107.4「妄想の中で(アユム欲望4.5)」
はっ!
体調不良で寝込んでいたら出てしまった・・・
という事で追加ですm(__)m
「何がポーズだ! 楽しいからやってんだよ! でも、大変だよ! 知識だって一杯必要だよ! 理不尽に天候で左右されるよ! 動物や虫なんかに弱いよ! でも、でも、生きるために必要なことだ! 皆を笑顔にできることだ! それが好きで何が悪い!!!」
2番のアユムが立ち上がり叫び、そして光の中に消える。
「『同情をひく』ってなんだよ! 勝手に僕に同情するな! 辛くたって、痛くたって、僕は僕で生きているんだ! 同情されるような生き方なんてしてないんだ!」
3番のアユムが立ちあがり叫ぶ、赤く光り徐々にいつものアユムが現れる。
「……ようやく現れたわね。本音のアユム……」
「……聞かせてもらうよ」
リムが『やれやれ』とソファーの背もたれに体をゆだねると、その隣にゆっくりとイットが座る。イットを抑え込もうとしていたタナスがしがみついたままだが気にしていない。
「それに、僕は頑張ってるんだ! 皆に心配されないように! 皆と同じことだってできるんだ!」
「……そう……。でも、あなた…」
「そうだよ! 僕は弱い自分が嫌い【だった】! 『このまま帰ったらパーティーを破壊してしまう』とか思っていた心の弱い自分も嫌い【だった】!」
「……【だった】……か」
イットは弟分の成長を感じ腕くみしたまま、言葉をかみしめるように頷く。
「そうだよ! イット兄に心配されたくなくて、剣士をしてた!」
「……まって、イット兄じゃないよねイトリアね……「ちょっとイットだまって」……」
突っ込もうとしたイットはリムに止められシュンとしている。
「リム姉に馬鹿にされたくなくて、魔法の勉強をしてた!」
「……魔法なめるなよ」
タナスが不機嫌そうに顔を背けてこぼす。
「でも!」
アユムは必死に手を広げ訴える。
「僕は!」
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