54話
私は咄嗟に店を出ていた。
仕方がない。
気配でラノールドが追いかけているのが分かるが、あんなの知ったこっちゃない。
というよりも、私にわざわざドレスを着せようとするとか⋯⋯⋯⋯頭おかしいのでは?
私ちゃんと言ったよね?ドレスはムリって。
あれ?言ってたっけ?ちょっと思い出せないかも⋯⋯。
もしかして何も言ってなかったりする?
私ドレスが絶対ムリとか何も言わずに出て行っちゃった系だった?
だとしたら大分まずい。
ラノールドにひどいことをしてしまった。
ラノールドは何も分からずにいたのに、何故か突然この世の終わりみたいな顔して飛び出しちゃった。
サイテーだ。
ラノールドに嫌われてないといいなーと思いながら向かった先は公園。
えっ?何故戻らないのかって?
それはもちろん気まずくて気まずくてたまらないからというわけでは断じてない。
そう。
私は決して一度逃げた手前、もう一回同じ店に入るのは気まずいしラノールドになんて思われてるか分からないから嫌だとは、決して思っていない。
この公園は確か、建国を祝う祭りの時に使用されている祭壇があるらしい。
どうせラノールドは私のことなんかもう忘れてるだろうし、どこ移動しても一緒だろ。
という投げやりな気持ちのままに祭壇が見える場所に行ってみることにした。
祭殿は階段状になっていて、一番上が一番広くなっていて、そこにある穴から水が出てきている。
キラキラと輝く澄んだ水をぼんやりと眺めながらベンチに腰掛けていると、先客がいた。
どうやら誰かを待っているらしく、辺りをキョロキョロと見渡している。
挙動不審すぎて周囲から人がいなくなるほどには目立っている。
一応注意でもしておこうかなと私が先客に声をかけるために肩を叩いたのと、その先客がキョロキョロと忙しなく動かしていた目を私に合わせたのは、
全く同じタイミングであった。
私を見る人物のが驚いているのが分かる。
しかし、同時に私も驚いていた。
というか、驚かないわけにはいかないだろう。
驚いていた挙動不審な人物は、私がさっき店ごと逃げて来てしまった相手だったのだから。
ラノールドも同じく驚いていた。アメリアはどこにいるのだろうかとぼんやり考えながら行き着き、ぼんやりと座りながらそれでも探すのをやめなかったこの場所ピンポイントでアメリアが現れたのだ。
それはまあびっくりするだろう。
この二人の居場所の重なりがただの偶然か、何か大きな力が働いたのかは、誰にも分からない。
ただ一つ言えることは、この場所この時間において二人は、驚きという共通の感情を持っていたということだけだ。
読んでくれてありがとうございます。
更新遅れてごめんなさい。
ちょっと最近作品が見えてこなくなってきて、かけていないので、更新が遅れるかも⋯⋯⋯⋯ですが、頑張って更新します!!!
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