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婚約破棄された私ののんびりできない国造り  作者: 青。
誘拐と決戦

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55/70

50話

ラノールドは、何故生きているのだろうか。



突然ごめんね。

でもね、私は言いたい。


なぜこんな、絶対に死ぬでしょみたいな魔力の暴走してるのに死なないのだ、と。


何?ラノールドって友人思い的な感じの人だったりして、気力と根性だけで魔力の暴走による死を止めているってこと?何その特殊能力。


頭の中に?がいっぱいだが、とりあいずやれることをやろう。

一刻も早く手当てをしなければならない。


呼びかけながらラノールドに少しずつ近づく。

反応は、ない。


私が行うのは手当と言っても、私はあくまでも補助だ。

ラノールド自身の適応能力と精神力、強さへの渇望があってこそ成功する。



まあ要するにラノールド次第だ。

ラノールド、頑張れ!!!







〜ラノールドside〜



アメリアがいなくなった時、周囲が真っ暗になった。

周辺の景色すら見えなくなった。

そして、相手を倒すという行動を行うためだけの動きしかできなくなった。


余計なものを削ぎ落とせば強くなると思った。

無意識に、相手を倒す以外の思考を捨てた。



思い出、記憶の全て、意識、理性、そして命。



そんな余計なものを捨てた時、動きは早くなっていった。

もはやなんのために戦うのかも分からぬまま、ただ


「戦わなければ」

という思いのみで動く。


ラノールドに理性はなくなっていった。

目的も、自分自身についても、なんのために戦うのかも思い出せなくなった。


ただ、誰かのために戦っている。そんな気がした。



自分のことを呼ぶ声がする。

厳しくて、でも優しくて凛とした声。


ずっと呼び続けている。

誰なんだろう。


そう思った。

だが 次の瞬間、ラノールドの目の前にその人は来た。


きれいな白銀の髪をなびかせて。

恐れなんて全くないみたいな顔で、僕のことを呼んでいる。


無理矢理何かされているわけでもないのに、何故かその声には、起き上がらなければならないと思わせるような必死さがあった。




ラノールドは、自分が呼ばれる方向に歩き出した。

たくさんの声が聞こえてくる。



「強さを捨てて、お前は何をするのだ」と聞く老人の声。

「また守れなかったらどうするの」と聞く女性の声。

「弱い人は嫌い」と言う子供の声。

「お前ごときにあのお方は守れない」と言う誰かの声。

「消えろ」「誰もお前なんか見ない」「消えろ」「消えろ」という誰かの声。



全部全部その全てが、鋭い刃物のように向かってくる。



怖い。

すごく怖い。


でも、それでも私には会いたい人がいるんだ。



その確固たる意志を持って歩き続けた。

たくさんの声を聞きながら、それでも歩き続けた。


一歩歩くごとに、少しずつ周りの声が受け入れられるようになってきた。

少しずつ、周りの声を聞きながら歩くことができるようになった。

それに呼応するように、自分の中の心の芯の部分が強くなっていくことを感じた。



どのくらい歩いたのだろう。

気がつけば、目の前には一番会いたかった人(大好きな人)がいた。



思わず抱きついてしまった私のことは誰も咎めなかった。

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