第20話:再会
ミナモ達が落ちた穴に飛び込み、隠し通路を進んでいく拓也とロード。
「そんなに入り組んではいませんから、時間もかからずに出会えるはずですが・・・」
そう告げるロード。
「ロード・・・まだ回復の弾はあるのか?」
そう聞いた拓也。
「弾は属性一つにつき三回まで使えます。しかしながら僕の魔銃の弾は自然界・・・つまり周囲のエネルギーを吸収し使った分のエネルギーを充填してくれるんです」
そう説明するロード。
「まだ撃てるならミナモとモエの回復を・・・」
拓也がそう言うと
「構いませんよ。今の僕は貴方の味方なのですから。貴方の仲間は僕にとっても仲間というわけです」
そう告げたロード。
「ありがとな・・・」
そう呟いた拓也。
と、その直後走っていた足を止めた拓也。
「どうしましたか?」
「感じる・・・微かな炎の力・・・狭い隠し通路だからわずかな風に乗って感じるんだ」
そう言う拓也。
「・・・君には最初から才能があったのかもしれませんね」
そんな拓也を見ながらそう言うロード。
「才能?」
「君は能力を得てからそんなに時は過ぎていない・・・合ってるかな」
ロードがそう言うと
「あぁ、話すと色々あるんだけど・・・そうだな」
「直接能力を使う場合は、まだ荒削り・・・でも、感覚的には能力とうまくかみ合っている・・・それは君が生まれ持った才能だよ」
そう告げるロード。
「!?」
力を感じてからすぐに拓也達は、座り込んでいたモエを発見した。
「モエ!」
拓也の声が聞こえるなり振り向いたモエ。
「拓也さ・・・」
拓也の顔を見て気が緩んだのか、倒れるモエ。
「っと、何とか無事でしたね」
地面に頭を打つ前に、モエを支えたロード。
「・・・拓也さん。彼女を頼みます。あちらの彼女の方が危ないようですので」
と、拓也にモエを寄りかからせるロード。
「まさかミナモ・・・」
モエが座り込んでいた位置より前方、そこにはすでに力尽きたのかミナモが倒れていた。
「まだ完全には充填出来てませんから、一発ずつの治癒になりますが・・・」
そして、ロードはミナモとモエに治癒弾を放つのであった。
しばらく二人を安静にさせている間、これからの事について話し合う拓也とロード。
「ロードはこの通路を抜けた先に何があるのか知ってるのか?」
そう尋ねる拓也。
「螺旋の街・・・組織内ではそう呼ばれていました。その名の由来は行ってみればわかります」
そう答えるロード。
「螺旋の街か・・・」
「ん・・・っ・・・」
と、そんな時意識を取り戻したモエ。
「あっ、拓也・・・さん。見間違いじゃありませんよね」
そう言うモエ。
「当たり前だろ・・・それよりロード」
「そうですね・・・ずっとここにいるのも危険ですから・・・拓也さん」
そんな訳でミナモを背負う拓也。
「モエは歩けるか?」
「はい、目が覚めたら何だか身体が軽くて・・・あの、拓也さん・・・気になってましたけどその人は・・・」
そう聞くモエ。
「大丈夫だ、ロードは味方だし・・・俺もモエやミナモの回復もやってくれたしな」
そう言う拓也。
「そうだったんですか・・・ロードさん、ありがとうございます」
ロードにお礼を言うモエ。
「大したことはしていませんよ。では、行きましょうか」
そして拓也達は、螺旋の街と呼ばれている場所に向かって進んでいくのであった。