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第8話:強くなるために・・・(2)

「何なんだ、こいつ等・・」


そう言う拓也。


「さっきの街で私達を探していた人達の仲間じゃないですか・・」


小声で話すミナモ。


「そこの刀をもった男とそこの女・・まだ調査段階ではあるが・・お前達を捕まえなければならない」


「・・一応俺達が外からここに入った事はまだばれてないのか?」


そう感じる拓也。


「でも、捕まったらすぐにでも判っちゃいますよ・・」


そう言うミナモ。


「拓也さん、ミナモさん・・ここは私が・・私なら地下世界の人間ですから・・問題ありません。私があの人達を止めます・・・能力が弱くても・・・何とかしてみます」


そう言うモエ。


「でも、モエさん・・」


と、ここで前に出る拓也。


「俺の風であいつら全部吹っ飛ばす・・そしたらすぐにここから離れる」


そう言いながら刀を構える拓也。


「何をしようとも無駄だぞ・・能力者」


そう言う男。


「やってみないとわからないだろ!」


刀に風の力を集め大きく振り風の力を放つ拓也。


と、男達はもっていた盾のようなものを構えた。


「!?」


そして、拓也の放った風はその盾によって封じられてしまったのであった。


「俺の風が・・防がれた・・」


驚いている拓也。


「驚いているようだな・・この盾は能力者の放つ力を遮断する力を持っている・・お前がどんな力を持っていたとしても全て遮断できる」


そう言う男。


「能力が通じないんじゃ・・拓也さんもモエさんの能力も・・」


そう言うミナモ。


「もうお前たちの能力は通じない・・大人しくしてもらおう」


そう告げる男。


「能力が効かないなら・・私が・・」


ミナモが前に出ようとしたのを止める拓也。


「ここでお前が天使って事ばれたら余計にまずいだろ・・」


「でも・・これじゃここを突破するのは・・」


そう言うミナモ。


「あの三人を捕らえろ!」


真ん中の男が言うと周りの男達が拓也たちに向かっていった。


「拓也さんとミナモさんには・・」


何とか止めようと努力するモエだが、あっさりと男の腕によって弾き飛ばされてしまった。


「モエ!」


叫ぶ拓也。


「まずは抵抗できないように動きを封じろ・・反撃を受けては面倒だからな・・」


そう言う男。


「くっ・・」


ミナモを守るため前に出る拓也。


「私・・ついてきたのに・・役に立ててない・・何も・・」


涙ぐみながらそう呟くモエ。


「こんなひ弱な奴は捕まえておかなくても平気だな・・」


そう簡単に考えていた男。


「ミナモ・・お前だけでも・・」


「ダメですよ・・モエさんもいますし・・私だけ逃げるなんて・・」


そして、二人を捕まえるために襲い掛かる男達。


「ダメーッ!!」

突如大きな声でそう叫んだモエ。


その瞬間、モエの身体から大量の炎が吹き出し始めたのであった。


「なっ・・」


「モエさん!?」


驚く拓也とミナモ。


「拓也さんとミナモさんは・・私が守るんです!」


モエの感情の爆発と共に炎も強く噴出していた。


「クッ・・全員能力者対策用の盾を構えろ・・少しでもまともにくらえば黒焦げになると思え」


そう仲間達に告げる男。


「アイツ・・自分の意思で炎を出してるのか?」


尋ねる拓也。


「違います・・この炎・・モエさんコントロールできていません・・このままだと私達も・・」


ミナモがそう言うと


「なら俺があいつら吹っ飛ばすついでに道を作る・・炎がなくなったらモエを何とか落ち着かせてやるんだ」


「えっと・・わかりました」


そう答えるミナモ。


「今ならモエの炎に気を取られてこっちの行動に対して防御できないだろうから・・な!」


そう言い刀を振るい風の一撃を放つ拓也。


「なにっ・・」


男達が気付いたときには風は目の前に迫ってきており、モエの炎と共に吹き飛ばされていった。


「ミナモ!」


「モエさん・・」


モエの側によるミナモ。


「ミナモ・・さん・・」


ミナモの顔を見るモエ。


「もう、大丈夫ですよ・・モエさんのおかげで流れが変わりましたから・・」


「本当に・・大丈夫なの?」


「はい!」


笑顔でミナモがそう言うとゆっくりとおさまっていくモエの炎。


そして、モエの身体から噴出していた炎は完全に消えたのであった。


「大丈夫か、モエ」


駆け寄る拓也。


「拓也さん・・私・・」


「俺達のことなら問題ないぜ・・それよりあれだけ炎を放ってたのに身体は何ともないんだな・・」


そう言う拓也。


「モエさんは火の能力者ですから・・自分の身につけているものや自分自身は燃えませんよ」


そう説明するミナモ。


「和やかに話しているところすまないが・・忘れているのではないか?お前たちの立場を」


そう言う男。


「一回吹っ飛ばしたのに・・立ち直ってきたか・・」


「当たり前だ・・お前の能力などまともに受けても傷一つついていない・・」


そう言う男。


「拓也さん・・もしかして・・」


何かを感じるミナモ。


「モエ・・あの技・・やるぞ」


「えっ・・でも、私じゃ・・」


慌てて言うモエ。


「モエってあんだけ凄い力持ってるんだ・・自信もってやろうぜ」


そう言う拓也。


「・・・はい・・やって・・みます」


そう言い立ち上がるモエ。


「何をしようとも・・この盾がある限り能力は通じない」


「なら、見せてやるぜ・・俺達の力を合わせた技をな」


と、刀に風を宿す拓也。


そして、モエは拓也たちのために思いを込めて杖の先に火の力を集めるのであった。


「精神を集中させるんだモエ・・お前ならやれる・・自信を持つんだ」


そう告げる拓也。


「は、はい・・」


次第にモエの持つ杖の先の炎のエネルギーが大きくなっていく。


「俺も力を調整して・・モエの炎をより強く出来るように・・」


そう考え刀に風を集めていく拓也。


「頑張って・・二人とも・・」


自分の力をおおやけでは使えないミナモはただ見守るしか出来なかった。


「さあ、来るならきてみろ」


そう告げる男達。


「放て!モエ!」


「行きます・・私の中の炎の力を思い切り!」


男達に向けて火の玉を放つモエ。


「この一度だけでもいい・・成功してくれ・・渦巻け風よ!」


威力を調整し刀を振るい風を放つ拓也。


と、その風は渦のように回転しモエの火の玉を包んでいった。


その直後、絶妙な力の風の力を受け巨大化する火の玉。


「何だと・・」


「あいつらを吹っ飛ばせ・・俺とモエの力で!」


そして、その火の玉は男達の持つ盾とぶつかり合った。


「どんな攻撃でも能力によるものである以上・・この盾で・・」


と、攻撃の威力に押され始める男達。


そして、次の瞬間男達の持っていた盾にひびが入り砕けたのであった。


「馬鹿な・・何故・・盾が・・奴らの攻撃は能力によるものだぞ」


そう言う男。


「二人の力の融合・・本来はありえない強さの力が能力を防ぐ盾を・・」


そう考えるミナモ。


「じゃ・・今度は本気の一撃で・・」


拓也は相手を傷つけずに吹き飛ばす強力な風で男達を弾き飛ばしたのであった。

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