◆◇◇第三段階 メモ◇◇◆
第一段階の着想した時点で勝手に頭の中で話は進んでしまうので、忘れる前にメモを取ります。
この段階で、タイトルと締めを考えてなかったので補完しました。
また、メモは細かくせず、ばらばらと誤字脱字もかまわずキーワードや簡単な文のみを配置します。頭の中での話の進行の方がタイピングよりも断然早いので、置いて行かれないように必死で筆を進めます。
誤字脱字や矛盾の無いように最初から緻密に話を進めた方が向いている方もいます。その方が最終的な誤字脱字少なく、仕上がりも結局見直しが少ない分早いのだと思いますが、自分には向かなかったので断念しています。
またプロットをしっかりと仕上げるのが大切といわれますが、こちらも上手くいかなかったのでひとまずプロットなしで書いています。
プロットなしで書く自分の描き方は、裁縫で言う立体裁断に近いと思います。モデルありき、下書き無しで、その形に合わせてまち針という目印を置いていく。そのようなやり方に似ているかもしれません。立体裁断などというかっこいいものではなく、ただの横着者ともいえますが。
以下は補完した内容です
◇軍部へ
『一時的に魔女に与する形になったが正義感の強い軍人は軍部へ何とか引き渡すように魔女を誘導する。二重スパイのようにふるまう。
軍には罠を張っておいてもらう。軍人の優秀さを逆恨みした同僚が足を引っ張ろうとするが、それどころではないと、ごりおしで押し通す。
魔女を異世界に突き落とす。』
ここで盛り上げることもできそうだったけれど、短編もしくは数話の予定だったので、勢いよく終わらせました。
◇タイトル
後付けです。いろいろ考えましたが、魔女が主題なので魔女という言葉をいれました。魔女という脅威を強調できる方向性にしました。魔女にいなくなって欲しいという世界の総意を表すため、あえて魔女にいなくなってもらいました。そこにも含みを持たせており、この魔女のいない世界というのはこの軍人のいる世界ではなく、魔女が来る前の世界のことを意味してます。
この魔女は異世界から異世界に放浪しています。前の世界でも好き勝手やって迷惑を振りまいています。そして飽きてきたので異世界にもちょっかいを出してきています。そのうちテンションが上がりすぎてうっかり落ちてきてしまったのです。
つまり、魔女がいないのは前の世界です。軍人にとって、「前の世界からは魔女が居なくなったということか。いいな」といううらやましさが込められています。
詳しく解説する必要性がなかったので、特に本文では説明していません。
◇おかえり
最後に「おかえり」と言ったのはもちろん魔女です。
最後軍人は魔女をはめてさらなる異世界に落とそうとしています。魔女の落ちてきた穴は一方通行なので、落としたからと言ってもといた世界に戻るわけではありません。
終わり方は何パターンか考えました。
『魔女に振り回されながら旅をしました』という終わりも考えましたが、締まらないと思い没に。元の世界に戻しましたでは前の世界がかわいそうだしタイトルの裏の意味を遂行できないので没に。そもそも各世界に迷惑をかける凶悪な魔女を軍人一人にどうこうできるわけがないので、追い出せないENDにしました。
一旦はやり切ったつもりになってもらうために追い出せた(魔女の穴に突き落せた)ように見える形にしました。そこから、ほっとした後に『おかえり』で締めるのは想像力が膨らむかなと思い『おかえり』というこのセリフを選びました。
帰ってきた後迎える人がいないはずなのに『おかえり』はおかしいと、この一言で伝わってそのまま締められるようにしたかったため、遡って内容を追記して前半部分で独り身を強調しました。