41話 私たちのカミサマ(セリア、セレーネside)
アメリア・ランディーネ。
そいつは私が今まで加護を与えようとした人間の中でも、格別に強い。
単体での力は、本物だ。
しかしそれは同時に孤独な人間だ。
他人に甘えることを知らず、自分の知識欲のままに生きていく人間。
アメリア・ランディーネはそんな人間だと、私たちは思っていた。
だからこそ、私たちはあの女に力を与えた。
私たちの役に立ってもらうために。
それなのに、それなのにあいつは孤独にならなかった。
当主として育つ娘のことを見てくれる親がいた。
姉としてあの女を慕う妹がいた。
あの女に助けられた従者がいた。
あの女を慕う家臣だっている。
そして、
あの女に恋する人間がいる。
私たちは、私たちは誰よりも職務をこなしてきた。
それでも、誰も、何も見てくれなかった。
だからこそ、私達みたいな人間に力という優しさを与えた。
自分と同じような孤独の人間が自分の加護に依存してくるのは面白かった。
加護を使われる度に⋯⋯自分は居てもいいんだと思えた。
それなのに、あの女は違った。
あの女にはたくさんの人がいる。
そんなの⋯⋯⋯⋯許せるはずないじゃない。
別に私が死んだっていい。
でも、あんただけは許さない。
今からちょうど少し前。
そんなある日の世界に、私は、私たちは産まれてきた。
混沌とした夜の闇。
そんな暗い暗い闇の中を歩いていた。
だが、そんなところに⋯⋯⋯⋯光が差した。
サラサラと音をたてる白銀の髪の毛。
内から溢れ出る気品と自信。
そして、紅玉のような赤と深い海のような青を持った瞳。
彼は、
「世界から見捨てられたお二人さん。私と一緒に来ないか」
と言った。
私にはそれだけで十分だった。
私は、私たちは二人でがむしゃらに働いた。
とにかく、あの方に少しでも見ていただきたかった。
だが、あの方は突然いなくなってしまった。
裏切られた。
あんなに頑張ってきたのに、努力してきたのに。
だからこそ、私が、私たちが持っていないすべての物をもったお前を、私達は許さない。
ちょっと暗くなってきている気がしますね。
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