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天 落 者  作者: 吉吉
第1章 異世界転落
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転落の人生

小説を読むだけでなく、書いてみたくなったので、書き始めました。オーソドックスなファタジー物になる予定なので、よろしくお願いします。


「ふぅ……」


 私は深くため息をついた。

 アラフォー、独身、彼女無し……

 さらに勤務先が潰れ、転職も失敗続き、住んでるボロアパートも建て替えのため、明後日までには出ていかなければならない。

 安月給だった為、引っ越しする金も無く、頼れる人間も居ない。


 厄年ってのは、本当に厄が来るんだな、そんなくだらないことを考えながら、灯油の匂いが蔓延した部屋に座る。


 ライターを持つ手が震える。

 部屋の中には、好きな漫画とちょっとの思い出の品、あとはゴミと、赤いポリタンク数個。


「ははっ、本当につまんない人生だったな……」


 自虐的な笑いがこみ上げてくる。

 もう、何もないしどうしようもない。

 というか、もうなにもかもどうでもいい。


 私は、震える右手を左手で抑えながら、ライターに火を着けた。


 そして、目の前がオレンジ色に染まった……



 □□□□□□□□□□





 気がつくと、私は暗い空間に居た。と言うか、暗い空間に浮かんでいた。


 全身が痛い。

 なんとか頭を動かして身体を見ると、全身が酷い火傷状態だ。特に両腕がと右足が焼けただれて酷いことになっている。


 そういえばTVで見た幽霊特集なんかに出てくる幽霊は、死んだ時の状態で出て来てたな。頭から血を流したり、下半身が無かったりしてたっけ。死に方を間違ったか……


 と、痛みが酷いのに以外と冷静に考えられる自分に気づく。

 死んだんなら安らかに眠らせてくれればいいのに……


 そんな、くだらないことを考えながらあたりを見ると、光の玉のようなものがいくつか輝いて見える。ふと、後ろを見ると、一本の巨大な樹のようなものが天へと伸びている。

 よく見てみると、その樹のようなものから太い枝状のものが伸び、さらに細い枝状に分かれた先に光る玉が付いていた。

 そして、周りには枝状のものに繋がってない光の玉が、無数に浮かんでいる。

 まるでクリスマスツリーの周りを蛍が飛んでいるような、幻想的な風景だ。


「キレイだな………」


 身体の痛みを忘れ周りを見渡していると、真上にある光の玉の中に知っているものが見えた。青く美しい球体が……。



「地球だ……」


 よく知っている、そして、私が生きていたはずの地球が、その光の玉の中に写っていた。

 そして、その地球が写っている光の玉が、ゆっくりと、確実に遠ざかっていく……

 そこで初めて自分の身体がゆっくりと落下しているのに気づいた。


「ああ、私はきっと地獄に落ちるんだなぁ。まぁ仕方がないか、自殺なんてしちゃったわけだし……」


 地球に背を向け、自分が落ちている方向をみる。

 その方向にも光の玉があり、その中に青い海と緑の大地が見えた。樹のようなものの枝の先端に、お盆を突き刺したような感じの大地とその周りを囲うような海が。


「……変わった地獄だな?」


 ゆっくりと近づいてくる変な地獄がある光の玉。そこに触れそうなくらい近づいた時、後ろから声が聞こえた気がした。


「……って……」


「ん?」


 ゆっくりと後ろを振り向いた瞬間、俺はピンク色の光に包まれた。








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