大迷宮からの帰還
オレが少し休んでいると、アヤトがやってきた。
「あ、あの、スイマセンでした!」
「気にすんな。まぁ、今回は誰も死ななかったしな。だが、次からは気をつけろよ? 下手したら自分や仲間の命が失われるんだからな」
「は、はい!」
アヤトは返事をして仲間の元へ戻る。そして、みんなに謝っている。しかし、仲間の命、か。友達や仲間がいないオレが偉そうに言える事じゃ無いよな。まぁ、嘆いても仕方がないんだけどな。
「それじゃ、そろそろ中身を確認するか」
「おい、もう良いのか?」
「あぁ、いつまでもここに居ても仕方がないだろ? それにまた魔物が出てきても困るしな」
実際は体調は全く悪くないし、魔力もそんなに減っていない。たが、これだけの大魔法を使って平然としていると絶対に怪しまれるから、わざと疲れた振りをしただけだ。
さて、なにが出るか。200匹以上の魔物を殲滅したんだから、きっとかなり良いものがあるはずだ。倒した魔物の魔力や魔素が宝箱に集まっているのも確認してるしな。オレは宝箱に手をかけ開けようとして、
「……ところで、こういう宝箱って罠とか無いんだよな?」
「そうだな、これくらいの低層なら無いはずだぞ?」
と言うことは、深層にいけば宝箱に罠があるって事か。取り敢えず警戒しておくに越した事は無いな。
オレは慎重に宝箱を開ける。すると中には今まで手に入れた物よりも、小さくて薄いウエストポーチのような物と、掌に収まるくらいの黄色い球とオレンジの球が1つずつ入っていた。
アイテムバッグ 5/5
ーー物を沢山収納できるバッグ。容積125㎥
記録石 4/5 記録量 多
ーー持っている人の見たものを記録出来る。また、その記録を見ることが出来る
記憶石 4/5 記録量 多
ーー持っている人の記憶や動きを記録出来る。またその記録を見て、感じることが出来る
おお、最高レベルのアイテムバッグだ。容量が125ってことは5×5×5mって事か。こんだけ広いと小さな小屋ぐらいなら入りそうだなーーそうか、そう言うのもありか。
記録石と記憶石は名前が紛らわしいな。黄色い方が記録石で、オレンジが記憶石か。記録石の方は体の外で、記憶石の方は体の内側を記録出来るって事で良いのか?
まぁ、かなり良いものが手に入ったな。これなら国王様への献上品として十分か?取り敢えず魔法庫へしまっておくか。
「はぁ〜、ホントになんなんだよ。下手したら、今日1日で一生遊んで暮らせるだけの金が入るぞ?」
「おいおい、なんでこんなにレアアイテムが出てくんだよ」
「呆れてものも言えないわ」
「なんかズルイ〜」
ゼットの士気がダダ下がりだ。確かにレアアイテムが何度も出てくればそうなるのか。逆にエースは
「スゲェ……」
「私たちも頑張れば……」
「もっと強くならなきゃ」
「俺もだ……」
何故がやる気が出ている。そんなくだらない話をしていると
ズゴゴゴゴ
と部屋の扉が開く。なるほど一定時間経たないと扉は開かなかったのか。オレたちは部屋を出て、ボス部屋を目指して歩き始める。
「なぁなぁ、ホントに大丈夫なのか?」
「そうね、あれだけの魔法を使ったんだから、あまり無理はしない方がいいわよ?」
エゾとイザベラが心配して声をかけてくれるが、全く問題ないんだよな。だがここは怪しまれないようにした方が良いよな?
「あぁ、体調は大丈夫だ。ただ、魔力が回復するまでちと厳しいから、戦闘は任せても良いか?」
「ええ、ザインが頑張るから大丈夫よ」
「俺かよ? ま、ピンチを助けてもらったんだ。ここは任せておけ」
「大丈夫です。俺たちもいますから!」
ザインが頼もしい事を言ってくれたあと、エースのメンバーもやる気を見せてくれる。
「それにしても、スゲェ魔法だったな!」
さっきの魔法を思い出したのか、エゾが興奮気味に話しかけてくる。
「そうね、地属性であそこまでの広範囲の魔法なんて初めて見たわ」
「そうだな、あれは使われたら終わりだな。使われる前に倒すか、効果範囲外から攻撃しなくちゃ対処出来ないな」
「ん〜、もしかして〜オリジナル?」
「あぁ、と言ってもまだ完全にモノに出来てないから、専用の魔道具がなゃ撃てないがな」
そう、まだ魔道具無しでは使えない魔法だ。多分何回か使えば出来るようになると思うのだが、いかんせん実戦で使う機会がない。魔物に使うと素材が全滅するからな。
「じゃあ、その魔道具見せて〜」
「断る。こういう奥の手は、本来秘匿するもんだろ?」
「ケチ〜」
一応リザは魔道士だから、こういうのは気になるのか。まぁだからと言って、おいそれと見せるわけにはいかないが。
「そういえば、もしお前らがモンスターハウスに当たった場合はどうするんだ?」
参考までに、ゼットがモンスターハウスに当たった場合どうするか聞いてみたが、守りを固めて持久戦に持ち込むそうだ。角に行き、ザインとエゾが魔物を倒し、イザベラが回復と強化を受け持ち、リザが魔法で援護する。そうやって、過去に切り抜けた事があるそうだ。
そうなると、やはり治癒士がいるのは大きいな。戦闘中にポーションを飲んでる暇は無いだろうし。それに、無理にモンスターハウスに入らないって事も必要だ。まぁ、オレには関係ないが。
そういえば、モンスターハウスの魔力は遠くから察知出来なかった。改めて周りに集中してみるが、やはり魔力や魔素は目視でしかわからないようだ。魔物として具現化していれば感じ取る事が出来るんだが。
そして、戦闘を繰り返す事数回。やっとボス部屋の扉の前へたどり着く。
「それじゃ、俺たちはこれで!」
アヤトたちエースのメンバーとはここでお別れということになった。
「大丈夫なのか?」
「はい、無理はしません。仲間の命がかかってますから」
モンスターハウスで、仲間と自分の命が危険にさらされた事で、少し変わったみたいだな。あのままだったらあの馬鹿と同じになるかもしれなかったが、これなら大丈夫だろう。
「皆様もお気をつけてつけて下さい」
最後にアクアが礼をして、エースのメンバーは去っていく。
「さて、オレも行くか」
オレはボス部屋の扉に手をかけ、開けようとするが、
「ちょっと待て。今回は俺たちも同行するぞ」
「は?いきなりどうした?」
「おいおい、何言ってるんだ?あんだけの魔法を使ってから、まだそんなに立ってないだろ?万が一の事があるかもしれねぇじゃねぇか」
「そうだよ〜、あれだけの魔法なら半日は動けないか〜、しばらく上手く魔法を使えなくなる事もあるんだよ〜?」
「と、言うわけで、私たちも付いて行くわ」
マジか。心配してくれるのはありがたいが、逆に戦いづらいな。それに、アイテムの分配はどうするんだ? オレがその事を言うと、
「じゃあ、危なくなったら手を貸すって事でどうだ? 問題ないようだったら、手は出さないしアイテムも要らない。手を貸した場合はその時決めよう」
まぁ、それで良いか。それで妥協して、ボス部屋の扉をくぐる。中に入ると、ゴブリンが10匹、ゴブリンアーチャーが2匹、ハイウルフ5匹、ジャイアントバットが2匹。
やはり最初の方の層は弱めの敵複数に囲まれた時の試練って感じなんだろうな。取り敢えず今回は、魔力をあまり使わずにやってみるか。
まず、いつも通りハイウルフが先に来るが、スピードに個体差があるのか僅かに差が生まれている。だから先頭のハイウルフが迫ってきたのに合わせてこちらから向かい、顎を蹴り上げる。後ろにいた2匹が巻き込まれるが、その横から他の2匹が来る。それをかわしながらすれ違いざま首をナイフで斬る。あとは、同じように体制を立て直して襲ってくるハイウルフをすれ違いざまに斬っていく。
ゴブリンは遅いから、飛んでくる矢とジャイアントバットをかわしながら始末していく。そして、ジャイアントバットを仕留め、遠くのゴブリンアーチャーは矢をかわしながら近づき仕留める。
やはり、魔法を使わない分少し遅いな。1分ぐらいかかったか。
すると、やはりまた魔物が現れ、連戦することに。同じように倒すこと計3回、宝箱が現れる。
「ホントに連続で魔物が出てくるんだな」
だが今回は3回だ。これは人数が増えたからか、それとも倒すのが遅かったからか……。
ちなみに宝箱の中はゴーレム粘土だった。
そのまま4層目も順調に進み、ボスも楽々クリア。ボスは3層のボスにゴブリンウォーリアが加わっただけだったので、苦戦はしなかった。ここもゼットがいたせいか3戦で、宝箱は同じゴーレム粘土だった。
そして5層目、ここは少し違うらしい。
「ここの層のボスは今までと違って、かなり強い大型の魔物だ。大体この層までが初心者用って感じだな」
ということは、ここをクリア出来れば、初心者卒業という感じか。敵も、武器を持ったゴブリンウォーリアや、遠くからゴブリンアーチャーが矢を飛ばしてきたりと、意外と面倒臭い。が、苦戦することはなく、そのままセーフティールームへ。
「今日はここまでにして、ここで仮眠を取ろう」
ザインが指示を出し、軽く食事をして休む。もちろん今日は保存食だ。
「黒猫、あんたは今日は見張りはいい」
「ん? どうしてだ?」
「あんだけの魔法を使ったんだ。今日は休んで魔力の回復に当てた方がいい」
ザインはちょっとぶっきらぼうに言ってきた。
「フフっ、ザインはね、感謝してるのよ」
「お、おい」
「あの時私達だけなら持久戦に持ち込めば、制限時間までなんとかなった。でも、あの子たちは守れなかったかもしれない。でも、貴方が助けてくれたから、全員無事でいられた。そのことに一応感謝してるのよ?」
「いや、あいつらは俺たちと同じように孤児院出身だったからな。ちょっとなんとかしてやりたいって気持ちはあったから……」
そのままザインは黙り込んでしまう。まぁ、それならありがたく休ませて貰うか。
「わかった、じゃあ今回は休ませて貰う。ありがとな」
そう言うと、みんな頷いてくれる。オレはグラスボアの毛皮を敷き横になる。起きたら5層のボス戦で、6層に着いたら一旦戻るか。ゼットのメンバーと共闘も楽しかったが、やはり1人の方が気が楽だ。今までずっとボッチだったからだろうか?
取り敢えず、たまにならパーティーを組むのも悪くはないと言うことだけ覚えておくか。
そして休んでいると、案の定イザベラとリザがオレのところに来る。まぁ、しょうがないか。そういえば、女の子がすぐ近くにいるのに、オレは何にも感じないな。ドキドキもムラムラもしない。
イザベラは金髪の美人系の顔立ちだし、リザは水色の髪でおっとりしたところはあるが、愛嬌のある顔立ちだ。だが何も感じない。はぁ、歳のせいか心まで枯れたのかねぇ。まぁ2人もオレのことを異性として見てないようだから、まぁいいか。オレはそのまま周りの気配を感じながら、意識を落としていく。
起きた後、オレたちはまたボス部屋へと進んでいく。オレは十分に回復した事にしたので、遠くのゴブリンアーチャーはストーンバレットでサクッと倒していく。ゴブリンアーチャーは近づくと距離を取ろうとするから、面倒なんだよな。
そして、ボス部屋の前に辿り着く。
「んじゃ行ってくるぜ」
「ホントに一人で大丈夫なのか?」
「あぁ、魔力も回復してるし、何よりレアアイテムの条件が、人数だったら勿体ないだろ?」
ということで、今回はオレ一人で戦わせて貰う事にした。さて、何が出てくるのか。ザインの話だと大型の魔物って事だったな。きっと、パーティーで連携して強い魔物を倒すための試練って感じだろうか?
中に入ると、魔物が具現化していく。これはーー
ミノタウロス
牛頭人身の魔物で身長は3mを超えている。その身長と同じぐらいの巨大な長斧を持っていて、体は筋骨隆々だ。
さて、どうやって倒すか……。取り敢えず、あれを使ってみよう。オレは武器を構え、ミノタウロスに近づく。すると、
「ウォォォォォ!」
と言う叫び声を上げたので、すかさず攻撃。放った強い風の力を宿した矢は、そのまま魔石へと吸い込まれ、魔石を破壊する。
「…………一撃かよ?」
その後、また出てきたので同じように倒す事5回、宝箱が出てくる。矢が勿体無かったか?まぁ、いいか。オレは宝箱を開ける。中には、
黒牛の霜降り肉 サーロイン
ーー黒牛の肉の中で一番高価な部位
魔晶石 3/10
ーー魔石が更に結晶化したもの。魔力を蓄えることが出来る
牛の魔物だけに牛肉か……。黒牛って黒い牛ってことだよな?たしかに美味しそうだし、20kgはありそうな塊だが、アイテムの方が良かったな。まぁ食べてみたら、考えが変わるかもしれないが。
魔晶石は、魔力を蓄えることが出来るってことは、充電池みたいな感じなのか?魔石は中の魔力を使うと小さくなり、最後は消えてしまうが、何度も魔力を込めて使えるなら便利だな。まぁ、後で調べるか。
さて、思った以上に早く終わってしまったが、ほかのアイテムが欲しいな。これってもう一戦とか出来ないか?
オレは一旦部屋を出て扉を閉め、一呼吸置いてからまた部屋に入った。すると、
「おっ、また出てきてくれるのか!」
律儀にミノタウロスが出てくれたので、また戦う事にした。今度は矢が勿体無かったので、ストーンバレットを超高速で撃ってみた。100mぐらいの距離があれば矢の方がいいんだが、10mぐらいの距離ならこれで大丈夫だろう。
案の定、一撃でミノタウロスを撃破し、それを5回繰り返す。宝箱から出てきたのは、
魔晶石 4/10
ーー魔石が更に結晶化したもの。魔力を蓄えることが出来る
ゴーレム粘土の壺
ーー魔力を蓄え、魔力が一杯になるとゴーレム粘土を生み出す壺
魔晶石は一個上のランクだな。ゴーレム粘土のは、魔力でゴーレム粘土を無限に生み出せるのか?まぁ、どのくらい魔力を使うかにもよるが、ゴーレムを作るならかなり役にたちそうだ。
取り敢えずこれで満足したから次の層へ行くか。ゼットも待ってるだろうし。
「おっ、来たか。どうだった?」
「あぁ、まずまずだな」
取り敢えず、最初にドロップしたらアイテムを見せる事にした。魔晶石の価値がわからないから、2つもあるとマズい可能性があるからだ。
「これは……」
が、みんな肉に食いついている。
「なぁ、これは凄い肉なのか?」
「え?ええ、そうよ。一般的な茶牛よりも高価で場合によっては5〜10倍の値段になるわよ」
「霜降りサーロインって鑑定では出るんだが?」
「サ、サーロインだと!」
エゾが叫ぶ。
「サーロインってあれだろ? 牛肉のなかで一番美味いって言われてるヤツだろ?マジかー」
「で、どうすんだ? 食うのか? 売るのか?」
「一緒に食べよ〜」
全員が食いつく。やっぱ孤児院出身だから高価な肉は憧れなんだろうか?
「じゃあ、またセイブンさんとこで食わせて貰うか。オレはまた泊めて貰うしな」
「「「「異議なし!」」」」
と言う事で、黒牛のサーロインはセイブンさんとこに持っていく事に。
「ちなみにこの魔晶石ってのについては知っているか?」
「お〜凄い〜。これは魔力を貯めておけるやつだよ〜。余裕がある時に貯めておいて、必要な時に取り出せるんだよ〜。たしか、ゴーレムにも使えたはずだよ〜」
やはり魔力の充電池みたいなもんか。結構使えそうだな。
さて、初めての大迷宮にしてはなかなかいいものが手に入ったな。それじゃ帰るか。
「そういえば、6層からは地上へ戻れるんだよな?」
「いや、正確にはどの層からも戻れる。ただ、地上から降りられるのが6層11層16層だけだ」
そうだったのか。魔物やアイテムのドロップの方を優先して調べてたから気づかなかった。なら途中の層でリタイアする事も可能なのか。
「今いるような、階段を降りてきた部屋に必ずこの水晶があるから、ギルドカードを身につけてこれに魔力を流せばいい。カードを身につけてないと反応しないから気を付けろよ?」
「へぇ、ギルドカードってのはかなり便利んだな」
「いや、正確には最初は迷宮の為にカードがあって、そのシステムを冒険者ギルドが利用させてもらっている感じらしいな」
そうなのか。元々迷宮の為にカードが存在していたのか。おそらく試練を利用しやすくする為に、神々が構築したシステムなんだろうな。そのカードを使ったシステムを冒険者ギルドが活用していると言うことか。
「ちなみに、途中の層で地上に戻った場合でも、その層には戻ってこれないからな」
「つまり今回の場合だと、6層より前に地上に戻ったら、最初からって事か?」
「あぁ、だから一気に6層まで来れる実力があれば、初心者から卒業って感じだな」
なるほど、数日間の継続戦闘が出来なきゃいけないから、それができれば初心者卒業か。ホントに試練としてよく出来ている。
地上に戻ってきたオレたちは、取り敢えずアイテムの売却をする。レアアイテムは残しておきたいので、ポーションやハイポーションを少しだけ残して売却した。
そして、セイブンさんの店へ向かおうとしたのだが……。
「先に迷宮ギルドに報告をしなきゃいけない」
ザインがそう言いだした。なんでも、迷宮内でいつもと違うことが起きた時は報告した方がいいらしい。なんか面倒だな。
そして、受付でいつもと違うことがあったと告げると、
「少々お待ちください」
と言われ、その後奥へ通されてしまった。
「はじめまして、私がビネス大迷宮の迷宮管理部部長のラースです。なんでも、いつもと違う状況があったとか?」
ここの一番のお偉いさんか。面倒にならなきゃ良いんだが……。
「ええ、実はこの黒猫が……」
ザインは説明をし始める。ていうか、オレを黒猫って紹介するな。だが仕方ないので、オレも合わせて補足を入れる。
「成る程、つまり各層のボスで連戦が起き、通常より質のいいアイテムが手に入った、という事ですね?」
「あぁ、そういう事だ」
「もしよければそのアイテムを見せて頂けませんか?」
「あぁ、構わない」
オレは魔力庫と偽っている魔法庫からボス戦で手に入ったアイテムを出す。
「アイテムバッグですか……。しかも黒猫さんは魔法庫を使えるのですね?」
「は?」
突然の質問に、咄嗟に答えが返せなかった。
「何の事だ?」
「いえ、アイテムバッグは魔力庫と同じ効果を持っています。なので、魔力庫の中には入れられないんですよ。ですが魔法庫ならアイテムバッグを収納出来るので、魔法庫待ちかなと思ったんですが……」
『ゼット』のメンバーの視線がオレに刺さる ーー これはどうしたらいいんだ?
お読みいただきありがとうございます。




