透明人間
何となく浮かんだ言葉を書き綴ってみたものです。
短いです。
僕は1人だ。
ガヤガヤ
ガヤガヤ
街の喧騒を耳に、沢山の人の中を僕は歩いている。
大勢の人の中に囲まれて
大勢の人の波に飲まれて
僕はただ歩いている。
こんなにも沢山の人が周りにいるというのに
僕の存在に気付いている人はいないのだろう。
誰も僕のことなんて気に掛けてもくれないのだから、まるで自分が透明人間になったかのようだと感じる。
それはなんて悲しい事だろう。
僕はここにいるのに。
僕という存在を認めてくれる人はいないのだ。
僕は、僕は…一人ぼっちだ。
大勢の人々に紛れて、君はそう呟いた。
君はいつも「自分は1人」だと、そう思っている。
自分の傍には誰もいない。
誰も自分を見てくれない。
泣いて啼いて鳴いて。
哭き続ける君の傍に私はいつも寄り添っているというのに。
本当の孤独なんて知らないくせに、いつも泣いている。
僕はなんて可哀想な奴なのだと嘆いている。
傲慢で哀れな君の傍に、いつも私はいるというのに。
僕は1人だ。
君は今日も嘆いている。
1人で寂しい部屋の中に閉じこもっている。
自分から外に出ていく勇気もなく。
自分から話しかけていく度胸もなく。
誰かが何かをしてくれる。
そんな淡い期待を胸に、君はいつもそうやって蹲り閉じこもっている。
私は君の隣にいるのに。
君はそんな私に目もくれない。
私は独りだ。
君の傍に
君の隣に
君と共に生きているのに。
どんなに手を伸ばしても、触れる事は出来ず
どんなに目を合わせても、その瞳に映る事は無く
どんなに声を掛けても、その鼓膜を揺らす事は能わず
どんなに抱き締めても、この温もりが伝わることは叶わず
君は私の存在に気づかない。
そうして君は、
僕は1人ぼっちだと、誰も僕を見てくれないと嘆くんだ。
誰も僕なんて気にかけてくれない。
誰も僕に声をかけてくれない。
誰もが僕を無視していく。
誰も僕なんかに手を伸ばしてはくれない。
誰も僕を抱きしめてくれない。
辛い
悲しい
苦しい
悔しい
泣きたい
怖い…
誰でもいいから僕を見て。
誰でもいいから僕を愛して。
誰か、誰か…僕を見つけてよ!!
誰か僕を求めてよ!!
君はいつもそう、叫んでいる。
とっくの昔から、私はずっと傍にいるというのに。
ねぇ…君はいつ、私に気付いてくれるの?
くるり
くるり
季節が巡る。
くるり
くるり
どんなに時が流れても
くるり
くるり
君は変わらず叫んでいる。
くるり
くるり
私は今日も君の傍で声をかけ続ける。
君はひとりじゃないよ。
私がそばに居るよ。
いつも君を見ているんだ。
いつも君に手を伸ばしているんだ。
いつも君を抱きしめているんだ。
君が好きだと、愛を囁いているの。
1人ぼっちの君の傍で
私もまた独り、君を待っている。
君が気付いてくれるその時を願って。
私はずっとずっと…独り、君を待ち続ける。
くるり
くるり
1人な君と、独りな私。
本当の透明人間はどちらだろう?
いまいちジャンルが分からない(;-ω-)ウーン