表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天 落 者  作者: 吉吉
第1章 異世界転落
14/87

生活魔法と魔力

「あの、大丈夫ですか?」


エリーゼ姫が、俺の顔を覗き込んできた。


「ええ、大丈夫です。ちょっと体がダルいだけですから」


俺はテーブルの上に突っ伏したまま答えた。


「魔力の使いすぎですね。魔法を覚えたての人によくあることです。自分の魔力の限界値がわからないために魔力を使いすぎてしまうんです」


「なるほど〜」


真面目に答えようとしたんだけど、上手く声に力が入らない。


「魔力自体は使えば増えていくものですし、自分の限界値も魔法を使っていけば、感覚的に分かってくるので問題ありません」


「わかりました〜」


やっぱり力が入らない。激しい運動をした後のような感覚に近いだろうか?

まあ、一応基本的な生活魔法は使えるようになったから、いいか。あとは魔法を使って魔力を増やすことと、限界値を把握することか。


ちなみに基本的な生活魔法は、


火→火をおこすことと温めること


水→水を生み出すことと液体を動かすこと


風→風を起こすことと気体を動かすこと


土→土を生み出すことと個体を動かすこと


と言っても攻撃魔法のような力はなく、自分の身の回りで使う程度だ。それでも組み合わせて使うと便利なものもあった。

水を作りそれを温め体を拭くのに使ったり、風を温め濡れたものを乾かしたり、水と土を操って硬いレンガを作ったり出来るそうだ。

また適性が高い属性だと、銭湯などで大量のお湯を温めたり、石の塊から石像や食器を作ったり出来るらしい。


自分で食器を作れるなら、店をやる上で便利だな。是非できるようになりたいものだ。


そんなことを考えていると、


「ふぅ」


と声が聞こえた。エリーゼ姫が一息ついたようだ。


「大丈夫ですか? エリーゼ姫」


「はい、なんとか」


エリーゼ姫は生活魔法が不得意だと言っていたが、風と水はなんとか使えるようになってきたらしい。俺と違って魔力があるから、俺より練習してるのに魔力が尽きていない。


「思ったより魔力は使わないんですけど、まだ結界を張っている方が楽な気がします」


そういえば結界師って言うスキルを持っているんだっけ。


「その結界というのは、魔法とは違うんですか?」


「あ、はい。結界は結界師の固有のスキルで、魔力を使いますが魔法とは違うと言われています」


「どんなことが出来るんですか?」


「えーと、例えば魔物に襲われた時に身を守ったり、魔法を防いだり、雨や風を防いだり出来ます。あとはお母様がしていたのですが、水中に入る時に濡れないようにも出来るみたいです」


ということは、物体の侵入を防ぐバリアみたいなものを作れる感じかな?それに、『お母様がしていた』ということは、母親と同じスキルを持っているということか。


「お母様が、と言うことは、スキルは親から受け継ぐものなんですか?」


俺が疑問に感じて聞いてみると、エルさんが答えてくれた。


「はい、大体半分くらいの確率で親のスキルやジョブを受け継ぎます。ですが全く違うジョブを持って生まれてくることもあるので、絶対とは言えないのですが」


「なるほど、ということはこの国の王妃様も結界師なんですね?」


「あっ!」


「えっ?」


なんかエルさんが「しまった!」って顔をしている。エリーゼ姫も寂しそうに目を伏せている。

もしかしたら俺は、地雷を踏んでしまったのかもしれない。どうしよう……。


しばらく沈黙が続いたあと、エリーゼ姫がポツリと語り出した。


「私は……王妃様の子供ではないんです……」


あぁ、やっぱり地雷だったか……。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ