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天 落 者  作者: 吉吉
第1章 異世界転落
63/87

最終層を攻略?

 水晶の部屋で一休みして、攻略を開始する。


 ついに20層まで来たわけだが、予想が正しければこの層で終わりのはずだ。そして、もう一つ。予想が正しければ……。


「やっぱりいきなり迷宮か……」


 水晶の部屋を出てすぐ、迷宮になっていた。15層が迷宮部分の2階構造になっていたので、20層は迷宮の3階構造になっていると予想していたのだが、当たったようだ。そして、15層と同じようにだだっ広い柱も壁もない部屋なのも同じだ。


 薄暗い迷宮の中には、遠くにポツポツと赤い光や黄色い光が見える。炎と雷属性の魔物だな。キラキラと光を反射しているのは多分氷属性の魔物だろう。となると、地属性の魔物が1番見つけづらいということだ。まぁ気配はわかるから、不意打ちを食らうことは無いだろう。


 とりあえず気配を探ると、魔物の他にいつもの『何かある』という気配がする。なのでそこへ向かう。


 常時シェルを張ることに慣れたので、この層でも張ったままで行く。なので、魔法の遠距離攻撃は殆ど効かない。複数の魔物に囲まれる事もあるが、メタルバレットや『茨の庭』(ソーン・ガーデン)でサクサク倒していく。


 魔法を避けた時に、ほかの魔物に誤爆することもあるが、やはり属性によって受けるダメージが違った。特に炎属性と氷属性はお互いに大きなダメージを受けていたし、地属性は雷属性の魔法に大ダメージを受けていた。雷属性の魔物は素早いのでなかなか魔法が当たらない。おそらくこの中で1番厄介なのは雷属性だろう。



 魔物を倒し、アイテムを回収しながら進む事数時間。光の幕で覆われた場所が現れる。15層で黒いミノタウロスがいた場所だ。今回は中に居たのは、金色の斧をもつ金のミノタウロスが2匹、階段を守るように立っている。


 前回は15層のボスとして出てきた訳だが、広範囲にした『茨の庭』(ソーン・ガーデン)では倒せず、範囲を狭め威力を上げる事で倒す事が出来た。だが、『茨の庭』(ソーン・ガーデン)の魔道具も改良してあるのでおそらく大丈夫だろう。


「まぁ、この金のミノタウロスが強化されてなければ、だが……」


 念のため魔法の範囲を狭くして威力を上げておくか。その為には金のミノタウロスを一箇所に集めるか、それか……


「各個撃破の方が確実か……」


 金のミノタウロスはパワーはあるが動きはそんなに早くない。なので1匹ずつ確実に倒した方が早いだろう。


 オレは近い方の金のミノタウロスへ向かう。振り下ろしてきた斧を躱し顔面へストーンバレットを撃つ。怯んだ隙に『茨の庭』(ソーン・ガーデン)を発動。そのまま金のミノタウロスは消滅する。同じようにもう1匹もサクッと倒して終了。15層のボスとして出てきた時と大差なかった。


 ドロップアイテムは、黒牛の肉と黒牛の卵、あとは魔石が2つだ。金のミノタウロスを倒して黒牛のアイテムが出るというのも違和感がある。まぁ15層では黒いミノタウロスを倒して茶牛のアイテムが出たからな。これが普通で、レアドロップとして高ランクのアイテムが偶に出るのかもしれない。



 階段を下りるといつもの迷宮の通路が現れる。宝箱の気配は無し。なので魔方陣を目指す。通路を進み現れた魔方陣は、



 空間魔法

 ーーある一定範囲の空間を自由に拡張 縮小 歪曲し固定 解除できる



 今まで手に入った空間系のスキルにプラスしても歪曲が追加されたな。歪曲というと、歪ませて曲げるということか。となると空間を曲げて、まっすぐ進んでるつもりでもUターンさせたりできるわけだ。今一使い方がわからないが、これから見る映像に何かヒントがあるだろうか?


 そう思いながら、オレは魔方陣へ足を踏み入れた。



 ◻︎ ◻︎ ◻︎ ◻︎ ◻︎ ◻︎ ◻︎ ◻︎


 一方的な戦いだった。数十人の術師で扱われている空間魔法は、戦争で一方的な結果をもたらしていた。触媒として、地面に魔石が埋められており、その範囲内だったら好きに空間を扱えるようだ。


 例えば、数kmの距離を縮めて一方的に魔法を打ち込んだあと解除するとか、敵の軍隊の進行方向を歪めて迷わせるとか、敵の軍の後方部隊だけを切り離すとか、相手にしたらかなり厄介な使い方をしている。


 逆に自国の軍にたいしては、食料や武器の輸送量の拡大や移動時間の短縮など前線への人や物資の運搬に役立てられていた。


 成る程、空間を縮めるのはこういう風に使えるのか。今度自分でもやってみよう。


 その後気を大きくした国王は、隣国に頻繁に戦争を仕掛けるようになる。そして、国土をどんどん広げていった。


 しかし戦争で快進撃を続けてはいるが、この魔法には欠点があった。消費魔力が多すぎるのだ。まぁこれだけの魔法だからそうだろうとは思ったが、数十人の術師を揃えて使えるのは1日1〜2回。距離や量にもよりそうだが、そんな程度では数カ所から攻められたら、どうしようもない。


 最後は複数の国から同時に攻められ、国は滅亡したのだった。



 ◻︎ ◻︎ ◻︎ ◻︎ ◻︎ ◻︎ ◻︎ ◻︎


 ……なんというか、わかりやすい内容だったな。19層の時と違って自業自得だから、不快感はない。むしろ今回は使い道の分からなかった空間縮小について活用方法がわかったから、ラッキーだった。


 この空間魔法は、攻撃にも防御にも、そして移動や生活など様々な事に使える便利な魔法だから、活用方法を知ることができたのは大きいな。あとは色々実験をして、効率のいい使い方を探していこう。そう考えながら、オレは魔方陣を後にして、ボス部屋へ向かった。







 その魔物は、最初から部屋の中にいた。正面から見た大きさは体高5m、幅4mほどで、長めの鼻があり口の左右から前方に弧を描くように鋭い牙を生やしている。こめかみの辺りからも2本、角が生えていて、首のあたりには立派な黒い鬣がついている。象の魔物のようも見えるが、象よりは鼻が短く足も短い。


 そして何より、威圧感が物凄い。まだボス部屋の扉を開けただけなのに、部屋の外にまでピリピリとした空気が伝わってくる。緊張した状態で鑑定してみると……


 ダークベヒモス


 と出てくる。ベヒモス、たしかベヒーモスと同じだったよな? 昔やったゲームでは終盤の、ラストダンジョンに出てきたとても強い魔物だったはず。


 よくみると、牙は黒い魔晶牙だし、角も黒い魔晶角だ。ということは、こいつはおそらく闇属性……。闇属性の魔物は魔霧の渓谷以来見てない。もともと少ないのだろう。ボスが闇属性という事は、弱点は光属性……という可能性があるわけだがーーさて、どうするか。


 今まで光属性での攻撃は考えていなかったので、攻撃魔法用の魔道具は無い。今から人工魔晶石を作って魔道具を製作しても良いが、その前に既に持っている魔道具や魔法で倒せるか試した方が良いか。効かなかったとしても、ダークベヒモスの攻撃方法や使う魔法をある程度把握できれば、それで良いしな。


 そう結論を出し、オレはボス部屋へ足を踏み入れた。



 部屋に入り扉が閉まると、


「グルゥゥオオォォォォォ!」


 ダークベヒモスは雄叫びをあげる。そして、オレの体を衝撃が突き抜ける。


「マジか……、雄叫びだけでこんなに凄まじいのか」


 一瞬気圧されていると、ドガァン、ドガァンと轟音を響かせてダークベヒモスが此方へと向かってくる。一歩一歩が重量感があり、踏まれたら一巻の終わりだろう。とりあえず、重量があるのでスピードは無い。ならば、そこを利用して攻略するのが1番いい。


 攻めるなら魔石を狙うのが1番手っ取り早いが、鬣のせいで正面からだとわかりづらい。それとあとは体を確認しておきたい。デカすぎるので現状は顔のあたりだけしか見えず、背中や下半身がどうなってるのかわからない。なのでストーンピラーを使い横へ移動、その後ダークベヒモスの横を通り過ぎながら、観察をする。


 胸のあたり、鬣の陰に黒い魔石を確認。全長は10m弱。足は4本でかなり大きく太い。そして、足の先端に太くて短いが黒い魔晶爪をつけている。背中は特に棘や針などがついているわけではないが、かなり硬くて丈夫な皮に見える。足と胴の長さ的にダックスフンドを連想させるが、雰囲気は全く可愛らしさがない。


 そのまま横を通り過ぎ、後ろへ回り込もうとしてーーストーンピラーで飛び上がる。飛んだオレのすぐ下を太い尾が通過していき、飛ぶために使ったストーンピラーが粉々に砕け散っていく。危なかった。尾は意外と長く早いので、背後に回っても油断できないな。


 オレが一旦距離を取ると、ダークベヒモスはゆっくりと方向転換して此方を正面に捉えてきた。そして角を構えて一気に突っ込んでくる。先ほどよりは早いが全然問題ない。軽くかわして横を通り過ぎる……が。


「なっ、なんだ!?」


 いきなり力が抜ける感じがした。何かされたのか? ある程度距離をとっていたはずだがーー。咄嗟に飛び退きダークベヒモスを見る。どうやら闇属性の魔法を体に纏っているようで、それによってオレの魔力を減少、もしくは吸収したようだ。


 これは厄介だな。魔力を減らされるという事は、接近戦が厳しいと言う事だし、何より問題なのは魔力が感知しづらいというところだ。闇属性は奪う、減らす、吸収すると言った効果があるが、相手の魔力を奪ったり減らしたりする他に、魔力反応自体も減らして感知しづらくしているようだ。


 オレ自身も気配を消すために使っているから出来ても不思議はないが、敵に使われるとかなり厄介だ。幸い失った魔力はそれほど多くはない。だが長引けばこちらが不利になる可能性が高い。なら、一気に攻め立ててみるか。


『茨の庭』(ソーン・ガーデン)


 ダークベヒモスの正面に一瞬で回り直ぐに魔法を発動する。複数の枝分かれしたストーンピラーがダークベヒモスの顔面へと迫り、突き刺さりーーダークベヒモスの顔が驚愕したかと思うと、纏っている魔法の密度が上がり、『茨の庭』(ソーン・ガーデン)は消滅した。



「ーーやっぱり魔法を吸収したのか……」



 『茨の庭』(ソーン・ガーデン)を発動した後、オレは魔力の動きに注意していた。『茨の庭』(ソーン・ガーデン)を発動した時点で、魔法に込めた魔力が少しづつ減っていくのを感じた。そして、減った魔力がダークベヒモスへと移っていくのもわかった。


 この魔法や魔力を吸収するというのがダークベヒモスの能力なのだろうが、おそらくダメージを受けたのは予想外だろう。『茨の庭』(ソーン・ガーデン)のスピードと威力、込めた魔力の量、それらがダークベヒモスの予想を上回った為ダメージを受け、それで慌てて魔法の密度を上げた、という感じだった。


 普通の冒険者が戦うのであれば、攻撃魔法は吸収され、近づけば魔力を奪われる、かなり厄介な相手だ。もし倒すならば大人数で弓などの物理的な遠距離攻撃で倒すしかないだろう。だがそれ以外でも瞬間的に強力な魔法を叩き込めばダメージを与えられることはわかった。


 だが魔法の密度を上げられたままだと、それも出来ない。オレ1人で物理的な遠距離攻撃を行っても、あまり効果は無いだろう。


 何かないかとダークベヒモスを見ると、何故か魔法の密度を下げている。ん? どうして魔法の密度を下げる? このままだとまた『茨の庭』(ソーン・ガーデン)でダメージを与えられるがーー何かあるのか?


 オレはまたダークベヒモスの前に移動して魔法を使おうとした。するとまた魔法の密度を上げてきたので、すぐに距離を取る。オレが距離を取ると、ダークベヒモスは恨めしそうに唸りながらまた魔法の密度を下げる。


 これはーー何か魔法の密度を上げ続けられない理由があるのか? もしかしたらこれが攻略の切っ掛けになるかもしれない。それなら色々攻めてみるか。


 ダークベヒモスと距離を取りながら魔法を放つ。メタルバレットを顔面に向かって放つ。速度に魔力を振った為、ダークベヒモスが気がつく前に顔面に刺さっていく。速度を上げればあの魔法に吸収される前に届くのがわかった。


 だが、刺さった後で吸収されたようで、メタルバレットはいつのまにか消えていた。ダークベヒモスもこの程度の威力では動じないようだ。


 それならと次はメタルバレットを速度を上げたまま連射する。流石に数が多いとダメージが大きいと思ったのか、纏っている魔法の密度を上げて来たので、直ぐに魔法を止める。


 こちらが魔法を使っている間も、ダークベヒモスは距離を詰めようと迫ってくるが、いかんせんスピードが遅いので、難なく距離を取ることに成功している。


 体当たりしかしてこないところをみると、おそらく他に攻撃手段が無いのだろう。まぁ近づいただけで相手の魔力を奪えるし、大概の魔法も吸収してダメージを受けないんだろうから、必要ないといえばそうなんだろうが……。


 メタルバレットを撃ち、正面へ回り込み『茨の庭』(ソーン・ガーデン)を放つ。するとやはり魔法の密度を上げてきたので、吸収される前に魔法を消して距離を取る。


 そんな事を繰り返していると、ダークベヒモスに変化が出てきた。纏っている魔法の密度が減少ーーと言うか、ダークベヒモス自体の魔力がかなり減ってきているのだ。それに伴ってダークベヒモス自身の身体も一回り小さくなっている気がする。


 そうか、おそらく魔力を吸収する魔法は消費魔力も大きかったのだろう。だから魔法の密度を上げっぱなしに出来なかったのか。なら今の状態なら倒せるか?


 少し迷ったが、倒すなら早い方が良いだろう、と言う結論に達したので、正面へ回り込み『茨の庭』(ソーン・ガーデン)を発動する。そして、魔法が吸収されないのを確認して、剣状にした圧縮フレイムピラーで魔石を破壊する。


 ダークベヒモスは魔石を破壊されても、のたうち回っていたので少し距離を置いていたのだがやがて動きが止まり、

 そしてーー黒い粘液を吐き出してきた。



「なっ! しまっ!」



 身体にまとわりついた粘液は、オレの魔力を徐々に奪っていく。魔法を使って剥がそうとするが、魔法が発動する前に粘液に魔力を吸収され剥がせない。すると、


「グルルウゥゥゥゥ」


 嬉しそうな声を響かせながら、ダークベヒモスが近づいてくる。バカな! 魔石を破壊したのに生きていられるのか?


 魔石のあった場所を見てみると、砕かれた魔石の中に更に黒い、漆黒と言うべき黒くて丸い魔石が無傷で顔を覗かせていた。



「2つの……魔石……」



 そんな話は聞いていない。魔石は魔物に1つしか無いんじゃないのか? だが今、そんな事を言っても意味はない。事実目の前のダークは魔石の中に魔石が入っていたのだから。


「グルルウゥゥゥゥ⤴︎」


 どうする!? 何か、何かないか? オレが考えている間に、ダークベヒモスはオレの魔力を吸収し始める。徐々に身体から力が抜けていく。


 何か、闇の魔法に、魔力を吸収する魔法に対抗できる物は? アイテムでも魔法でも何か……何か……。


 オレは力が抜けていき、朦朧とする頭で必死に考えた。

 何か、闇の魔法に、吸収する魔法に……。


「ーー!?」


 そうか……そうだ……、そうだよな。


 オレは途切れそうな意識を繋ぎとめ、魔晶石を取り出し魔力を回復する。こんな状態でも魔法庫は使えて良かった。そして、前にシャドウウルフの牙で作ったナイフを取り出す。そのナイフを纏わり付いている粘液に刺すと、粘液は魔力を失い消滅する。どうやら魔力で作られた物だったらしい。


 徐々にダークベヒモスに吸収される魔力が減っていき、やがて拮抗する。そんな状況にダークベヒモスは驚き固まっている。


 そう、魔力を吸収されるんなら、こっちも同じように魔力を吸収してやれば良いんだ。奪われたら、その分奪い返してやれば良かったんだ。


 まぁ、かなり危なかったし、今までで1番命の危険があったわけだがーー何故だか気分が高揚している。それは危機を乗り切ったからか、それとも土壇場でより強い力を手に入れたからか……。


 だが、これで魔力を吸収するしか出来ないダークベヒモスは、勝ち目が無くなったわけだ。かなり魔力を吸収されたが、それはこれから返して貰えば良い。オレは更に魔法に魔力を込める。


 今度はダークベヒモスからオレに魔力が流れてくる。この魔法は便利だな。消費魔力がかなり大きいと思ったが、それほどでも無い。おそらく元は身体全体を覆う魔法だから、巨大な身体を持つダークベヒモスでは消費魔力が大きかったんだろう。


 オレはシャドウウルフのナイフを媒介に、相手の魔法にナイフを刺して吸収しているから消費魔力は少なくて済む。これが終わったら、魔法吸収専用の魔道具を作っても良いな。


 徐々に回復していく魔力を感じながら、そう考える。ダークベヒモスは逆に魔力がどんどん減っていき、後ずさっていく。オレはそれを追い詰めるように距離を縮めていく。


 やがてもう逃げられないと悟ったのか、ダークベヒモスは上体を起こし爪で切りつけてきた。それを躱して飛び上がり、漆黒の丸い魔石へとナイフを突き刺す。


 その後念の為距離を取ると、ダークベヒモスの巨体は崩れ落ち、サラサラと魔力や魔素へと分解されていった。



「ふぅ〜」



 軽く息を吐き、その場へ座り込む。死ぬかと思ったのに前ほど恐怖を感じなかった。フレイムカイザーと戦った後は不安や迷いもあったはずだが、こういう命のかかったやり取りに慣れてきたんだろうか?


「これも『適応能力』の影響なのかね」


 オレがこの世界に来た時に、おそらく女神からもらったスキル。てっきり魔法や環境、ほかのスキルに対して適応出来る能力だと思ってたんだが……。もしかしてら、今回のように精神的にも効果があるのかもしれない。


 まぁわからないことも多いが、便利だから良いか。それよりも宝箱だな。今回の宝箱は、今までよりふた回りくらい大きい。開けて中を確認してみるとーー


 まず、3mもある闇の魔晶牙が2本。そして、同じく3mの魔晶角も2本。魔晶爪はオレの腕くらいの大きさのが8本。前足の分だけなんだろうか?


 そして、ベヒモスの皮がかなり大きく8×4mくらいなので胴の部分だろう。肉は200kgでかなりの量。


 壺シリーズからはアンチドートの壺、魔力を込めて貯めるとアンチドートが生み出される壺だ。そして、アイテムリング、魔法庫と同じ効果を持つ腕輪だ。今までのアイテムバック類は魔力庫と似た効果だったのに、これは魔法庫と同じ効果だ。つまり、最大魔力の量によって容量が変わるが、魔力が減っても容積は減らないし、時間も経過しない。



 そして最後に、巨大な闇の魔石とーーふた回り小さい闇の魔石核。どうやらダークベヒモスの2つ目の魔石は魔石核と呼ぶらしい。鑑定では


 ダークベヒモスの魔石核

 ーー魔石に魔力がたまり、魔力の密度が高くなった部分 魔石より強い力を持つ


 つまり、アレは魔石の中で生まれた魔石だったということか。別に2つある訳じゃなかったんだな。


 以上で宝箱の中身は終わりだ。今回は、今までみたいに武器や防具は出てこなかった。何か理由があるんだろうか?


 まぁとにかく、オレの予想が当たっていれば、これで大迷宮の攻略は終了のはずだ。もし本当にこれで終わりなら、後はどこかで一休みしてから、地上に戻ろう。


 オレはそう思い、ボス部屋の奥の扉を開ける。



 するとそこにはーー下へ向かう階段があったのだった。



「……まぁ、人生そう予想通りにはいかないよな」










お読みいただきありがとうございます。

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