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60話 外道会館の大虐殺

 外道会館(げどうかいかん)で起こっていることについて、直接、自分の目では見られないので、女神様からもらったスマホのアプリ、魔力探知MAPを見ながら、中の様子を想像するしかない。


 晴海忠(はるみただし)を示す、光の点は、暗殺を成功させたと思わしきタイミングから、一気に移動するスピードが遅くなった。おそらく、負傷したのだろう。


 一方、ほぼ同時刻に、晴海忠とは別の場所にいた、サイコロステーキ殺人鬼と思わしき光点も行動を開始した。


 まず、同じ部屋にいた5つの光点が消えた。5人が殺されたといことだ。


 続けて、駆けつけてきた、見張りと思わしき光点も消えた。


 サイコロステーキ殺人鬼は、見境なく人を殺し始めたように見える。


 これはヤバイな。


 透明になる魔法を使っているので見つかりにくいとは思うけれど、今のタイミングで、運悪く、サイコロステーキ殺人鬼に見つかったら、晴海忠も殺されてしまいそうだ。


 晴海忠が殺されそうになっても、俺は助けにいくことはできない。


 サイコロステーキ殺人鬼と戦うには、戦力が不足しているからだ。


 サイコロステーキ殺人鬼を倒して、洗脳するための戦力の一端として、晴海忠を信者に加えようと思っていたが、これで殺されてしまうようなら、あきらめるしかない。


 別の魔法使いを当たろう。


 女神様からもらった、この魔力探知MAPを使えば、他の魔法使いを探すのも容易だ。


 ただ、運の良いことに、晴海忠は宴会ホールから抜けて、サイコロステーキ殺人鬼のいるところからは離れた。


 そして、入口のゲートのところまで来たかと思うと、Uターンして庭で止まった。


 光が消えていないので、死んだわけではなさそうだが、負傷のため、動けなくなった、というところだろうか?


 晴海忠、意外と運の良い男かもしれないな。


 このままサイコロステーキ殺人鬼に見つからずに、やり過ごしてくれれば良いのだが……。


 サイコロステーキ殺人鬼の方は、宴会ホールの近くにある、そこそこ広い部屋に移動した。


 何の部屋だろう? 長方形のスペースだし、人の配置などを見ていると、厨房か何かか?


 よく考えたら、午後3時以降に、人が連れてこられて殺されていたのは、この場所だったな。


 ろくでもない場所なのは確かだ。


 ここでも、15個くらいの光点が動いていたが、数秒で1つを除いて、消滅した。


 誰か1人だけ、人間を生かしているようだが、どういうことだろう?


 殺人鬼の考えることは、よくわからん。


 サイコロステーキ殺人鬼は、生き残りの1人を残して、宴会ホールの方へ移動する。


 そこで起こったことは、まさに大虐殺だった。


 逃げまとう光点、立ち向かっていく光点、いろいろな光点があるが、もともと、その場にいた100近くの光点は、全て消されてしまった。


 俺は、ずっと魔力探知MAPの画面をながめていたわけだが、いくつか収穫があった。


 サイコロステーキ殺人鬼がつかう魔法についてのヒントだ。


 画面の光点の消え方から、わかったことだが、サイコロステーキ殺人鬼は、おそらく人間が当たったら死ぬような性質を持った、“そこそこ大きい何か”を投げている。


 今までの被害者の死体の様子からして、おそらく当たったら、人間がサイコロステーキ状にカットされるような、“何か”を投げているのだと予想される。


 さすがのサイコロステーキ殺人鬼でも、100人近くの人間を一斉に殺すことはできないと見えて、全滅までに少し時間がかかった。


 その時の光点の消え方が、パソコンのペイントソフトで、消しゴムを使って絵を消すときのような感じだったのだ。


 “何か”が当たったところから、光点が消えて行っていた。


 あと、もう1つわかったことが、これも推測だが、おそらくサイコロステーキ殺人鬼の周りには、バリアのようなモノが張り巡らされている。これも当たったら死ぬやつだ。


 最初、勇猛果敢にも、サイコロステーキ殺人鬼に向かっていった光点が、3つくらいあったのだが、そのいずれもが、サイコロステーキ殺人鬼から一定の距離のあるところで、何かに阻まれるように消滅した。


 並行して、“何か”に当たって、光点が消え続けていたので、この投げる“何か”とバリアは同時に使えると見て、良いだろう。


 やはり、データを集めて分析することは大事だ。


 これで、奴の使う魔法の正体がわからず、初見殺(しょけんごろ)しのような形で全滅することは避けられそうだ。


 まぁ、被害が大きくなりそうなので、真正面から戦うつもりは最初からないのだけど……。


 サイコロステーキ殺人鬼は、宴会ホールが片付くと、今度は、外道会館の中をくまなく、歩きまわり始めた。


 出会った光点を、片っ端から消して回っている。


 見逃した1人と、庭にとどまっている晴海忠をのぞいて、外道会館にいる人間を全員、殺すつもりだろうか。


 最後の方は、立ち向かう光点もなくなり、ただ、逃げまどう光点を、サイコロステーキ殺人鬼が追いかけては、消し、ということが繰り返された。


 一部の光点は、入口があるゲートの手前くらいまでは、なんとか逃げることができたが、ゲートに辿り着く前に消されてしまった。


 もともと、ゲートで見張りをしていたと思わしき3つの光点も、目の前で人間が殺されるのを見たためか、ゲートに張り付き、必死に逃れようとしていたが、やはり消されてしまった。


 全ての仕事を終えた、サイコロステーキ殺人鬼は、逃げようとした人間が開けたのか、それとも魔法で破壊したのかはわからないが、ゲートを悠々と抜けて、外道会館を去っていった。

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