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第9話:動き出す者達(2)

拓也たちが目立たないようにしている頃、情報を集めていたモエはというと・・・。


「何とか下の階層への道がわかりましたね・・一応怪しまれないようにしてましたけど・・大丈夫だったでしょうか・・」


心配しつつも何とか役目を果たしたモエは、拓也たちの元に戻ろうとした。


と、急に方向転換し歩き出してしまったモエは後ろにいた一人の男にぶつかってしまった。


「はうっ・・」


思わず地面に倒れるモエ。


「おっと、すまねぇな・・」


手を差し出してきた男。


「あっ、ありがとうございます」


男の手を借り起き上がるモエ。


「ん・・君能力者だね・・それじゃ一応聞いておくかな・・この辺りで怪しい二人を見なかったかい?」


「怪しい二人ですか・・」


モエはすぐに男が本部関係者だと気付いた。


「いえ・・特には・・」


うつむきながらそう答えるモエ。


「そう・・けど君みたいな女の子に倒された能力者がいるって事だね・・レベル1だし」


「えっ・・どうして能力者のレベルを・・」


と、モエが男の瞳を見たとき何か吸い込まれそうな感覚に陥っていた。


「能力者鑑定士・・俺はその血を受け継いでいる者さ・・まぁ、俺自身も能力者なんだけどな」


そう言う男。


「ディオ様・・そろそろ我々の目的のほうを・・」


ディオと呼ばれる男についてきていた男達がそう告げた。


「そうだな・・それじゃ・・また機会があれば・・」


そうモエに告げてディオと男達はその場から去っていったのであった。


モエはディオという男に会った後、すぐに拓也たちの待つ場所へと戻っていた。


「モエ、大丈夫だったか?」


「拓也さん・・ミナモさん・・実は・・」


話をするモエ。


「本部の能力者が?」


「はい・・拓也さんたちのこと探していました・・だから早くこの町から離れた方がいいと思います・・」


そう言うモエ。


「そうですね・・こっちの準備もオッケーですしすぐに出ましょう」


そう言うミナモ。


「はい・・」


だが、そんな時


「確かにね・・・でも、簡単にはこの町から出さないけどね・・」


「!?」


突然声がして振り向く拓也たち。


と、そこには先程モエと会った能力者・ディオが立っていたのだった。


「お前・・・」


「また会ったな・・と、成る程君が風の能力者か・・確かにここじゃ見ない顔だな・・そして、もう一人・・」


拓也の隣にいるミナモを見るディオ。


「あっ・・逃げてください!ミナモさん!その人の目を見たら・・」


「!・・」


「ミナモ!?」


突如として動かなくなったミナモ。


(何・・この人の目を見たら・・急に身体が・・)


「俺は鑑定士としての力を受け継いでいるからなのか・・目の力で相手が動けなくなったみたいな現象が起きるみたいだけど・・まぁ、それはおいといて・・」


再びミナモを見るディオ。


「何故君が・・・天界の住人がここにいるんだい?」


突如としてそう告げたディオなのであった。


「お前・・何言って・・」


そう告げる拓也。


「わかるんだよ・・この目なら・・」


そう言うディオ。


「拓也さん、この人私のお婆ちゃんと同じなんです」


そう伝えるモエ。


「能力鑑定士・・そう言えば・・」


拓也はモエの祖母がミナモの目を見て天使であることを見抜いたことを思い出した。


「天使がいるといっても俺は女の子に手を出すつもりはないよ・・あくまで俺の標的は君だ・・風の能力者」


拓也を見ながらそう言うディオ。


「やるしかないみたいだな・・」


「あぁ・・だけどここじゃ周りに被害が出て君も思いきりやれないだろ?場所を変えようか」


ディオがそう言うと


「お前・・ここ(地下世界)の本部とか言うところから来てる能力者だろ?何で・・」


「君はどの本部の能力者に会ったことあるのかはしらないけど・・俺もあまり周りを壊す戦いは好きじゃないからね・・でも、君を倒すためなら全力を出したい」


「拓也さん・・・」


「ミナモとモエはここにいろ・・あいつは俺が」


そう告げ外に出る拓也。


「安心していいよ・・俺の部下は帰らせた・・君のいない間にあの天使を捕まえる事はしないよ」


「本部の連中をあっさり信用は出来ないけど・・」


そんな訳で町から離れた場所にある空洞へと移動した拓也とディオ。


「それじゃ・・始めようか」


そう言い構えるディオなのであった。


「お前・・素手で戦うのか?」


そう聞く拓也。


「あぁ、それが俺のバトルスタイルだからな」


そう言うディオ。


「じゃあ、遠慮なく行くぜ!」


刀に風を纏わせる拓也。


「成る程・・能力はある程度使いこなしているみたいだな・・」


と、ディオは自分の腕にエネルギーを集めていった。


「何だ・・あいつの能力・・」


「試してみればわかるさ・・」


「なら・・」


刀を大きく振り風の刃を放つ拓也。


と、ディオは手を前に出すとそのまま手で風の刃を受け止めたのだった。


「なっ・・」


「研ぎ澄まされた風・・確かに斬撃としては良い攻撃だ・・でも、俺には通じない」


するとディオはそのまま後方に風の刃を弾き飛ばした。


「そのエネルギー・・相当強いのか・・」


「それじゃ教えてあげるよ・・俺の能力は【気】だ・・気の能力者」


「気・・」


よくわからない拓也。


「オーラと言えばわかりやすいか・・君の風と同じで本来は見えない力だけど・・こうして力を集中させれば誰にでも見える」


そう説明するディオ。


「そして、集中され圧縮された気の力は攻撃にも防御にも有効となる」


そう告げるディオなのであった。

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