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103.宝石蟹の捕獲

どんどんグダっていきます。

(浅山 藤四郎視点)


兼人とミツエさんの恋騒動から1週間が経過した。


その間、特に問題が解決する事はなく、両者とも顔を合わせる事がなかったのだった……


ただまあ、それは一旦置いておき……


『ダレスはん、ダルクはん、そろそろ宝石蟹(ジュエルクラブ)の生息地やよ~……』


「お、ようやくっすか!」


「マスター、その言い方はどうかと思いマスよ?」


ダレスさんとダルクさんがこの馬車に乗る理由となっていた宝石蟹(ジュエルクラブ)の生息地に、ようやく到着したのだ。


「よ~し、それじゃあさっさと済ませるっすよ!」


「分かりマシたが……いえ、何でもありマセん……」


ダルクさんは少し意味深な間を空けたが、特に何も言わずにダレスさんに追従した。


と、ここで何故かダレスさんが足を止めて……


「あ、突然っすけどトウシロウを借りて行っても良いっすか?」


「ん?……俺を?」


「……お兄ちゃんを?……別に私は好きにしてくれて良いと思ってるけど……」


「いや、何で茜が答えてんだよ!」


何故かダレスさんは俺も同行させたいらしい。


後、茜は勝手に返答するんじゃねぇ!


「駄目っすか?」


「いや、駄目じゃねぇが……何でだ?」


「え?……いや、その……な、何でも良いじゃないっすか!」


「ハァ……別に、トウシロウ様のスキルを研究したいって素直に言えば良いのではないデスか?」


「それが言えたら苦労しないっすよ!」


……どうも、俺のスキルである【補助全般】を研究したかったらしい。


いや、そこまで緊張する程か?


「まあ、別に良いが……」


「だったら、邪魔が入らない内に行くっすよ!」


「……さあ、早く行きマショう……」


何か違和感を感じながら、俺はダレスさんとダルクさんに追従する形で外へと向かう。


なお、その際に茜が……


「お兄ちゃん、くれぐれもこれ以上ハーレム増やさないでよ?」


……と言って来たが、俺は……


「余計なお世話だ!」


……と返すだけで済ませたのだった……



そして十数分後……


「あ、見つけたっす!」


「間違いなく宝石蟹(ジュエルクラブ)デスね……」


「……た、確かにこれなら宝石蟹(ジュエルクラブ)としか言えねぇな……」


馬車が止まった場所から少し離れた地点の海岸に、目当ての宝石蟹(ジュエルクラブ)は居た。


その見た目は大きさこそ元の世界の毛ガニ程度しかなかったが、その甲殻はルビーの様な赤い宝石で出来ていた。


宝石蟹(ジュエルクラブ)の甲殻ってどんな攻撃でも()()()()程の硬さを持ってるんすけど、何故か衝撃にはかなり弱いんすよね~……」


「あ~……確か、元の世界のダイヤモンドも似た様な性質を持ってたっけか……」


ダイヤモンドは意外と衝撃に弱く、簡単に砕く事が可能だった筈だ。


多分、宝石蟹(ジュエルクラブ)の甲殻も似た原理なのだろう。


「ま、それはそうとしてさっさと能力をコピーするっす!」


「分かりマシた。……コピー開始デス!」


ードロッ……


「っ!?」


ダレスさんがダルクさんに宝石蟹(ジュエルクラブ)の能力をコピーする様に指示した瞬間、ダルクさんの右腕がまるで()()()()()()()()()()のだ。


「あ、やっぱり驚くっすよね?……これはスライムの能力……というかスライムそのものを混ぜ込んだ生体パーツっす!」


「これで魔物の肉体を取り込む事で、新たな能力を得る事が出来るのデス!」


「そ、そうか……」


何かこの構図、元の世界の色んな媒体で見たな……


……というか、食った魔物の能力をコピーって……いや、これ以上は考えねぇ方が良いな……


「では、行きマス!」


ーじゅぷっ!


「……ほ、本当にスライム状の右腕で宝石蟹(ジュエルクラブ)を取り込みやがった……」


一瞬で宝石蟹(ジュエルクラブ)がダルクさんのスライム化した腕に呑み込まれる様子を見せられると、何かこう……考えさせられるものがあった。


「さて……後は宝石蟹(ジュエルクラブ)の素材を軽く集めた後、トウシロウのスキルを研究させて貰ってから帰るとするっすかね……」


「そうデスね……」


「あ、俺も手伝うぞ?」


「ありがとうっす!」


そうして俺達は、ひたすら宝石蟹(ジュエルクラブ)を捕まえた。


ただ、下手に宝石蟹(ジュエルクラブ)の甲殻が砕けてしまうと価値が下がるらしく、ダレスさんがいつの間にか用意した箱の中に縛って詰める事になったのだった。



そして数分後……


「……よし、結構詰まったな……」


「これくらい有れば充分っす!」


「トウシロウ様、ありがとうございマシた。」


俺達は宝石蟹(ジュエルクラブ)を乱獲に当たらない量に留めつつ詰め終えた。


これで、後は俺のスキルを研究して貰うだけ、だと思っていたのだが……


「じゃ、これからトウシロウには……ちょっと色々させて貰うっすね?」


「くれぐれも、逃げない様にお願いしマス。」


ーガシッ!


「……え?」


突然、俺はダレスさんとダルクさんによって両手両足を掴まれ、身動きを封じられた。


「トウシロウ、君の事は別に特別好きって訳じゃないっすけど……世の中、どういう流れで好きになるか分からないっすからね~……」


「端的に言いマスと、あの馬車に居る方々……主にアカネ様から聞いたトウシロウ様のアレコレに興味を抱きマシてね。……ここで私達を好きにさせておけば、後々役に立つかもと……」


「……いや、流石にそれは……」


これ、もしかしなくても性的に襲われる直前だよな?


いや、流石にそれは……でも、2人とも美人だし別に襲われても……


「ふむふむ、意外と満更でもなさそうっすね……もう良いっすよ?」


ーフッ……


「……ハァ?」


てっきり性的に襲われる流れかと思ったら、アッサリと解放された。


え、何でだ?


「まさか本当に襲うと思ったっすか?……今のは惚れやすいっていうトウシロウの反応を試しただけっすよ。……というか、流石の私達でも明確な犯罪行為はしないっすよ!?」


「だ、だよな……」


なるほど、反応を試すためか……


え、それを俺は満更でもないって……


5人の恋人達から何を言われるか分からねぇな……


「……とはいえ、君がハーレムを築けた理由が何となく分かった気がするっす。……いや、何でトウシロウがそんなに好かれるのかは分からないっすけど、トウシロウ側はそれを拒む気がなさそうなんすよね……」


「うぐっ……」


拒む気がない……


確かに、その通りだろう。


少なくとも、俺はダレスさんもダルクさんも拒もうとはしなかった。


既に、5人も恋人が居ながら……


「1つ質問良いっすか?」


「な、何だ?」


「……トウシロウは今の彼女達を愛してるっすか?」


「勿論、愛してるに決まってるだろ!」


確かに、最近はハーレムを増やす事に躊躇する事がなくなって来た。


だが、ナフリー、メアリー、ロウルさん、エルリスさん、メサイアさんを好きでなくなったかと言われたら、答えはNO(ノー)だ。


俺は、5人の事が好きなままなのだから……


「……そうっすか……なら、新しい恋人を増やしても問題はないと思うっすよ?」


「そういう訳にも行かねぇよ。……俺が思うにハーレムってのは、何も考えずに恋人をポンポン増やすのが1番駄目だからな……」


「……トウシロウ様は、本当に今の恋人達を愛しているのデスね……」


「当然だ。……ナフリーも、メアリーも、ロウルさんも、エルリスさんも、メサイアさんも……全員、俺の大事な彼女達だからな!」


だからこそ、俺は時折考える。


仮に元の世界に帰れる事になった時、俺はどちらの世界を選ぶのか。


もっとも、1番ベストなのは2つの世界を自由に行き来出来る様になってくれる事だが……現時点では何とも言えねぇのがな……


と、ここでダレスさんが口を開き……


「愛されてる彼女さん達が羨ましいっすね~!……じゃ、今度はスキルをかけて欲しく……」


「いえ、帰りマショう。……予想より時間の消費が激しいデスし……」


「えぇ~!?……ここまで来て、流石にそれはないっすよ~!」


「いいえ、これ以上皆様を待たせるのは得策ではありマセん!」


「そんなっすぅぅぅぅ~!」


……とまあ、そんなこんなで俺達の外出は終わった。


ただし、あの2人が何をしたかったのかは最後までよく分からなかったのだった……

ご読了ありがとうございます。


次回、一気にケール到着まで飛びます!


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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