めっちゃハードモードやないかい!
シャラシャラシャラっと川のように白い雲が流れてて。
空は青空、太陽が照らして真っ白な雲の大地が光ってる。。
まるで冬の山の雪原みたいや。。
綺麗な世界やな。。
ーーーーーー ロッシ ーーーーーー
。。。。。。
。。。。。
。。。。。
ん。。
暖かい。。
それに。。
柔らかい。。
。。。。。
っは!
気を失ってた!
ここは??
雲?
空が見えへん。
。。。
んーーー。。
えっと。。
なんでこんなことになったんやっけ?
俺は記憶をたどってみた。。
えっと。。
目を瞑って情景を思い出す。
チェスカとビックスワローの大群と戦ってヒュージスワローを倒して。。
それから信じられへんくらいデカくて金色に光る神々(こうごう)しいドラゴンに出会したんや。
それからーー。。
。。。。
そうや、また、またも!
俺達は竜巻雲にさらに巻き込まれたんやった!!
なんかもう、嫌がらせ?
って感じで金色のドラゴンの方からまた竜巻雲が現れて俺らを襲った。。
ほんまもう最悪やったわ。
竜巻雲の中は雷と大雨、竜巻みたいに風が渦巻いてて360度全方向から雨が襲ってくるっていう。
俺の元いた世界じゃありえへんような事になってた。
風も信じられほど強くて、荒れてて、安全装置のついてない立ち乗りのジェットコースターみたいやった。
船から振り落とされたら確実に死ぬ、そう確信するほどの信じられないほど荒れた雲の流れやった。。
あんなん映画のCGでしか見たことないでってほどの嵐やった。。
行方不明の飛空艇とか全部あれのせいちゃうんかな?
うん、かくして俺は今。。
って、、俺は今、、、どこにいるんやろ?
俺は思い出す事をやめて、目を開いた。
辺りを見渡すといつも見えてたはずの青空が見えなくなってる。。。
こんなん初めてや。
俺は一人で雲の上にいた。
もふもふした雲の上にいる俺に、光芒が降り注いでる。。
俺のいた世界のベットなんかより全然気持ちいわ、この雲。。
辺りを見渡すと青空が無い。
俺が乗ってる雲の上にまださらにふんわりした雲がほば隙間なく広がってる。
上の雲までの距離はほんまに10mくらい、さらにその一つ一つの雲は俺のいる雲から柱のような物が生えていて上の雲と繋がってる、雲の木みたいや。
その雲の間から木漏れ日が差し込んでる。
ここはまるで雲の森みたいやな。。
うっすら霧がかった雲の間の空気に木漏れ日が差し込んで、何本もの光芒を雲の森に差し込ませていた。
真っ白な雲森の世界は明るくって、俺が前いた世界では考えられないような絶景がそこにあった。
「ロッシーーーー!」
あ、チェスカの声!
『チェスカーー!』
「あ!ロッシーーー!よかった!どこだーーーい!?」
『ここやでーーー!』
「どこだーーー??」
『こっちやってーーー!』
「いやロッシ!念話だから君の場所わからないんだよ!」
『あ!!!!そっか!声の聞こえる方とかできひんのか!?』
「そうだよ!だいぶ探してたんだよ!」
『ごめん!声の方へ行くわ!』
「ああ目立つように飛んできてくれるかい?」
『わかった!』
俺はバサッバサッとぎこちない飛び方で声のする方へと飛んだ。
だいぶ前には飛べるようになってきたんやけどスピードも高さもコントロールが難しくって。。
何より怖いねん、こんな狭いところ飛ぶのって急に速くなって柱みたいな雲にぶつかっても嫌やし、急の下降して地面の雲に落ちても嫌やし。
大空を気兼ねなく飛ぶのとは全然違うんやなーー。。
飛ぶのって怖い。
そう思いながらふらふら力を押さえて飛んでいると。。
「ロッシーーー!」
だいぶチェスカの声が近づいてきた。
『おーーーい!多分俺チェスカの右側にいると思う!』
「わかった!ゆっくりそっちへ向かうよ」
。。。
「ロッシー!」
だいぶ声が近づいた!
雲やからガサガサとか音もないし結構探すの大変やなこれ。。
ブン!
あ!なんか見えた!
ブンブン!!
なんか高速で飛んでる?
いやでも、同じ場所で見えた、なんや、、?
俺は警戒態勢に入った。
雲でできた茂みのような所に身を伏せた。。
ブンブン!!
また!
「ロッシーーー!」
ん?チェスカ?
声もそっちから、もしかしてチェスカなんか?
『チェスカ?なんかしながらこっちきてる?』
「ああ手を振ってるよ!」
ボフン!
雲の茂みの間からチェスカが出てきた!
ブンブンっとチェスカは白い何かを振ってる。
結構大きい動物?
二匹いる?
「ロッシよかった近くにいてくれて!」
『ほんまに!気がついたら放り出されてたわ!ってかそのブンブンしたてたの何??』
「ああ!これはトビット!この森雲の中に生息する動物さ!」
『動物を目印に振ってくるなよ!』
「血抜きにも良いかなってね!」
『え“!?』
俺はチェスカが来た方を見た。。
『何やってんねん!せっかくの森が血でビシャビシャやんか!!!』
チェスカの歩いてきた後が血みどろの殺人現場みたいになってた。。
柱から雲から茂みの様な雲まで全部血が飛び散ってる。。
『惨劇や。。』
「確かに、これは美しい景色にすまない事をしたな。。」
『はぁーー。』
ほんまにチェスカは、子供みたいや。。
『まぁでも俺ら逸れなくってよかったな』
「だね!」
『で、これからどうする?』
「とりあえずこのトビットをアイテム収納してくれないか?」
『ああ!オッケー!』
俺はトビットをアイテムボックスに収納した。
『でどうする?』
「僕はまずは君を探すのを初めの目的にしてたんだ、で出会えたから、次はー。飛空艇探しだね!それから街を探さないと!」
『飛空艇も、、?どこ行ったかわからへんのか。。』
「そうなんだよ!」
『ははは!俺らの旅の初めはめちゃくちゃやな!』
「あははは!だね!」
ズン、、!
「え?何か、」
『何か来る!』
ズン!
ズン!
『この雲の大地でこんな足音鳴らすなんて、相当でかい魔物じゃないんか?』
「だね、これはやばいよ」
『見つかる前に、にげ、、!』
バフン!!
俺達の隠れていた雲の茂みが散らされた!
そこには真っ赤な眼の熊みたいな魔獣がいた!
熊みたいな体格に長い耳に真っ白な体毛!
なんやこいつ!!!
「ロッシ!」
『な、なんや。。』
「逃げるよ!!!!」
チェスカが逃げ出した!
『お、おう!』
俺も後ろへ踵を返して飛び始めた!
「ロッシ!速く速く速く!!!」
『お!おう!!!』
俺は必死に羽ばたいた!
この森雲の中って飛ぶの怖いんやって!!!!
俺達は坂になっている森雲の中を全力で下って行った!
落下するスピードも相まってめっちゃ早いし怖い!
横でチェスカも必死に駆けてる!!
俺も全力で飛び抜ける!!
。。。。。
ガォォォォ!!
相当な距離を逃げた!
でも全然ついて来る!
振り切れへんって!!
『しつこい!いつまで追いかけてきよんねん!!』
「僕にもわからないよーー!!」
必死に逃げる俺達。
なんか体力減少とかしてへんのかな??
『鑑定!』
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
【 名 前 】なし
【 年 齢 】15年9ヶ月
【 種 族 】ビックマーダートビット
【 レベル 】23
【 H P 】220/220
【 M P 】30/30
【 S P 】2
【 体 力 】300/238
【 攻撃力 】50
【 防御力 】63
【 俊敏性 】20
【 魔 力 】6
【 スキル 】嗅覚強化 聴覚強化 腕力強化 飛爪斬撃
【 装 備 】なし
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
え?っつっよ!
レベル23??
強すぎやろ!
こんなん太刀打ちのしようがないって!
体力もまだまだ残ってるし!
どうしたら良いねん!
いいかげん俺もチェスカも疲れてる。
鑑定してないけど絶対体力めっちゃ減ってる!!!
どっか!
って。。。
『うわーーーー!!!!!』
「えーーーーーー!!!!」
俺達は森雲から飛び出した!
谷になってた!!
めっちゃ深いんやけど!!!!!!
ビックマーダートビットは谷の手前で止まってグルルルっと唸ってる。。
『逃げ切れたところでこんなん俺はどうしたら良いねーーん』
「ロッシーーー!」
『チェスカーーー!』
俺は必死に飛んでチェスカを目指した!!
チェスカの方が俺より大き分落ちるのが速い!
俺は飛べるから多分大丈夫やけど。
チェスカはこれ絶対死ぬやろ。。。
俺はチェスカの肩に掴まった!
「ロッシ、、」
『チェスカ!』
「君は飛べるから大丈夫だ!このまま僕と落ちたら君も死ぬ!!」
『アホか!チェスカが死ぬやんか!』
「このままじゃ君も死ぬだろ!」
『やけど、、』
「僕は最後に希望この人生に希望を持ててよかったよ!色々君と見てまわりたかったけど、最後楽しかったんだ!」
『やかましい!遺言みたいなこと言うな!』
「でも。。」
『俺もチェスカに出会えて嬉しかってん!』
「ロッシ。。」
『出会ってすぐさよならなんて!』
俺はチェスカの衣服を足で掴んだ!
『絶対に嫌やーーー!!』
俺は全力で羽を広げて全力で羽ばたいた!!!!!
『うぉぉぉぉぉおぉ!!!!』
今俺ができる全力の羽ばたき!!
『止まれ止まれ』
バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!
バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!
『止まれ止まれ止まれ!!』
バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!
バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!
止まらへん!!!!
『くっそーーー!!!』
バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!
バッサッ!バッサッ!バッサッ!バッサッ!
ッザッフン!!!!
雲に落ちた!!
なんだこれ!
重い!
羽ばたきづらい!!
ゴボゴボゴボ!
息できひん!!!
やばいやばい!
どうなってんねんこれ?
『鑑定』
あ、あかん。
全力で羽ばたいたから体力がもうない。。
今、俺の残り体力1や。。
ゴボ。。
あ、体力が0になった。。
くそ。。
意識が遠のく。。
異世界転生して。
もう終わりかよ。
早すぎやろ。。
。。。。
ッガ!
なんや。。
俺の体に。。
何かが。。
巻きつい。。
た。。
。。。。。
。。。。。
ッガハ!
ッガハガハガハ!!
ゲッホゲホゲホ。。。
「ロッシ!!」
「ロッシ!!」
。。。。
チェスカが呼んでる。。
俺、助かったんか?
チェスカも助かった、、?
俺は目を開いた。。
目の前にはチェスカがいた。
『ちか!!』
めっちゃ近いやん!!!
「ロッシ!よかった気がついたんだね!」
『ああ、ありがとうって、チェスカ今何しようとしててん?』
「え?あ、えーーっと、童話のような、事をしたら、、起きるかなーーー、、って?」
『あ、おま、、まさか』
「童話ってすごいな!ロッシ!ちゃんと目覚めた!」
ニコッとチェスカが笑った!
か、かわいい。。
もしかしたら、チェスカは俺に白雪姫的な事をした可能性がある。
。。。
これ以上問い詰めるのはやめよ。。
『チェスカありがとうな!』
俺はピョンっとチェスカの肩に乗った。。
「いいんだロッシ!君が無事で僕は救われたんだ!君も崖の落下から僕を救ってくれたしね!ありがとうロッシ!」
そっか、ほんまにチェスカは良い子や。
俺は少し恥ずかしいからチェスカの横顔に擦り寄った。
チェスカも俺の背中を撫でてくれる。
ほんまにチェスカありがとう。
。。。
で、、ここどこやろ?
平地、いや、平雲?
うん、広がる平雲の真ん中に川雲が流れてる??
俺達は谷の間の川に落ちたはずや。。
やのにこんな所まで。。
相当チェスカが頑張ってくれたんやろな。。
。。。
静かや。。
シャラシャラシャラっと川のように白い雲が流れてて。
空は青空、太陽が照らして真っ白な雲の大地が光ってる。。
まるで冬の山の雪原みたいや。。
綺麗な世界やな。。
スノーボードで滑りたくなるな。。
まぁ俺、恐竜やから無理うやけど。
はははは。。
「ロッシ見てくれ!あそこに町がある!」
チェスカが川雲の先を指差した。
『確かになんかもこもこしたのがいっぱいあるけど、あれ、街なん?』
「ああ!町さ!きっとギルドも宿屋もある!ロッシ行こうよ!」
『ああ!いこう!やっとこのハードモードのチュートリアル終わりや!こっから俺の冒険生活の始まりや!!』
俺達は街へと向かった!
ここから、俺達のスーパーハード&スーパー楽しい冒険の始まりだった!