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第二章 【神聖帝国】2.意思無き帰還 パート2

刺客に襲われ森に逃げ込んだ三人・・・

これからどうするのか?


『例えば、ノクスみたいに魔術でエリシアを遠くから監視してるとか・・・ノクスはどう思う?できる事なのか?』


フィンの言葉に、ノクスは考え込んだ後、眉間にしわを寄せ首を傾げながら答える。


『魔術で可能か?と聞かれれば、答えは【はい】ですが・・・遠く離れた場所から【視る】というのは難しいとお思います。自分で言うのもなんですが、私の魔術はダラ信仰圏では【奇跡】と呼ばれています。使える者も限られていますし、先ほどの私の様に反動もありますから、遠くからの監視をするのは反動に【頭】が耐えられないかと。』


その答えにエリシアが呟く。


『そうか、魔術というのは、なんでもできるという訳ではないのだな。』


ノクスは二人に説明するように話し出す。


『はい。【奇跡】と呼ばれているので、何でもできるように感じますが、使用には【頭】を激しく使います。

わかりやすく説明すると、皆さんが【体】を使用した時と同じと思ってください。【体】を酷使すれば疲労し走れなくなったり、剣を振れなくなったりしますよね?魔術ではそれが【頭】で起る感じです。

【体】でも力が強い人、足の速い人、持久力のある人・・・色々いるわけですが、【頭】でも同じで、得意な分野や瞬発力、持久力などの違いが人それぞれあり、さらに才能の面が大きく、使用できる者は限られます。

今回の遠くから【視る】を仮に魔術で行えば【頭】への負担は想像を絶します。もしできるのなら、それは【神】か【バケモノ】か・・・どちらにせよ人の理解の範疇を超えた存在でしょう。』


―人の理解の範疇を超えた存在―

この言葉に三人は同じ事を思い出していた。

―試練の崖の大山羊・・・大きな体に巨大なツノを持つ魔術に反応するバケモノ―

思い出しただけで、掌から汗が滲み出る。


『バケモノか・・・世の中には、まだ自分の知らない事が色々あるんだろうな。まぁ・・・足が付いた経緯は一旦置いとくとして、これからどうする?街には戻れんしな・・・。』


エリシアの言葉にフィンが答える。


『とりあえず、朝まで森の中に潜み朝を待つ。森の中なら街にいるより気配を感じやすいからな。朝が来たら、なるべく大きくて人が通る街道に出て、大きい街を目指す。人の目があれば襲ってきにくいだろうしな。』



張り詰めた夜気は、三人の心とは裏腹に、何事も起こらぬまま白み始めた。

街には帰らず、少し日が高くなるまで森に留まり、大きな街道を目指す。

食料や水以外は身に着けていた。

昨日、疲れ果て、衣も解かぬまま眠りに落ちていた事が幸いした。


『ここからは人の気配がある道を選ぶ。ただし、人が多すぎる場所は避ける。一人で動くのも無しだ。そうだな・・・大きな街までは二日ほどかかる。日が落ちる前に森に入って夜は野宿だ。』


歩きながら、フィンがこれからの事を説明する。


『わかった。まずは行商を見つけて食料と水を調達しよう。路銀を身に着けていたのは、不幸中の幸いだったな。』


エリシアはポンっと腰のあたりの袋をたたいた。


『お二人は、やはりお強いのですね。お二人と一緒なら王都へ辿りつけそうです。』


そんな事を言うノクスに対し二人は交互に言葉を発する。


『何言ってんだよ。ノクスが居なかったら、俺達は帝国領にもたどり着けてないぜ?』

『確かに。ノクスの魔術には何度も助けられた。強いのはノクスも同じだ。』


その言葉に、うれしそうな顔をするノクス。


『人に褒められるのは慣れていませんから。なんだかうれしいですね。こんな状況ではありますが・・・。』


この言葉に、三人はふと現実へ引き戻された。

束の間、忘れかけていた現実が胸に重くのしかかる。

今まさに命を狙われているという現実に・・・



大きな街道に出た三人は、旅の行商を探しながら歩く。

運よく行商を見つけると、計画通り最低限の量の食料と水を購入する。

まだ、日があるうちに森に入り、夜を明かす準備に入る。

夜は交代制で寝る事にした。一人が眠り、二人が見張る・・・


フィンが眠り、エリシアとノクスが見張りをしている時だった。

エリシアが口を開いた。


『フィンにも起きたら伝えるつもりだが、私の身分を知っているノクスにまずは伝えておこうと思う。』


神妙な顔のエリシアに話しかけられ、ノクスは戸惑いながらも答える。


『何ですか?唐突に・・・。私でよければ聞きますが。』


エリシアは話し出す・・・


『ノクスは知っているが、私は神聖帝国ルクスの第七王女エリシアだ。私には他に六人の兄姉がいて、私には王位の継承権はない。

次の王になるのは、現在二人に絞られている。

そのうちの一人は、ノクスも見たことのある、長兄で第一王子の【ルシアス】兄さま、そして、もう一人は第三王女の【グレイス】姉上だ。

ルシアス兄さまは、王位継承に興味はないようだが、優秀で国民からの信頼も厚く時期国王と呼ばれている。私も、ルシアス兄さまに国王になってもらいたいと考えている。』


どうやら、エリシアは兄である【ルシアス】に絶大な信頼を置いているようにノクスには見えた。

しかし、違和感が残る・・・【王位継承権のない】の言葉に。

王位継承権がないのに命を狙われる?疑問をエリシアに投げかける。


『話からすると、エリシアさんには王位継承権はないのですよね?では、何故に命を狙われるのですか?』


エリシアは、少しうつむき話し始める・・・森の暗闇ではっきりと表情は読み取れない。


『そうだな・・・、私がルシアス兄さまを推している事と、私が国民の一部から、【リン神】の再来などと言われて神格化されていることが、狙われる理由ではないかと考えている。国民からの信頼が厚い兄さまと、神の生まれ変わりと噂の姫・・・もう片方には面白くない状況だからな。』


―もう片方―

おそらく、第三王女グレイス陣営のことだろう。


『では、エリシアさんは姉上から命を狙われているとお考えなのですね・・・。』


少しの沈黙の後、エリシアは答える。


『あぁ・・・その通りだ。昔から私に厳しい人で褒められた事はほとんどなかった。その一方で、私に礼儀や作法をたたき込んでくれた人でもある・・・尊敬していたんだがな。私が軍に入った時から姉上は変わられてしまった。入隊する時に姉上から頂いたものが、手放した指輪とこの剣だ。

―セイブザクイーン―

この剣の名らしい、意味は女王を守る剣・・・このころから、姉上は【私側につけ】と警告していたのかもしれんな。この剣は切れ味は悪いが、異常に頑丈でな、何度も命を救われた・・・皮肉なことだがな。』


苦笑いをしながら話すエリシアの少し寂しそうな声色に、ノクスは胸を締め付けられる思いになる。


またもや中途半端ですが(;^_^A

パート3に続く

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