48話
すみません投稿遅れました。
ちょっとスマホでトラブルが起きまして……。
まあとにかく再開します!
ラノールドが手にドロドロした物体を携えている。
はっきり言って気持ち悪い。
もう少し詳しく言うと、いや言わなくていいのはわかってるんだけど言わせて。
なんか紫色で、しかもコポコポして毒がありそう。
しかもなんか垂れてきているし。
なんかジュージュー焼肉みたいな音を立てている。
これが焼肉ならば全然構わないのだが、紫色で異臭を放っていて、かつシュワシュワという音がしているのだ。壁が。
正直、ラノールドは暴走している。
たかだか誘拐されたくらいでやりすぎだと思う。
配下なら叱っていたが、配下ではないし命の恩人なので何も言えないし、言ってはいけない。
ラノールドは、魔力を制御しきれなくなっているのだ。
魔法使いは稀に、自分の激情に身を任せることで爆発的な力を手に入れることがある。
熟練の魔法使いが自分に限界を感じているとすれば、それは己の激情をコントロールできるか否かの差によるものだ。
だからこそ、魔法を発動させるより前に精神力を高めること。
これが安定的に高出力の魔法を出すための力となる。
この精神力による威力の向上は、実のところ上級の魔法が使える人物ならば大抵が無意識に使っている。
人間並の魔力であれば、上級の魔法を使うのに精神力が必要不可欠となるからだ。
そのため、魔力の高い人間はこの精神力の鍛錬を怠ることが多い。
認識としては、己の魔力と成長に限界を感じて初めて精神的な修行を開始させ、そこからまた伸びていく。つまり、限界を突破するための手段の一つとなる。
だからこそ、魔力が高い人間や種族の奴は幼い頃や大人になっても魔力を暴走させて死ぬことが多い。
そしてそれはラノールドやあかりにも言えることだろう。
ラノールドは見たところ、特殊な一族でもないのに通常の人間の10倍は魔力を保有して生まれてきているため、おそらく魔法理論を見、それを発動させるのにありったけ魔力を込めても十二分に発動してしまう。
しかも、あいつは努力家で責任感があって優しい。
魔法理論で行き詰まれば精神についての修行をさせるところだが、逆に魔法理論についても完璧だ。
あとは時間経過とともに増える魔力に従って成長していく。
あかりは、さらにすごい。
あかりは『魔人種』と呼ばれている種族の奴だ。
魔人種というのは、ほとんど人間に近いが人間ではない。
人間ではないと本人も気が付かないレベルの人が大半だな。
実際、基本的に人よりもちょっと魔力が高くてちょっと運動神経もいいけどちょっと感情的になりやすいだけだから。
だが、魔人というのはたまに
「愛し子」
と呼ばれている者が現れる。
「愛し子」という言葉で分かるように、魔人の血を深く持つ者のことだ。
三世代に一人現れるか否かと言われるその者は、生まれつき体のどこかにあざがある。
そして、そのあざを持つ者はなぜか基本的に人間に忌み嫌われる。
だが、なぜか死なないし死ねない。
その人が20歳以上になり、本人が死にたいと思うまで死ねない。
彼女はおそらく森に捨てられたのだろう。
あかりはまだ二十歳ではない。
話がそれたね。
ラノールドはつまり、魔力を暴走させた。
はっきり言って、魔力暴走には応急処置しか外部ではできない。
そしてラノールドは今、応急処置を嫌がっている。
私にラノールドを助けることが不可能だということだ。
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