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第9話:動き出す者達(1)

追ってきた男達を撃破し、急いでこの場を離れる拓也たち。


「ここまで逃げれば大丈夫でしょうか」


そう言うミナモ。


「大丈夫か?モエ」


あの戦いで結構力を使ったモエを拓也は背負ってここまで逃げていた。


「拓也さんだって能力使って疲れてるはずなのに・・」


そう言うモエ。


「いいって・・とりあえず下の階への入り口を見つけないとな・・それか街に入らないとこんな通路みたいな所じゃすぐ見つかっちまう」


そう告げる拓也。


と、そんな時ミナモは通路の先に見える光を見つけた。


「光です・・開けた場所に出るんでしょうか・・」


そう言うミナモ。


「確かに微かに見えるな・・とりあえず行ってみるか・・下にいけるかどうかはわからないけどな」


そう言う訳でその光のほうへ目指して進み始める拓也達。


その頃、地下深くにある本部のほうでは・・。


「リュート・・本当にあいつらを放っておいていいのか?」


自室でくつろいでいるリュートにそう告げるレイド。


「あいつは強くなる・・そして、強くなったあいつを倒す・・完璧だろ」


そう言うリュート。


「だが、本部の能力者は沢山いる・・あいつ等が何か行動を起こせば誰かが現場に向かう・・お前が本気で戦う前に倒されるかもしれないな」


そう告げるレイド。


「その時はその時さ・・だけど、あいつの目・・他の連中とは違うぜ・・詳しい事は判らないけどな・・あいつはどんな困難も乗り越えてくる奴だ」


天井を見上げながらそう言うリュートなのであった。


光の方へと駆けていく拓也達。


そして、光の中へ飛び込んだ拓也達はその光景を見て驚くのであった。


「町だ・・」


「第一階層での二つ目の町ですね」


そう言うミナモ。


「私が住んでた所以外にもこの階層に町があったんですね・・」


その事に驚いているモエ。


「とりあえず町に入りたいんだけど・・また、騒ぎになっちまうかな・・」


その事を考える拓也。


「服装を変えてみましょうか?モエさんは大丈夫ですけど私達は地下の人達とは違う服装ですし・・」


「そうだな・・それで多少目立たなくなるなら・・」


と、言うことで町での行動を起こす前に素早く服が売ってある店へと駆け込んだ三人。


「こう言うのはどうですか?」


ここではやはり地下で暮らしていたモエが活躍した。


町で生活していただけあって、街の人の服もよく見ているため二人に合い目立たない服をチョイスしていった。


「なるほどな・・これなら目立たないし動きやすい服だ」


「少し可愛い服ですね・・ありがとうございます、モエさん」


二人とも服が気に入った所で、モエが服の代金を店の人に払った。


「あのお婆さんから貰ってたのか?」


「はい、困らないようにって・・」


「すみません・・モエさんのお金・・」


ミナモがそう言うと


「大丈夫です・・拓也さんもミナモさんも仲間ですから・・仲間の為に使えるのなら」


そう言うモエ。


和やかな時間を過ごす拓也達だが、本部の方では新たな動きが始まっていたのであった。


「おい、リュート」


本部内の一室でリュートに声をかけるレイド。


「何だよ、レイド・・また来たのか?」


そう言うリュート。


「お前な・・この前の出撃の件・・上に上手く伝えるのは大変だったんだぞ」


そう言うレイド。


「わかってるよ・・で、今度は何なんだ?」


「・・また上が指示を出してきた・・俺達にじゃないけどな」


そう告げたレイド。


「他の連中か・・」


ベッドに横になっていたリュートは、身体を起こした。


「別にあいつらの事を心配してるわけじゃないけどな・・あいつを倒すのは俺だし」


「・・・お前だって知ってるだろ?本部の能力者の中には曲者もいるって」


「・・何だ、レイドも結構あいつらのこと気にしてるんだな」


そう言うリュート。


「・・気にしているか・・」


と、リュートに背を向け部屋を出ようとしたレイド。


「どうしたんだ?」


「少し辺りを歩いてくる・・動いていないとなまってしまうからな」


それだけ言うとレイドは部屋を出て行ったのであった。


本部でそんな動きがあっている頃・・・。


拓也たちは町の中でひっそりと行動していた。


「とりあえずゆっくり出来る場所だからな・・町は」


そう言う拓也。


「でも、こんな所で戦いになったら街のみんなに迷惑をかけてしまいますから・・出来る限り早く出た方がいいですよね・・」


そう考えるミナモ。


「そうだ、モエ・・頼みがあるんだけど」


「はい、何ですか?」


「この町で色々調べて欲しいんだ・・モエなら地下の人間だし怪しまれないだろ?」


拓也が頼むと


「わかりました・・私少しでも二人の役に立てるなら」


そう言うとモエは足早に外へと出て行ったのだった。


「大丈夫でしょうか・・確かにモエさんは地下の人ですけど」


そう言うミナモ。


「でも、俺達がうろつくよりは問題ないと思う・・それに町中で戦いたくもないしな」


何も起きないことを願い、そう告げる拓也なのであった。

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