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第6話:魔女っ娘な炎使い(4)

モエの案内で抜け道へ向かっている拓也とミナモ。


「あの、モエさん・・」


歩きながら話しかけるミナモ。


「どうしたんですか?ミナモさん」


「私たちに協力して・・その・・さっきの人達とかに知られたら・・」


「・・・どうなるかは判りませんけど・・私なら大丈夫です」


そう告げたモエ。


「大丈夫って言われてもな・・」


そう言う拓也。


「・・つきましたよ・・ここからが抜け道です」


「壁・・ですね・・」


「でも・・えっと・・・」


なにやら壁を触っているモエ。


そして、何かのボタンを押すと扉が開き人が一人通れるくらいの扉が開いた。


「いやに機械的な仕掛けだな・・」


「でも、ボタン操作は少し複雑ですから♪外の人が見つけてもすぐには通れません」


そう言うモエ。


「あの、色々ありがとうございました」


丁寧にお礼を言うミナモ。


「ううん・・私こそあんなことしてご免なさい・・それでお詫びって言うか何ていうか・・拓也さん」


「ん?」


「・・私も連れて行ってください!」


突然そう告げたモエ。


「連れてって・・」


「ダメですよ・・危険ですから・・その本部の人達と関わることにも・・」


ミナモがそう言うと


「それでも私・・強くなるには・・ずっとここにいてもダメなんです・・だから・・」


「・・・決意は固そうだな・・」


「はい、お婆ちゃんも占いで私の行動・・お見通しのはずですから・・」


「拓也さん・・でも・・」


ミナモとしてはあまり関係のない人を巻き込みたくない気持ちがあった。


「ついてくる以上・・甘えは許されないぜ」


「はい!」


強い心で返事をするモエ。


だが、そんな時


「こんな所に嫌がったのか・・小娘!」


と、一人の男が拓也達の前に現れたのだった。


「あっ・・」


声をあげるモエ。


「何だ・・本部とやらの連中か?」


「誰だお前たちは・・俺はそこの小娘に用があるんだよ・・俺を不意打ちで倒しやがったそいつにな」


そうモエに告げる男なのであった。


「不意打ちで倒されたって・・・」


「モエさんに・・あのやり方で倒されたんだ・・」


そう思ってしまったミナモ。


「何でもいい・・やり返さないことには気がすまないんだよ!」


そう言う男。


「って、事はお前能力者か?」


そう尋ねる拓也。


「おうよ・・俺は【鉄】の能力者・・・ヴァン様だ」


そう名乗ったヴァン。


「拓也さん、ミナモさんどうしましょう・・私普通に戦ったら勝てないです」


二人に助けを求めるモエ。


「・・なあ、なら俺と戦わないか?」


そうヴァンに告げた拓也。


「お前とだと・・お前も能力者か・・」


「ああ・・お前の鉄の力・・どんなのか見てみたいしな」


そう言いながら刀を抜く拓也。


「いいだろう・・一度戦い負けた相手を倒してもポイントは増えないからな・・新しい奴と戦い・・勝つ・・」


「ポイントって・・何か役に立つのでしょうか・・」


普通にそう思ってしまうミナモ。


「ヴァンだったっけ・・そっちからでいいぜ」


「ガキのくせに・・なら、遠慮なくいかせてもらうぜ!」


気合をいれ攻めに向かうヴァンなのであった。


「何だ・・お前武器出さないのか?」


拓也が尋ねると


「俺には武器を装備しておく必要はないんだよ・・いつも現地調達だからな」


と、ヴァンは辺りを見渡すと落ちていた小枝を手に取った。


「俺の能力を見たいといっていたよな・・・」


ヴァンが力を込めるとその小枝は見る見るうちにその色を変えていった。


「はぁっ!」


思い切りその小枝を投げるヴァン。


「!?」


祖父との修行で身についた戦闘での勘が拓也の身体を小枝の軌道からよけさせた。


その直後、その小枝は拓也の後ろの壁に突き刺さったのだった。


「小枝が・・」


恐る恐るミナモが触ってみると、その小枝は完全な鉄となっていた。


「これが俺の能力・・触れたものを鉄に変えれるんだ・・多少決め事はあるがな」


「決め事?」


「人間や動物のような生き物には通じない・・植物とかにはオッケーだがな」


そう説明するヴァン。


「それと金属系も鉄には変えられない・・お前のその刀もな」


「なるほどな・・」


何やら感心している拓也。


「拓也さん・・今ここで時間取られてると二人を探している人達が来ちゃいますよ」


そう言うモエ。


「・・・忘れてたな・・」


そう呟く拓也。


「どうした・・俺の能力を見せたんだ・・次はお前の・・」


そうヴァンが言った時


「お前たち、そこで何している!」


と、先ほどモエとお婆さんの家にやってきた男達が現れたのであった。


「まずいです拓也さん。あの人達が・・」


そう言うミナモ。


「なっ、何だ?」


状況がわかっていないヴァン。


「悪いヴァン!俺達急いでるからな・・勝負は全て終わってからつけようぜ」


そう告げた拓也。


「待てよ!俺はお前と・・あの女に・・」


「あの時はすみませんでした。謝っても許してもらえないかもしれないですけど・・」


そう言うモエ。


「とにかく急ぎましょう」


ミナモはすぐに抜け道の中に入っていった。


「拓也さんも急いでください」


そう言いその後に続き抜け道に入っていくモエ。


「本当に悪いな・・ヴァン」


「お前のやる気がなくなったんじゃ面白くないからな・・それに近づいてくる連中の様子じゃお前ら訳ありのようだしな」


「すまない・・」


拓也が謝ると


「全て終わったら戻ってきやがれ・・あいつらは俺が止めておいてやるよ」


「って、そんな事したらお前が・・」


「その隠し通路・・見つかっちゃまずいんだろ?俺の事は心配するな・・お前と決着つけるまでくたばるつもりはねぇよ」


そう言い放つヴァン。


「わかった・・ありがとな」


そう言い残し抜け道に入ると中から扉を閉める動作を起動させる拓也。


「暴れられなかった分・・あいつらで済ませるか」


そう言うとヴァンは近づいてくる男達に向かっていたのであった。

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