7話 ムチムチ猫耳メイド女学院の乗っ取り
俺は洗脳を終えた、受付店員の金岡洋一に質問する。
「金岡さん、俺には、アンタの記憶が見えたから、うっすらとは理解したつもりだけど、整理したいので、質問に答えて欲しい」
「はい、教祖様!! 何なりと、ご質問ください!!」
「この受付の奥には、どんな部屋があって、何人の人間がいる?」
「この奥には事務所と、女の子たちの待機スペースがあります。事務所には、店長と店員の合計2名、2人とも男です。待機スペースには現在、6名の女の子が待機しています」
「よし、わかった。それでは金岡さんにお願いしたいことがある」
「ハイ!! 何でしょうか!!」
「まず、何かしらの理由をつけて、店長を、この受付まで呼び出してほしい」
「そして、店長がここまでやってきたら、身動きができないよう、金岡さんが店長を、後ろから、はがいじめにしてくれないか?」
「ハイ、わかりました!!」
金岡はビシッと俺に向かって敬礼すると、きびすを返して、受付の奥へと消えていった。
しばらくして、白髪の短髪頭で、目つきが悪く、どこかヤクザっぽい雰囲気を持ったおっさんが金岡と一緒に、奥から出てきた。この男が店長だろう。
「金岡よぉ。この人が、お前が言っていたお客さんかい?」
店長が聞こうとした、まさにその瞬間、金岡はサッと後ろに回り込み、店長を、はがいじめにする。
「か、金岡、貴様!! わしを裏切るつもりか!! これはどういうことだ?」
店長が、激しく体を揺すりながら、迫力のある声で吠える。
事態がよくつかめず、動揺しているようなので、俺が教えてやることにした。
「代わりに俺が説明しますよ、店長。このムチムチ猫耳メイド女学院は、今日から俺がもらいうけます」
「はっ? 何を言ってやがる? 小僧、そもそもお前は何者だ?」
「申し遅れました。私は、こういう者です」
そう言って、店長の額を右手でつかむ。
意識を集中させて、黄金の光を店長の頭に流し込む。
「ぐわああああああ。めがみ……うつくしい……」
店長は、うっとりとした顔で、ヨダレを垂らしながら意識を失った。
金岡が後ろから、はがいじめにしているので、ガクッと首だけが下がる。
あとは同じようなことの繰り返しだ。
店長を起こして、店長と金岡、二人がかりで、奥にいた20代後半の若い店員を連れ出させて、洗脳する。
男性店員の洗脳が全て終わったら、今度は、待機していた6人の女の子を、ひとりずつ、事務所に呼び出して洗脳していく。
ついでに、風俗初体験で、ドキドキしながら受付まで来ていた、寺田くん、という20歳の大学生も洗脳した。
この時点で、店内にいる人間の洗脳は、全て完了したわけだが、まだ店の乗っ取りは終わっていない。
客のところに派遣されていて、まだ店に戻っていない女の子やドライバーたちがいるだろうし、出勤日やシフトがずれている女の子や店員もいるはずだ。
あと、店と契約していて、非番の送迎ドライバーもいるだろう。大きな車を持っていると思われるので、ドライバーも全員、お店の近くに呼び出して洗脳したい。
結局、ムチムチ猫耳メイド女学院に居座って、洗脳を続けること9時間。
一通りの洗脳が終わる頃には、日付が変わっていた。
ナギや稲田さんを含めて、男性店員6名、送迎ドライバー12名、デリヘル嬢25名、受付まで来ていた客7名の合計50名を洗脳することができた。とりこぼしがまだ、ありそうだが、それについては一旦、休んでからにしよう。
「俺も今日一日、興奮したし、さすがに疲れたな。そろそろ帰って休もうかな」
「ねぇ、大ちゃん教祖様♡」
「どうしたんだい、ナギ?」
「大ちゃん教祖様、ナギの部屋で休まないっちか? ナギの部屋、お店から近いよ。大ちゃん教祖様のおうち、ここから遠いでしょ?」
確かにそうなんだよな。足立区のあのアパートに戻ろうと思ったら、車で40分くらいかかってしまう。
「ありがとう、ナギ、お言葉に甘えることにするよ」
歩いて数分の場所にあるということだったので、深夜3時の暗い中を俺とナギはマンションへと歩いて行った。
部屋に入ると、疲れたので早々に、ナギのひざ枕で眠ることにする。
頭に、ナギの柔らかい太ももの感触が伝わる。
不思議なものだ。12時間くらい前には、逆に俺が、ナギにひざ枕をしてやっていたのに。
これから、やらなければならないことが腐るほどある。
ムチムチ猫耳メイド女学院の客をもっと洗脳していきたいし、ガタイの良い男手が集まったら、強引な手段で洗脳を行って、信者を増やしても良いかもしれないなと思っている。
俺は充実感と、心地よい疲労感におそわれながら、眠りについた。