自由(アレクサンダー視点)
アメリアが街道を帝国に向けてせっせと作っていた頃、アレクサンダーは王城にいた。
アレクサンダーは喜んでいた。
ついに、散々自分をないがしろにしてきた愚かな父がいなくなったからだ。
国王の座など、有能な僕に任せておけば全てが上手くいくというのに。
あの愚かな父は、私をないがしろにしてきたのだ。
自分の無能ぶりが分かるのがイヤだったのか、僕みたいに賢い者に仕えている貴族どもに対して、優遇するどころか冷遇していた。
僕の有能ぶりがわからない奴は全員滅ぶべきなのだ。
ムカつくと言えばアメリア。
あいつも僕の有能さに気がつかない愚か者だった。
せっかく僕が言葉を交わしてやろうと思って近づいても文句を言ってくる。
せっかくあいつのような愚か者でも僕の事を楽しませるくらいはできると思って夜伽の相手に指名したのに、それを断ってきたのだ。
その上わざわざ政務にまで口を出してくるような女だ。
女は所詮男を楽しませる存在なのだから、男に口答えするなんて可愛げがない婚約者だ。
そんな男に口答えしてくるような女は婚約破棄してやった。
僕は正しい事をした。
僕のような有能な王子が失敗するはずがない。
それなのに僕は、その後父に叱られた。
僕は何も間違った事をしていない。
僕の味方の貴族達もそう言っているのだから間違いない。
僕は何も間違っていない。
その後、リデルリン王国の建国が発表され、国王がアメリアだと知ったアレクサンダーは、リデルリン王国を恨むようになったのは、また別の話である。
大陸暦1980年5月6日 リデルリン王国誕生
この日、歴史書に新たな出来事が刻まれたのであった。
【補足】
大陸暦は、この大陸の中で最も古い国である聖ヨガ王国の建国年にあわせて作られたものです。
月と季節は日本と同じと思ってください。
ブックマーク、評価、感想などありますと作者がめちゃくちゃ喜びます。
是非是非下の☆をポチッとお願いします。




