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28.仲間

 冒険者ギルドの中は、人でごった返していた。

 扉が開いて、その視線が一斉にこちらに向いた。


「勇者だ!!俺をパーティーに入れてくれ!!」


「いえ、私をパーティーに入れてください!」


 俺も、私もと光彦に群がる冒険者たち。


「うわ、すごい数ですね。僕たちは離れようか」

 聖野は牡丹と桜とともに、少し離れた場所に移動する。


「勇者パーティーに入れるのはAランクからだよ」


「ちぇ!他の勇者のとこ行こうぜ」

 アインの言葉に退散する冒険者たち。


 そこに、男女三人組のパーティーが声をかけてきた。


「よお!勇者様。光の牙のラッセルだ」


「こんにちは、ラッセルさん。僕と一緒に戦ってくれるんですか」

 聖野が、にこやかに話す。


「光の牙なら、十分戦力になるよ」

 アインの言葉に、光彦は光の牙を仲間に加えることにした。


「そうだぜ、俺たちが居りゃあダンジョンも楽勝だぜ」


「そういうことなら、お願いします。僕は勇者の聖野光彦です」

 聖野が金髪の男、ラッセルと握手する。


「よろしくな!」


「はい、よろしくお願いします。僕のパーティーの仲間を紹介しますよ」

 聖野に背中を押されて牡丹と桜が、前に出る。


「月見牡丹よ。魔法使いをやってるわ」


「フィーナよ。同じ魔法使い同士、仲良くしましょうね」

 赤い長髪の女が牡丹に手を出すが、牡丹をそれを無視する。


「牡丹ちゃん、みんなで仲良くしよ?」

 桜が仲を取り持とうとするも、牡丹は素っ気ない態度を崩さない。


「えーっと牡丹ちゃんがごめんなさい。桜は姫城桜(ひめしろ さくら)っていうんだよ。仲良くして欲しいな」


「……どうも」

 茶髪の無口な男が無愛想に挨拶する。


「いや、悪いね。ロベルトは、あんま喋らねーんだよ。でも悪い奴じゃないぜ!真面目で頼りになる相棒なんだよ」


 ガヤガヤと仲間探しをするクラスメイトたち。


 僕の仲間になる美少女はどこかな?あっ!あんなところに金髪グラマーなお姉さんが。でも、僕より強そうだからやめておくか。

 そうだなー、身長が低くて従順そうな子がいいな。あの薄緑色ボブの子とかよさそうだぞ。


「そこの君!未来予知の勇者とは、この僕のことなんだ。僕と一緒にパーティーを組めば安全にダンジョン攻略ライフを送れるよ」

 ふっ、どうだ。一晩考えた落とし文句は。こんな冴えない僕でも、スキルのおかげで巷では未来予知のユウタと呼ばれている。


「えっとーー、また後で声をかけてください!」

 女の子は僕から逃げるように、他のクラスメイトに声をかけにいった。……まったく、恥ずかしがらなくてもいいのに。

 僕のような有名人と一緒だと、なにかと目立っちゃうもんね。でも、そんな恥ずかしがり屋な君もかわいいよ。……なんちゃって!


 今度は長い茶髪がきれいな美少女だ。おっとりした感じが僕の好みだ。それに巨乳だし……、むっふっふっふ。


「そこの美少女さん!未来予知の勇者とダンジョン攻略しませんか」

 キマった。これはクリーンヒット間違いなしだ。


「ええっ、私なんかでいいんですか?未来予知の勇者様と、ご一緒できるなんて夢みたいです」

 おっとり美少女が僕の腕に抱きついてきて、ムホホ!!柔らかい感触が……!!


「ぼ……僕の方こおぉぉそ!!君と一緒で嬉しいなぁ?!」

 ふ、へへ。やっぱり僕のような有能な人間にこそ、美少女もついてくるってもんだ。


「メイシー、勇者様がパーティーに入れてくださるって!」

 おっとり美少女が、メイシーって名前の美少女を呼び寄せた。


 ツイてるね。活発そうなロリっ子が来たぞ!えっへっへっへ……、僕にふさわしいハーレムってやつぅ?ま、僕は最強のスキル持ちだからねぇ!


「メイシーだよっ!魔法格闘使いの私にかかれば魔物も、いちころなんだから」

 無い胸を張って、えっへんをしている。まったく、ロリっ子は最高か?


「僕は未来予知の勇者、浜和優多(はまわ ゆうた)だよ」

 ここで、サラリと自己紹介を挟む。


「私は魔法使いのアマンダです。よろしくお願いしますね」

 そういって、ムニムニと胸を押しつけてくるアマンダ。


「ちょっとぉ!メイシーだって仲間なんだからぁ」

 アマンダとは反対側に抱きついてくるメイシー。


 うはーー!!ここは天国か!?

 ようやく始まる僕のハーレム無双伝説が今、幕を開けるっ!


「ちょっと待ちな」

 なんだ、このドスの効いた声は。


「あたいも仲間に入れな」

 うげ、金髪グラマーアマゾネスか。褐色の腹筋が実に男らしい、だけど女だ。

 そんなにムキムキにならなくてもよかったのに……。


「えーっとぉーー、真の仲間は二人までなんだよね」


「なにいってる?あたいの強さを教えてやろうか?」

 ククリナイフを突きつけられる。

 ひえーー!殺されるっ?!


「すみませんでした!仲間になってください、お願いします!」

 むふふ……、開いたシャツから大きな大きな、たわわがたわわだ。

 まあ、仲間にしてやらなくもない…………かな。


「マイルだ、よろしくな」

 ガシッと力強く手を握られる。ぐぬぬ……怪力女は守備範囲外だぞ。

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