空ばっかりやん!!
真っ青な空、真っ白な雲の上を飛んでいる気球のような飛行船は太陽に光を浴びてキラキラ光り。
とにかくかっこ良い。
ーーーーーーーーーーーー
ふわふわと俺の体を風な撫でる。
目を瞑っていても太陽が出ていて明るいのが瞼の裏からでもわかった。
あったかーー。
俺寝てたみたいやなぁ。。
すーーーー。
ふーーーー。
っと大きく俺は一呼吸した。
あーー変な夢見てた。。
そろそろ起きなあかんよな。
ピーヒョロロローーー。
鳥も鳴いてるわ。
俺はゆっくりと目を開いた。
瞼の中に光が流れ込んでくる。
おお!
やっぱり空は超晴天!
白い石造りの屋根が綺麗!
うわーーー!
どこまでも空が続いてる。
雲が下にあって水平線って言うか、雲平線やーーーん!
すごーい!
きれーーい!
ってっここどこやねん!!
雲平線とかやかましいわ!
あ!
一人でノリつっこみしてもーた。
何してるんや俺w
。。。
辺りをしっかり見渡してみる。
360度、ぜんぶ空!
唯一あるのが俺の今いるこの白い石でできた神殿みたいな建造物だけ。
いや陽がもこもこの雲に差し込んで綺麗わーーー。
。。。。
あーーー。。
これ。
やってもうたな。。
転生。
異世界っ転生ってやつ。
ここまでの全部夢じゃなかったってことやな。
異世界転生かーー!
うん!めっちゃ良いやん!
基本チート能力で強くなって可愛い女の子何人も仲間にして見たいな感じやん!
これは俺にもチャンス到来!!
きたこれ!!
んま!じゃ!まずは!お決まりの!
「鑑定!!」
俺は空に向かって鑑定って叫んでみた!
。。。
。。。。
ピーヒョロローー。。
。。。
ってなんもないんかい!!!
どんなタイミングで鳥が鳴いとんねん!
馬鹿にされてるよにしか聞こえんかったわ!
んーーー。
とりあず鑑定はわからんから置いといて。
さ!美少女!
カモン!
出てきてこの世界とか俺の状態とかアボバイス頼む!
俺はこの空に突き出た神殿をぐるっと回って探してみた。
ん?
いないんやけど?
美少女さん?
どこですかーーー?
。。。
いない。
美少女もいない。
なんなら神殿に出口とか階段とかなんかどっかに繋がってそうなんすらない。
なーーんもない。
どこにも行けへん?
行けへんわ。
だってここあのガンダルフが監禁されてた塔のてっぺんみたいな感じやもん。
あれの柱が少なくって神殿っぽい感じ。
どこも行けへんわ、ガンダルフも無理やねんもん。
なんか鳥とか仲間にせんと。
あーー困った。。
俺は呆然と水平線の遥かなたを眺めた。
あれ?俺さ、なんかめっちゃっと遠くまで見えるんやけど。
転生する前よりだいぶ目がいい気がするねんなー。
もう一度俺は遠くを眺めた。
うん!
めっちゃ遠くやけど鳥飛んでるのが見える。
あーー。
けっこう鳥いるなーー。
よし!
確定!!
俺!めっちゃ目がいい!
これはラッキーやなー。
目が良くなるなんて。。
って言うか、俺まだちょっと体に異変感じるんよな。。
いや気づかんように努力しててんけど、いや絶対おかしいわ。
何かって言うとさ。
なんか歩きづらいねん。。
俺、よちよち歩きみたいな歩き方しかできひんねんけど。
だいぶ背も縮んでる気がするねん。
まさかさ。
蜘蛛とかスライムとかにさ転生した話ってあるやん?
剣とかさ。
いや。
ないよなーー。
流石に人間よな俺?
確認してみる?
したほうがいい?
手足見るだけでできるんやけど。。
するか。。
あーーー。
なんかめっちゃ怖くなって来たんやけど。
でもするしかないよな確認。。
俺はおそるおそる脚を見てみた。
ギャーーーーーーーー!!!
俺は叫んでしまった。
俺の足。。
めっちゃ爬虫類。。
鰐みたいな皮膚に長い爪生えてるぅーーー。。
俺は慌てて手を見た。
手ちっちゃ!
俺の手、めっちゃ短いし小さい。
それに手も足と一緒でめっちゃ爬虫類!
最悪や。。
他になんか違うところ。。
俺は短い手で体のあちこち触っみた。
うわーー。
口長いしめっちゃ牙あるわ。
しかもちゃんと尻尾まであるわ。
わろた。
あと羽もある。
翼竜ってやつか。。
最悪や。。
こんなんどうしたらいいねん。。
。。。
ん。
あかん、ポジティブにいこ!
俺羽ある!
飛べるやん!!
めっちゃラッキーー!
それに尻尾まで!
尻尾攻撃とかできるやん!!
肌って言うか皮もめっちゃ強うそうやし怪我しづらそうやん!
そ!
だから異世界転生って最高!!
たまらんわーー!
って!
なんでやねん!!
全然最高ちゃうわ!
はーーー。
トカゲになった俺。
塔の上で動けないの巻。。
。。。
どうしたらいいねん。。
俺はしばらくそこで脱出方法を考えた。
ーーーー二時間後ーーーー
ん!
無理!
飛ぶしかない!!
ここから出るには飛ぶしかない!
飛ぶか!
羽あるんやし!
飛べるやろ!
俺は一度後ろを振り返り背中の羽を見た!
っていうか首長いから後ろ見やすい!
しっかり羽の付け根まで見える!
しかも人間の頃より視野広い!!
ゆっくりと羽を見ながら俺は動かしてみた。
ブン!!
ビタン!
ちゃう!
そっち尻尾や!
尻尾が飛べるわけないやんか!!
羽や俺!
羽を動かすねん!
ググ!
お!
両翼動いた!
このまま振り上げる!
ブワン!
「おおーー!」
いい感じ!
俺の羽案外でかい!
かっけーー!
動かすのに重いとか全然感じひん。
なんなら軽い!
人間の時に腕を動かすより簡単に動かせる!
力を抜くとフワッと羽が舞い落ちた。
引き込むように力を込めると背中に羽を収納できた!
「おおーー!やばーーー!」
これで空飛んだらめっちゃ気持ちいいんやろなー!
そう思って俺は恐竜の顔の口角を上げて笑いながら広大に広がる大空を眺めた!
「え?なんか、浮いてる」
空に気球みたいなんが浮いてる!!
結構遠くやけど、この良くなった目が言ってるから間違いない!
ぼろ布を繋いだような卵型の球体を横向きに下には乗り物みたいなんがぶら下がってる。
手漕ぎボートくらいの小さな乗り物。
ブリキで出来てて申し訳ない程度の屋根もある!
真っ青な空、真っ白な雲の上を飛んでいる気球のような飛行船は太陽に光を浴びてキラキラ光り。
とにかくかっこ良い。
いいな!
面白そ!
そこまで飛んでみよかな!
俺はまた羽を広げて持ち上げてみた。
いい感じ!
っで!
ブワァッサ!っと下へ振り下ろす!
フワッと体が浮いた!
「おおー!絶対飛べる!」
行ってみるか気球まで!
「ん?なんかいる」
三匹の大きい鳥が気球の方へ飛んでいってる!
「あ」
気球の船の中に誰かいる!
慌ててるように見える!
風に流されてか結構こっちに近づいてるから中の人まで見えた!
ッダン!
「あ!なんか撃った!」
あの鳥危ないやつなんか!
よし!
助けて恩を売ったら、俺を気球に乗せてここから脱出できるやん!
よしそれでいこ!
俺は神殿の端に立った。
「え、こわ、、」
これ飛ぶのミスったら俺死ぬよな。。
う、お。。
紐なしでバンジージャンプやらされる気持ち。。
「いやいやいや。こわいこわいこわい。。」
「やめろーー!」
気球から声が聞こえてきた。
って言うかこれは女の子の声や!
よしいこ!
飛んで助けよ!
モチベ上がった!
俺は羽を広げてバサ!バサ!っと動かした!
「いける!」
俺は思いっきり上空の神殿から大空へ飛び出した!
落ちる!!
でも大丈夫や!
羽を動かせ俺!!
バサッバサッ!
お!
下降の勢いが止まった!
「どっか行けーー!」
また声が響いた!
やばそうやな、はよ行かな!
バサッバサッバサッ!
よし!
上昇して行ける!
バサン。。
「おわ!」
グラッとバランスを崩した!
両翼を完全に同じタイミングで振り下ろさなあかんのにタイミングがずれたっぽい。。
「やばいやばいやばい。落ちる落ちる!」
俺は羽を広げた!
バフ!
羽が空気を掴んで降下するスピードが一気に落ちた!
よし!
もう一回や!
また俺は羽を羽ばたかせた!
バサッバサッバサッ!
よし降下が止まった!
次は上昇や!
バサッバサッバサッ!
バサッバサッバサッ!
上がってきてる!
バサッバサッバサッ!
バサッバサッバサッ!
だいぶん上がってきた!
バサッバサッバサッ!
「うっしゃーーー!!」
神殿の前まで戻ってこれた!
「よし改めて気球に助けに行くぞ!」
気球どこや!?
「あ!俺の斜め上くらいに気球あるやん!」
こもまま上に上昇したら合流できそうや!
「よし!行くで!!」
バサッバサッバサッ!
バサッバサッバサッ!
もうちょい!
って案外気球でかい!
ピーヒョロロロロ!!!!
「どっか行け!」
やっぱ女の子の声が聞こえる!
バサッバサッバサッ!
「よっしゃ!」
俺はバッと気球の乗り物の前に顔を出した!
「きゃーーーーー!!」
「わーーーーーー!!」
びっくりした!
目の前に女の子がいた!
キスできるくらいの距離に!
女の子はびっくりして尻餅ついてた。
「ごめんごめん」
俺もめっちゃびっくりしたんやし許して。
俺は船の手すりにとまった。
この気球思ったより大きい!
ていうか女の子も大きい!
見かけ容姿は子供みたいやねんけど。
あー、そうか。。
俺がちっちゃいんか。
人間やった頃の感覚でいたからあれやけど。
俺犬くらいしか大きさないわ。
ペットの動物達とかこんな目線やったんや。。
ふぅーーーー。。
ってか疲れた。
飛ぶのめっちゃ疲れる。。
ブハーッと俺は息を吐いた。
ピーヒョロロロロロ!!!
ビュン!!!!
「うわ!なんや!?」
鳶みたいな鳥が俺のそばを飛び抜けていった。
あいつびっくりさせやがって腹たつ!
あの鳥も思っやよりでかいなーー!
ん?
なんか視線を感じる。。
女の子が俺を見てた。
フライトキャップにゴーグル。
まだ俺の世界では高校生くらいかな。
栗毛で猫っ毛のくせっ毛。
目がおっきくてかわいー!
めっちゃ可愛いやん!
少し焼けた太ももが眩しいっす!
そんな女の子にめっちゃ見られてる!
ははは!
まぁ俺も見てるなw
お互い様やわw
ビュン!ガリ!
「おわ!」
また鳶みたいな鳥が襲ってきた!
今度は俺を引っかきやがった!
「クソあいつ!しばいたる!」
俺は後ろを向いて鳶みたいな鳥を眺めた!
え?案外デカいやん!
翼を広げたら2mくらいある!
そんなデカい鳥見たことないって!
しかも嘴の中にめっちゃギザギザの歯が生えてる!
そんな鳥見たことないって!!!
何食っとんねん!?
さっきは多分引っ掻かれたんじゃなくって噛みつこうとされたんやわ。
「よし!」
あいつ俺の鱗に勝てへんみたいやし倒したろ!!
俺は思いっきり羽ばたいた!
バサッバサッバサッ!
その場で羽ばたく!
いい感じフワッと浮く感じを感じたら船の手すりから足を離して浮き上がった!
鳶みたいな鳥は二匹いる!
三匹いたんやけど、一匹は女の子の銃撃で倒したんかな?
よしやったろ!
って、どうしたらいいんやろ?
攻撃せなあかん。
んーーーー。
とりあえず俺は羽ばたいてどんどん上空に上がっていった!
一匹の鳶みたいな鳥がついてくる!
ビュン!
「うお!」
バサバサ。
ビュン!
「おっと!」
バサバサ。
ビュン!
「おわ!」
。。。
ってか俺上にしか飛んで上がれへん。。
こ、攻撃なんてどうしたらいいんすか?
その時!
「きゃーーー!!」
って叫び声が聞こえた!
下を見たら俺みたいに船の手すりに鳶みたいな鳥が止まって。
バクンバクンと女の子に噛みつこうとしてる!!
「あいつ!」
あ!いいこと思いついた!
俺は気球の方へ体を向けると羽をたたんだ!
一気に落下し始める!
ビューーーーー!!!
めっちゃスピード上がってる!!
ッドン!!!!!
バン!!
ゴロゴロゴロ!
ピ、ピィィ。。
俺は船の手すりに留まってる鳶みたいな鳥に上空から突っ込んだ!
ビキビキっと鳶みたいな鳥の骨の折れる音を聞きながら俺は乗り物の中へ転がり込んだ!
鳶みたいな鳥は最後の一言鳴いて息たえた。。
「よし!!」
女の子は驚いた顔をしてこっちを見ている。
あ。
そうか、そら怖いよな。
なんか話しかけられへんかな?
って少し悩んで俺は下を向いた。
うーーーーん。
ジェスチャーしかないな!ここは!!
「俺は!(キュウ!)」
俺は自分の顔を小さな手で指差した!
幸い指は五本ある!
「食べる!(キュウウ!)」
口をぱくぱくした。
「しないしない!(キュウキュウ!)」
顔の前で小さな手を横に振った。
ちゃうちゃうって感じで!
ポカンとしてる女の子。
もう一回や!
気持ちを込めて!
「俺は!(キュウ!)」
「食べる(キュウ)」
「しないしない(キュウキュウ)」
「俺は(キュウ)」
「食べる(キュウ)」
「しないしない(キュウキュウ)」
なんか女の子の表情が緩んだ!
よっしゃ!
ニコッと笑って女の子が四つん這いでこっちに歩いてくる。
「恐竜ちゃん可愛いね」
ニコッと俺は頑張って口角を上げて笑いかける!
「歯がいたい?」
え?
歯?
あ!
ジェスチャーが。
おれ、歯が、いたいいたい。
やと思われたんか!
そうそう、歯が痛いねん、なんも食べれへんーー!
って!
なんでやねん!
誰の歯が虫歯やねん!
なんなら生まれたばっかりやっちゅうねん!
ふふふ。。
あ!
女の子が笑ってくれた。。
よかったーー!
これが俺とチェスカの出会いだった。