61話
公爵家の連名で起こったと思われるクーデターに、辺境伯家は干渉していない。
その事は、本人から確認を行いなおかつファーストさんの報告で確認済みだ。
辺境伯家の方々は皆、俺に協力的だ。
協力的なだけでは根拠にはならないから、一応調査を行っている。
そして、話を聞くところによると、貴族会議にはいつも通り参加しない事を文書として皇帝に提出しようと思い使いの者を向かわせる準備をしていると、突然屋敷にサハル公爵家の手の者だと言う人物が現れた。
そして、辺境伯家のなかで唯一領地にいない娘を人質に取られたそうだ。
表立って動いているかどうかはこちらからでは分からないし、連絡するためのルートだって限られている。
もしも隠れて密かに助けを求めても気づかれてしまうだろう。
ということで、どうすることもできずに協力しなければならなくなったようだ。
ちなみに、そのサハル公爵家の使いを名乗る者の名前を尋ねたものの、
「今日はシャドーとでも名乗っておきます。別になんでもいいので」
と言われたらしい。
名前にこだわりがないような類の人間か、普通に偽名なのだろう。
人相も、目深にローブを被っていてよく見えなかったそうだ。
そしてそのローブには、解析できる範囲内にざっと50以上の魔法が備わっていたらしい。
そのローブだけで人を殺せるのだろう。
さて、ここで辺境伯家について説明を入れる。
辺境伯家は文字通り辺境の大きな領地を管理している。
領地は文字通り辺境で、領地のほとんどが住むことが難しいほど深い森だ。
もちろん辺境にもある程度の大きさの街はある。
だが残念ながら、人口の大半は首都とよばれる場所の付近に住んでいる。
そして、そもそも森しかない辺境に人は来ない。
辺境にまで行ってやる必要があることはないからだ。
だからこそ、地方へと移動する人物が必然的に減り、情報は伝わりにくくなる。
さらに、長い道のりを辿って来た情報でも、信用に足る情報はほとんどない。
何処かの組織や貴族どもが流したデマあるいはありもしない噂のことが多い。
いわゆるゴシップやスキャンダルだ。
一応、皇帝として定期的に情報のやり取りはするものの、その時に聞いた辺境伯家が手に入れている情報には90%以上嘘が混じっている。
辺境伯家の待遇の改善を行おうにも、貴族会議に本人がめったに来ないし中央貴族共は基本的に辺境伯家に力を持たせたくないやつが多い。
反乱起こされでもしたら困るのだろう。
まあ何にしてもとりあいず、ファーストさんに頼んで周辺の情報を正確に入手、そしてアメリアに助けを求めよう。
アメリアと婚約するとか結婚するとか以前に、国の危機なのだから。
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