1/1
ミライを、救う。
少女の声が聞こえる。
「私のターニングポイントへ来て。そうすれば、私は救われるから。」
僕ははっと目を覚ます。
最近こんな夢をよく見ている。この夢を見た日は大抵朝起きると涙が出ている。
眠い目を擦りながら学校へ歩いていく。
「おっす海斗!またあの夢見たのか?」
話しかけてきたのは僕の1番の親友の陸だ。
「ああ。また寝起きが悪かったよ...」
「大丈夫か?もし続くようであれば病院に行ったほうがいいぞ。」
「大丈夫だって。」
そう話しているうちに学校に着いた。いつもの1日が始まった。
今日は何もなく平凡に終わると思っていた。
帰り道、塾のある陸と別れ、帰途に着く。
駅前を歩いている時だった。突然自分が自分ではないような気分に襲われたのだ。
「う......あぁ.....」
他の人には奇妙に見えたに違いない。こっちを見る目線を感じた。その時だった。
「あぶなーーーーーーーーーい!」
後ろを振り返り、迫ってくるそれが車だと認識した瞬間、僕の意識は途絶えていた。