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プロローグ
日々生活を送るなかで、日常がつまらないと感じたことはないだろうか?
特にメリハリがなく、毎日同じ事を繰り返しているように感じたり、変化のない日常に飽々したり。
この物語の主人公である夏瀬時哉も常々そのようなことを考えていた。
学力・運動能力、共に平均的であり、容姿も平々凡々であるため、特に他人から妬まれることもなければ、過度に好かれることもない。
高校生である時哉にとって、人間関係で問題が生じない以上、毎日がただの繰り返しに感じてしまっても仕方のないことだろう。
それゆえに、時哉は日常では起こらないような異常事態に巻き込まれることを夢見てしまう。
その平凡な日常の価値を深く考えることもなく。