4話
さてさて、この大陸の中でもかなりの強国である帝国の皇帝が出てきていることはよく理解したし、普通に考えて失礼なことをしてはいけないやつだ。
しかし、名前がまったく一切思い浮かばないどうしよう。
バカ王子ことアレクサンダーと、似た響きだった気もするし、そうじゃない気もする。
それを知ってか知らずかアリスが、
「すみませんがどちらさまですか?」
と言ってくれた。
しかし、私ほどではないにしても、かなり失礼な雰囲気だが、うちの妹は皇帝に会っていないはずなので多分大丈夫。たぶん。
なにはともあれ、機転がきく妹のナイスな行動によって、皇帝の名前を始めて、いや、改めて知った。
どうやらあいつはラーノルド・フェールというらしい。
だが、以後よろしくとまで言われた。
ツッコミどころ満載である。
そもそも私は、こいつと長い付き合いになることはないと思っているのだから。
さてさて、皇帝さんは以後よろしくするつもりらしいのだが、そんなつもりは全然ないと思っている。
そんな私にあいつは、衝撃的かつ迷惑はなはだしい発言をしてきやがった。
「私の妻になれ。」
って言ってきたわけ。
ふざけてるよね!
普通に考えてさあ、会ったばっかの奴に対して結婚迫るとか、良くないよねー(圧)
いやぁね、私も自分勝手っていう意味では、全く引けを取らない自信あるけど、あるけれども良くないよね。
でも今の状況考えると、結構ヤバい。
王国内だと魔道具の仕組みとか効果とか術式とかの解析が進んでいないから、解除がムズい。
だからさあ、自分は今のところは完全に足手まといになっているのだ。
そして、これってかなりまずいのよ。
なぜならですよ、私以外に魔法で戦えそうな人が結構少なそうなのですよ。
バカ王子は論外。アリスは魔法があまり得意じゃない。国王も無理だろう。
要するに、戦力が全くもってないのである。
しかし、これは受け入れにくくてもれっきとした事実なのだ。
要するに、今かなりピンチ。
ってわけでもない。
私の魔法に対する分析能力を甘く見てもらっては困る。
おそらくあと10分くらいしたら、完全に魔道具の仕組みを理解した上で解除が可能になるし、魔道具作れるようになる。
しかし、その時間が問題だ。
我が妹は、私がどのくらいの時間で解析が終えられるか理解したらしく、時間稼ぎのために喋ってる。
しかし、皇帝がいつ魔道具の解析をしていることに気がつくのかが分からない。
なぜなら、さっきから執拗に私を確認してくるからだ。
しかも、相手に目線を気取られないように、さりげな~くやっているようにみせている。
だからこそ、だれも気がついていない。
あと、もう一つピンチだ。
拘束がちょっとずつ強くなっていることだ。
いや、たぶん強くなっている。
私が途中までした解析によると、帝国の魔道具の中でも最上位のもので、対象者の魔力を吸い取ってエネルギーにしている。
つまり、時間がかかればかかるほど、少しずつ退路がふさがってしまうということなのであろう。
だからこそ、皇帝は何もしていない。
何もしなくても、いずれ拘束を破ることができなくなると思っているからだろう。
しかし、わたしの解析はそこまで甘くない。
少しずつ、魔法の術式が分かってきたことで、解除を一気に進めているからなのだ。
通常の人間の解析であれば、この拘束魔法を解こうとすればするほど、よりたくさんの拘束をかけられてしまう仕組みになっている。
しかし、私の魔法は「人外」と言われている。
それこそ、めちゃくちゃ強大な魔力が絶えず注ぎ込まれている中でも、だ。
そしてとうとう、
「バリン」
という音を立てて魔法が割れ、散っていった。
そして、あまりにも突然のことだからとびっくりしている皇帝と、当然のような顔をしているわたしの二人が初めて正面から対峙することになった。
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