14話
さてさて、悪意ある侵入者防止用に結界を張ったのだが、張った直後に侵入者が結界に干渉して破ってきた。
でもさ、こういうのって普通に、あとあと必要になるかなって思ってたわけ。
だからこそ、想定外の事態が発生した。
帝国と接している部分で人がいることが判明した。
いやね、想定外すぎてびっくりした。
まあ、想定外であっても取り合図は行動を起こすしかないだろう。
私たちが今いる場所に向かってきてる。
?今いる場所?え!っと?私狙っちゃってる系かな?
うん、迎え打つか。
いやーもうコテンパンにしちゃおう。
誰かは全くご存知ないけど、ここにきたことを後悔させよう。
ということで、私は妹を連れて動き出した。
侵入者たちを正面から迎え撃つことにしたので、妹は剣を持って構えの姿勢を見せている。
そして、少し経ったのちに、人の群れがこちらに一直線に向かってきている人がいた。
わずか十人ほどしかいなかったので、少し驚いているまもなく、そのうちの一人がこっちに向かって一直線に走ってきた。
キモいなと思ってしまったため、咄嗟に攻撃の魔法を放つと、見事に命中した。
見事にすっ転んでどろだらけになっていたのだが、その眼だけは私を見ていた。
いや、なーんか見覚えがあるなーと思っていたのだが、こいつよく見たら帝国の皇帝だったんだよね。
思わずびっくりして口をあんぐりと開けたままフリーズしていたところ、向こうの方から近寄ってきて跪いてきた。
男性が女性に跪くのは、求婚の意思の表れだとされている。
つまり、こいつはまだ諦めていなかったということなのだ。
今度こそ、うちの妹が黙っていないだろう。
今にも剣を抜いて襲おうとしていたので、目線で制していた。
しかし、それも効果がなくなってしまいそうだ。
何せ、ずっと跪いたまんまなのだ。
取り合図私から離れてもらおう。
妹に耳打ちしたところ、すぐさま刀を鞘に戻しすごく鮮やかに皇帝をぶん投げていた。
皇帝も武術をある程度はやっているのだろうが、妹には敵わないだろう。
すごくあっさりしたたかに打ち付けていた。
だが、いまだにその目は真っ直ぐに私を見ている。
しかし、私の妹に投げられたことで、気絶してしまった。
やばい。
うちの妹の目が怖すぎる。
今にも皇帝を射殺せんばかりの目を向けている。
まあ、取り合図はこいつを運ぶことにして、なんか他の奴らにもついてきてもらおう。
私たちの居場所が荒らされるのだけは勘弁してほしい。
事情を話せば、案外大人しくついて着てくれるようだったので、転移魔法でとっとと集落に向かうことにしたのだが、先ほどまで自分たちがいたとは思えない場所が広がっていた。
道は綺麗に整備され、その横には畑になる予定なのであろう空き地が広がっていた。
さらに奥に進んでいくと、道に沿って綺麗なレンガの家々が立っている。
極め付けは、その奥にあったでかい屋敷だ。
前の屋敷とも遜色ない見た目をしているが、それ以上に心躍る仕掛けが多い。
屋敷の壁が、一部魔法によって強化されているのだ。
この仕掛けは、危ない実験などをした時に危険が及ばないようにする物だろう。
さらには、その部屋の中に入った人の安全が確保できる魔法まである。
おっとっと。
びっくりしてしまったが、今は私の背に人がいることを忘れてはいけないだろう。
思わず力を抜きそうになってしまった。
取り合図、妹を連れて転移して、屋敷の中の、客室とも言える場所に行き、そこでベッドに寝かせておいた。
あとは、あいつについている従者がなんとかしてくれるだろう。
扱いは悪くないはずだ。
帝国の皇帝に対する扱いとしては。
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