね!」


「……余計にやりたくなくなったんだが……」


「え、何でっすか!?」


「マスター、自分の胸に手を当てて考えてみたらどうデスか?」


「……そこまで言うっすか!?」


……多分、ダレスさんも一般的な常識や倫理観は持ち合わせている筈なんだよな……


ただ、それ等が発明に対しては全く発揮されないという……


と、ここで茜が口を開いて……


「ねぇねぇダレスさん!……もし私が実験体になったら、私の要求に何でも応えてくれる?」


……また碌でもない願いを言いやがった……


「え、勿論っすけど……」


「だったら私が……」


「茜にプライドはねぇのか!?」


いや、ねぇんだろうな……


ただでさえ自分の周りの人間に春が来ている上に、実の兄である俺がハーレムを築いているとなると……


「あのねぇ、プライドで恋人が出来るのならこんな事はしてないんだよ!」


……当然、茜にプライドなんて残らねぇよな……


「ハァ……そうは言うが……」


「どうせハーレムの主をしてるお兄ちゃんには私の気持ちなんて分からないよ!」


「それはそうだが……これはこれで大変なんだぞ?」


「うぅ……そうかもだけど……」


何というか、茜は焦り過ぎなんだよな……


……というか、こんな方法で恋人なんて作れる訳ねぇだろ……


「そもそも、ダレスさんに何を要求するつもりだ?」


「それは勿論、恋人に……」


「いや、流石の私も同性は対象外っす……」


「だとよ?」


「……やっぱりそうなるよね……あはは……」


こうして、茜のくだらない企みは一瞬で潰えた。


……まあ、俺だって少しは茜に同情したが、そもそも茜は既に2人の人物に恋している訳で、それを解決してからチャレンジするのが筋ってもんだろ……


と、その時だった……


『なあなあ、もうすぐケールに着くんやけど……ちょっと全員馬車の外に出てくれへんか~?』


突然、エルリスさんから馬車の外に出るよう指示があった。


「……ん?」


「……エルリスさん、何の用かな?」


「まあ行くか……」


「そうだね……」


そうして俺達は困惑しつつも、揃って馬車から出たのだった……



そして馬車の外にて……


「……で、僕達はどうして呼ばれたんですか?」


「ボクとしても、説明は欲しいね……」


「ま、もうしばらく待ってみるっしょ……」


「あ、ご主人様もいらっしゃったんですニャンね!」


「あら、トウシロウはもう来てたんですわね?」


「私め達よりも早かったのですな!」


「あ、もう全員揃ったかのう?」


「そうみたいでありんすね……」


そんなこんなで俺達より後に出て来た皆や、俺達より早くに出ていたメサイアさんやミツエさんから声をかけられつつ、俺達は馬車の御者席に居るエルリスさんのもとへと向かった。


「お、皆来たみたいやな~?」


「エルリスさん……って、何でこんな山脈の前で止まってんだ?」


エルリスさんが馬車を止めていた場所……それは切り立った険しい山脈の目前だった。


「まあ見ときよし。……ちゅう訳でウチ等を入れてくれへんか?」


突然、エルリスさんは目の前にある急な坂道に話しかけ始めた。


すると……


『分かりました。……何名様で?』


え、今何処から声が……


「13人や。……その内の2人はケールの人間なんやけどな?」


『えっと……ああ、ダレス様にダルク様ですね。……照合完了いたしました。……早速、入り口を解放いたします……』


ーピピッ!……ゴゴゴゴゴ……


「……何か世界観違う気がするんだが……」


状況を整理しよう。


謎の声が入り口を解放すると言った瞬間、坂道の地面が開き、近未来的な隠し通路が現れた……


いや、ここ魔法中心のファンタジーな世界だよな?


「ほな、行くで?」


「あ、ああ……ところで、ここでわざわざ馬車から出た理由は……」


「ん?……この機構を見せるためやけど?」


「そ、そうか……」


確かに、馬車の中からでは見えないとはいえ……このためだけに下ろされたのか……


そう思いながら隠し通路を進んで行くと……


「ん?……行き止まりか?」


道が完全に行き止まり……どうなってやがる?


「いや、待ちよし……」


ーガコンッ!……ゴゴゴ……


「っ!?……さ、下がってるのか?」


行き止まりだった場所の辺りが、突然エレベーターの様に下がりだした。


……うん、やっぱり世界観が(ry



そうしてしばらく下がると……


「さ、そろそろや……」


「何が……って、マジか……」


俺達の目前に広がったのは、まるでSF映画に登場する様な近未来都市……


空飛ぶ車両、都市の中に張り巡らされた管の数々、スチームパンクな建築物や、それとは対照的なサイバーパンクな建築物が乱立する街並み……


「お兄ちゃん、私達また別の異世界に来ちゃった?」


「奇遇だな。……俺も同じ感想だ……」


「……まあ、そう思っても不思議やあらへんよな……」


こうして俺達はこれまでの主要都市とは全く違う街並みを持ち、それ故に技術都市とも呼ばれているケールへと足を踏み入れたのだった……

ご読了ありがとうございます。


ケールは他の主要都市とは違い、割と科学技術も発展しています。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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