33話
アメリアが知らない魔法は3つで、今分析中ということだったが、分析ガチモードになったアメリアは分析を高速で進めていた。
アメリアが知らない魔法に、死者の蘇生があると分かったからだ。
死者の蘇生には本来魂が必要で、魂はもうこの世界ではなく神の世界にしばらくいる。
この死者蘇生は、魂さえあれば傷も治るし後遺症も残らず以前より強くなって戻ってくる。
だが、この魔法では魂は復活しない。
そこで、もう一つの魔法を使う。
それが、神との会話だ。
記憶によると、神には神界という神々の住まう世界があり、その内の最も人間界と近い位置に人間の魂を置いておく。
そしてその魂から記憶を消し、記憶を消した状態で転生させるらしい。
たまに前世の記憶や知識が存在している人間がいるが、あれは神のミスだと思う。
もしくは人為的な悪戯だろう。
この魔法を使って神に交渉を行い、魂を返してもらうのだ。
そして、万が一魂からすでに記憶が消されてしまっていた場合。
これに備えてもう一つの魔法が存在している。
それは、時間の巻き戻しだ。
それも局所的なもので、場合によっては治癒にも使える。
この魔法は、全体の時間を戻すことは難しいものの、魂の中の記憶は蘇らせることができる。
これらは三位一体となっているので、どれか一つだけ分析して終わりではない。
アメリアもすぐさま分析を始め、さっき言ったようにアメリアは覚醒しているので分析はあっという間だった。
そして、およそ30分後。
アメリアは全ての術式の分析を終え、それを複合させた魔法を完成させた。
すぐさまあかりの部下達を蘇生させてやりたい気持ちをぐっと抑え、あかりのところへ状況を把握しに行く。
あかりがどうやら苦戦しているらしいので、手助けは要らないかもしれないが応援してやろうとも思った。
そして実際行ってみると、想像以上に凄惨な光景だった。
聖ヨガ王国の騎士たちがやったのだろう。
あかりが苦労して育て上げた軍は、あっけなく壊滅していた。
物言わぬ死体と、多対一でひたすらなぶられている者達。
無事とは言い難いような状況だ。
だが、そんな状況でも私の頭は魔法の分析をしてしまう。
あの様子では、聖ヨガ王国の騎士たちにバリアと体力と魔力が多くなるバフが、あかりたちには逆に体力と魔力が使いにくくなるデバフがかかっている。
ちなみに、バフやデバフというのは魔石を使用して術式を作る物だ。
魔石はそれこそ、あるだけで国宝レベルの希少さなので、あかりが対処できないのもむりはないだろう。
しかもこのバリア、攻撃を反射させる効果がある。
攻撃を弾いた上で吸収してエネルギーにしている。
永久機関じゃん。
というかむしろ、生きている人間がいることを褒めたいくらいだ。
だが、今は目の前の敵に集中しよう。
無理な攻撃をしようとしているあかりをかばうようにして立つ。
その二つの瞳は敵を鋭く見据え、誰一人逃さないという殺気と怒りをたたえていた。
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