42話 宦官セイヤの誕生
「こ、これはどういうことだ? オレをどうする、つもりだ?」
聖哉がいるのは西園寺クリニックの地下にある秘密の手術室だ。
聖哉は、手足を鎖につながれ、全裸の状態で、あおむけになって、大の字に寝かされていた。
こうやって見ると、ちょっとだけ、初代仮面〇イダーのオープニングみたいだな。
まぁ、この聖哉とかいうクズ男は、本〇猛みたいに高IQでもなければ、お坊ちゃまでもないけどな。
聖哉というホスト風の男は、顔だちは整っていることには整っているが、身長は160cm程度、顔がデカく、手足が短い。
なんで、こんな男が、たくさんの女を騙して利用することができたのだろうかと不思議に思っていた。
しかし、全裸にしてみたことで、少しだけ謎が解けたような気がした。
聖哉の股間についているアレが、とても大きかったのだ。
実に立派なものがついていた。
長さは約30cm、直径も5cmくらいはありそうだ。
そして、身に危険が迫っている時なのに……、いや、身に危険が迫っている時だからこそ、なのか?
聖哉のあそこはギンギンに勃起していた。
「ひ、久しぶりに見るけれど、やっぱり大きいっちば……」
ナギが、聖哉のアレを見て、赤面している。
「私も、こんな大きいのを見たのは、初めてですわ……」
レイカも同じく赤面しながら驚きの声を上げている。
「オマエ、日本人ニシテハ、ナカナカ大キイナ。デモ、オレノ方がモット大キイ」
黒人のガスは、よくわからない対抗心を燃やしている。
手術台に縛られた聖哉の正面には、執刀を担当する西園寺院長が立っていた。
そして、手術台のまわりを囲うようにして、ギャラリーである、俺、ナギ、レイカ、ガス、寺田くんが立っている。
聖哉にとっては、裸とイチモツを見られる、ちょっとした羞恥プレイのような状態になっていた。
俺は聖哉を見て、始皇帝の母親をとりこにし、宴会の席で、あそこで馬車の車輪を回す芸を披露していたという、秦王朝の偽宦官、ロウアイのことを思い出していた。
「聖哉、なるほど。お前はロウアイだったというわけだな……」
思わず、そんな言葉が自分の口から出ていた。
「えっ、教祖様……、ロウアイ……、ですか?」
またもや、寺田くんが敏感に、俺の言葉に反応する。
どうせ、寺田くんはロウアイなんて知らないだろう。
「いや、寺田くん、意味がわからないなら……」
「嬉しいです!! 教祖様も読まれているんですね、『キング〇ム』」
「えっ?」
「いやぁ、ロウアイ、やさしい、いい奴ですよね」
えっ、ロウアイって、やさしい、いい奴だったっけか?
どうも俺がイメージしているロウアイと違う気がするが、とにかく、寺田くんは『キング〇ム』を読んで、ロウアイのことを知っているようだ。
『キング〇ム』の力は偉大だ。
しかし、曹操(ツァオツァオ)推しの俺としては、『キング〇ム』よりは『蒼天〇路』を読んで欲しいところだ。
なぜ、『キング〇ム』が、あんなにブームになって、『蒼天〇路』は、そんなに話題にならないのだろうか。
人気がないことはないだろうが、『キング〇ム』と比べると、あまり大きなブームになっていないようで、そこが残念ではある。
いかん、また話が脱線してしまった。
「おい、お前ら!! オレをどうするつもりなんだって聞いてるんだよ!!」
聖哉の叫び声を聞いて、俺は我に返った。
「そうだったね、聖哉くん。君のアレが、あまりに立派だったので、つい、何をするつもりだったのかを忘れてしまっていたよ」
「そんなにオレのあそこが気になるなら、しゃぶらせてやろうか!! このクソ野郎!!」
「いやいや、その必要はない。むしろ、その逆だ」
「えっ、逆?」
聖哉が、間の抜けた声を出す。
「俺は、神に選ばれた特別な人間なんだ。特別な人間である俺には、美しい女を大勢かこって、たくさん子供をつくる義務があるんだ。後宮、君にわかりやすい言葉で言えば、ハーレムだな。俺用のハーレムをつくる必要がある……」
「その、おっさんのキモいハーレムと、オレになんの関係があんだよ!!」
「かこう女の数が増えると、ハーレムを管理する人間が必要になる。しかし、ハーレムを管理する人間に、あそこが付いていたら、ハーレムの女と過ちを犯す可能性があるだろう。だから、宦官と言うのだが……」
「おい、おい、おい!! 待てよ!! もしかしてオレの自慢のアレを切ろうってわけじゃないだろうな!!」
「そう!! その、まさかだよ。これから、ここにいる西園寺院長が、お前のあそこをカットしてくださる」
「教祖よ、ここまで大きい陰茎を見たのは、私も初めてだ。標本にして保管したい。手術が終わったら、もらって良いだろうか?」
顔に包帯をぐるぐる巻きにした、ミイラ男のような西園寺院長が、舌なめずりしながら、興奮気味に俺にたずねてくる。
「もちろんですとも、西園寺院長。ご自由にお持ち帰りください」
「まてまて!! 勝手に、オレのアレをどうするか、決めてるんじゃねーよ!!」
聖哉が怒鳴るが、誰もまともに相手にしない。
「すまんな、若者よ。私は教祖から、麻酔なしで君の手術をするよう指示されている。ちょっと痛いかもしれないが、耐えてくれよ」
そう言って、西園寺院長は、聖哉の陰嚢(玉袋)にメスを入れて、切除をし始めた。
「いやだああああああああ。オレ、もう女とヤレんくなるううううう!!」
いや、お前は、もう女とヤんなくて良いんだよ。
少しの間、絶叫した後、聖哉は痛さのあまり、気絶した。
その間に俺は、洗脳をすませておく。
こうして宦官セイヤが誕生した……。




