38話
さてさて、いよいよ事前準備が終わり王国出立の当日となった。
私たちの予定としては、ランディーネ王国の中では特に歓待を受けることなくささっと通り、帝国で色々とやるというものだ。
ランディーネ王国の国境付近まで、なんなら帝国の帝宮まで余裕だが、とりあいず国境付近まで護衛と一緒に転移で出発する。
そして、その近くの街で馬車に乗って関所まで行く。
そしてそこから帝国の馬車に乗り換えて進む。
帝宮まで向かう日程の大半というか全てが帝国内という不条理日程での旅路である。
しかも、馬車の周りを物々しい護衛が取り囲み、誰かの領に入ったら領主が挨拶代わりに宴会を開く。
仕方がない。それが貴族の嗜みとも言えるし無難だから。
そして、そこでゆっくりと美味しい料理を堪能⋯⋯するわけでもないのが貴族だ。
社交界の宿命で、残念ながら腹の探り合いと言う名のビッグイベントが私を待っている。
ただ夕食を食べるだけでも食事のマナーに気をまわし、会話も帝国の名産品とか歴史とか社会問題とかが大半で、あとは利益について品定めする。
こんなものなんだよ社交界は。
そして、次に大変なのは衣装だろう。
私はいつも動きやすいのでラフなズボンとシャツ姿で、なんなら生地も汗を吸い取るようなものにしているが、宴会にそれは本当にだめだと言われてしまった。
あかりには一応ドレスを進められた。
なぜ一応なのか。
それは私がドレスが嫌いで、2度と着ないと公言しているから。
昔アレクサンダーとお茶会で会うために着たドレスがきつかったというそれだけだが、私にはただのトラウマだ。
ということなので、あかりに泣きついて礼服を作ってもらった。
ドレスよりは息苦しくないはずである。
ピシッとした黒いジャケットに白いシャツ、あとは黒いズボンだが、そこに諸々の装飾がついている。
ちょっとあかりがなんでもできる有能部下で怖い。
あと、いつも私が使っている愛刀が隠れるようにしてしまわれている。
さて、これくらいで社交の愚痴は終わりにしよう。
社交は貴族にとって不可抗力だからね。
さて、早速私たちはランディーネ王国と帝国の国境付近に転移し、何食わぬ顔で馬車に乗って関所に行こうとしたのだが、なんとビックリ山賊がいた。
よくこんな物々しい護衛がいる中で⋯⋯あっ違う。護衛は馬車の中でしかも二人だ。
ということで、早速二人の護衛の腕の見せどころだろう。
私の部下の鍛え方が間違っていないか試させてもらおう。
これくらいなら秒殺だ。
エールの意味で目配せすると、レンが困ったようにしながらすぐさま消えた。
ハヤイナ〜と感心していると、突然馬車を開けられて口に布をかぶせられた。
そう、なぜかさらわれてしまったわけである。
さてさてこれからどうなってしまうのか⋯⋯。答えは作者も知りません!?
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