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6話 受付店員 金岡洋一の洗脳

 洗脳魔法を受けた、デリヘル送迎ドライバーの稲田(いなだ)さん(62)が、白目をむいて、へたりこんでいる。


 おっさんのアへ顔など、見ていても、つまらん。


 俺はさっさとビンタをして、稲田さんを起こすことにする。


「きょ……教祖様……♡」


 稲田さんが、お(した)いしています、という顔で俺の方を見てくる。


 おっちゃんも、心にスキマを抱えていたんだね。


 でも、気持ち悪いから、最後に♡が付くような言い方をするのは、やめてね。


(だい)ちゃん教祖様(きょうそさま)、ナギたち、そろそろ帰らないと、いけないっち」


 俺は腕時計を見て、時刻を確認する。


「そうだな。確かに、もう80分コースの時間も終わる頃だな」


「稲田さん、これからお店に戻ると思うけれど、俺も一緒に乗せて行ってもらえませんか?」


「も、もちろんですとも!! 教祖様をお乗せできるなんて、身に余る光栄です!!」


 おっさんを洗脳すると、こんな風になるのだな。



 俺とナギは、稲田さんの運転するシルバーカラーのハイエースの二列目に、並んで乗り込んだ。


 ハイエースって、実は乗ったことなかったんだよな。


 俺の中で、ハイエースって、ヤクザが人を拉致する時とか、兵隊を運ぶ時に使う車というイメージがあって、内装も小汚いのではないかと思っていたのだけど、稲田さんのハイエースは全然、違っていた。ハイエースを舐めていた。


 何と言うか、すごくラグジュアリーな感じだ。車内は2席×3列で、合計6人が座れるようになっている。後ろに荷物なんかを置くスペースもあるのだけど、それでも車内は広々としていて、ゆったりと座ることができる。ソファも、柔らかくて、とても座り心地が良い。掃除も行き届いているようだ。


 稲田さんが、この車をとても丁寧にあつかっていることがわかる。道具を大事にあつかう人は、プロという感じがして好感が持てる。


 車内にいる間、俺は女神スマホを操作して、ステータスやミッションの情報をチェックしていた。


 ハイエースに乗り込むこと約40分、車はようやく、ナギの勤めるお店がある五反田駅の周辺までたどり着いた。


 ムチムチ猫耳メイド女学院は、風俗店が多数入居している雑居ビルの4階に位置している。


 俺とナギは、稲田さんのハイエースを降りると、エレベーターで4階へ向かう。


 まずは受付だ。俺一人が店内に入っていく。


 40代くらいのメガネをかけた店員が応対してくる。


「お客様、いらっしゃいませ。ご指名の子はお決まりですか?」


 俺は受け付けカウンターにズイと近付く。


「実は指名の子は決まっていまして……」


 メガネのおっさんがニヤニヤしながら顔を近づけて、聞いてくる。


「それで、どの子ですか?」


「アンタだよ!!」


 えっ、という、虚を突かれたような表情を、おっさんが浮かべた一瞬のスキに、俺はポマードを塗りたくったオールバック頭をつかむ。


「ア、アンタ、何をするつもりだ?」


「良いから、黙ってろよ」

 

 目を閉じて、意識を集中すると、右手が黄金の輝きを放ち出す。


「ひ、ひかりがみえる……」


 受付のおっさんはヘナヘナと、へたりこんでしまった。


 この間も、ナギの時と同じように、おっさんの過去が見えたり、思考の一部を吸い取ったりしているのだけど、2人目以降は、大分、やり方がわかってきたので、流れ作業的になっている。


 これで3人目の洗脳が完了。


 記憶を読み取って、わかったことだが、この店員の名前は金岡(かなおか)というらしい。


 俺は1分経ってから、金岡をビンタで起こす。


「きょ、教祖……♡」


 お前もかい。だから、その♡はやめてくれ。

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