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天 落 者  作者: 吉吉
第1章 異世界転落
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ジョブとスキル

スキル説明回です。


えーと……どうしたらいいんだろうか。


私はいまエリーゼ姫と絶賛2人きりだ。

私が寝ていた白い部屋のテーブルに向かい合って座っている。

メイドのエルさんが、


「では、何かお持ちいたします。しばらくお待ちください」


と言って、立ち去ってしまったからだ。

いいのか?一国の姫をよくわからない中年男性と2人きりにして。

国王や大臣、姫様がいることから、ここは城内みたいだし、だがら大丈夫なのかもしれないけど。でもなんかこっちの方が緊張するな。

というか、女の子とふたりきりなんて、何年、いや十何年ぶりだろうか?


とりあえず、何か話さなければ。


「えーと、エリーゼ姫からは何を教えていただけるんですか?」


「え、あの、私は結界師というジョブと結界魔法と言うスキルを持っているので、魔法のことは勉強しています。あとは、この国のことでしたらお教えできます」


「結界師?ジョブにスキル?それに魔法って……」


もしかして、この世界はファンタジーのような夢と冒険と魔法の世界なのか?

……そういえば、大臣も言っていたっけ?過去に凄い魔法を使えた人がいたって。さっきは目が覚めたばかりで、よくわかってなかったけど。

とりあえず、ジョブというのはおそらく職業みたいなものだろう。しかし、結界魔法とスキルについてはきちんと確認しておいた方がいいな。


「この世界には、魔法やスキルというものがあるんですか?」


「えっ?もしかして、ヨシキ様の世界には魔法やスキルが無いんですか?」


「ええ、私の世界では魔法はありませんし、スキルといっても、『〜が上手い』とか『すごい技術を持っている』とかで使われることはありますが、結界魔法というような明確な名前では使われないですね」


「そうなのですね……。ではまず、スキルからお教えいたしますね」


「はい、是非よろしくお願いします」


この国の情報も気になるし必要だが、どうしてもスキルや魔法の方に興味が引っ張られてしまう。ゲームや漫画好きの性というやつか。


「スキルというのは、その人が持っている能力や技能を表したものです。大きく分けて、一般的にスキルと呼ばれているものと、ジョブと呼ばれているジョブスキルがあります」


「ジョブスキル?」


「はい、ジョブスキル、つまりジョブというのは、その人の能力を大きくとらえたもので、例えば戦士というジョブなら、戦うことに関する能力や技能を持っているということで、魔道士なら魔法に関するものになります。他にも商人なら商売に関するものになりますし、農作師なら農業に関する能力や技能になります」


なるほど、戦闘系のジョブだけじゃなく、商売や農業的な非戦闘系のジョブもあるんだな。

ということは、ジョブ=職業になるのか?そう思って聞いてみると、


「いえ、ジョブをそのまま職業にしてる方も多いですが、職業はご自身で決めるものですので、ジョブ通りではなくてもかまいません。スキルもそうですが、ジョブも本人の努力で新しく獲得できますので」


スキルやジョブは自分で手に入れることが出来るのか。


「例えば、戦士の方が努力で魔法のスキルを手に入れた場合、戦士でも魔道士でもなく、魔法戦士を名乗ることができます。ただ、スキルが無いのにそのスキルか必要な職業を名乗ると、罰せられますのでご注意下さい」


「罰せられる?」


「はい、武器を扱えないのに戦士を名乗ったり、攻撃魔法を使えないのに魔道士を名乗ったり、商売スキルを持ってないのに商人と偽ったりすると、罰金が発生したり、ギルドを利用できなくなったりします」


なるほど、つまりいろいろなスキルがあれば、様々な職業名を付けられるのか。賢者とかもありかな?


「次にスキルですが、こちらは剣技術や槍技術といった武器の扱いを表すスキルであったり、火魔法や水魔法といった使える魔法を表すスキル、他にも調理や裁縫といった生産系のスキルがあります」


「ちなみに、そのスキルが無いと剣や魔法が使えなかったり、調理や裁縫が出来なかったりするんですか?」


「いえ、スキルがあるということは、一定以上の能力があるという証明みたいなものですから、無くても剣や魔法も使えますし、調理や裁縫も出来ます。そして、ある程度の技量になるとスキルが手に入る、という形になっています」


つまり、努力して一定以上の能力になるとスキルが手に入る、ということか。


えーと、覚えきれるか?とりあえずまとめてみると、


・ジョブはその人の大まかな能力を表す

・ジョブを職業にしなくてもいい

・自分のスキルから職業を決められる

・スキルは努力で手に入る

・スキルが無くても、何も出来ないわけじゃない


こんなところか。


「あと、」


まだあったか


「スキルが増えると、ジョブが手に入ります。剣技術や体術など戦闘系のスキルからは『剣士』や『戦士』などの戦闘系ジョブが、魔法からは『魔道士』や『治癒士』などの魔法系のジョブが手に入ります」


「ありがとうございます。一度で覚えきれるかわかりませんが、なんとなくわかりました」


と、丁度話しの区切りがいいところで、コンコン、とノックの音が響いた。メイドのエルさんが戻ってきたようだ。


「遅くなって申し訳ございません。軽食と紅茶をご用意いたしました」


「あ、ありがとうございます」


丁度よかった。緊張して喉がカラカラだったところだ。話を聞くだけとはいえ、やっぱり女の子と2人っきりというのは緊張する。


「それで、なにをお話しになられたんですか?」


エルさんが、紅茶をティーカップに注ぎながら、エリーゼ姫に聞いている。


「はい、スキルについて説明させて頂きました」


エリーゼ姫は楽しそうに報告している。


「そうでしたか。ヨシキ様、姫様の説明はいかがでしたか?」


「はい、とてもわかりやすく説明していただけましたよ。」


私は無難にそう答える。そして、


「ちなみにエルさんはどんなジョブやスキルを持っているんですか?」


「私ですか?私は今は職業はメイドで、持ってるジョブはメイド、魔道士、教師ですね。スキルは礼儀作法と教育、風魔法と水魔法を持っています。」


「教師?それに教育?」


「はい、以前は魔法学校で教師をしていました。そこからスカウトされて、姫様付きの教師になり、それからいろいろあって、メイドをさせていただいております。」


いろいろ?気になるけど、あまり聞かない方がいいか。プライベートな事だったら失礼だし。そう考えてるうちに、紅茶とサンドイッチが目の前に置かていった。


「あれ?エルさんは召し上がらないんですか?」


「はい、メイドという立場上、それはできませんので」


なるほど、そういうものなのか。でも人に見られながら食事をするのは、なんか緊張するな。



そんな緊張も、美味しいサンドイッチと紅茶のお陰で薄れ、食べ終わる頃にはかなり落ち着いていたのだった。











次回、魔法説明回です。

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