12話
あのおじいさん。
名前は、なんだっけ?まあ後で聞くことにしよう。
それよりも今は、おじいさんの話が大切だ。
おじいさん曰く、彼女はこの森を死の森を死の森たらしめることになった要因の人物らしい。
要するに戦犯なのである。
言葉の端々から幼さを感じるが、実際はかなりの長寿で、歴史書に残されるより前から生きているらしい。
しかし、彼女はある日、思いつきで自分の全魔力を持ってこの森に攻撃する。
本人曰く、
「私の成長を全世界に見せつけるため」
だそうだ。
しかしこうして、長い間この森では魔力を過ぎて自然エネルギーが暴走してしまった。
これはかなりの一大事なのだが、彼女は物足りなかったらしい。
彼女曰く、
「前回やったときは、1年くらい天変地異が起きていたのに、今回は何も起きていないじゃない。つまらない!」
とのことだ。
そして彼女は、自分がむしろ退化したのではないのかとなぜか落ち込み、八つ当たりのようにここで暴れようとしていた。
しかし、そんなことをされては困ると思ったおじいさん達で、すごく丁寧なおもてなしと、相手を十分にたてた上での説得で、彼女は思いとどまった。
つまり、彼女は時々この場所に来てはこの集落で思う存分甘やかしてもらう代わりに、暴れないでもらっているらしい。
つまり、この集落の中でトップレベルの危険人物なのだ。
彼女としては、自分を常に立ててくれる人がいることが嬉しいし当たり前だと思っているらしい。
だが、彼女は情緒不安定なのだ。
おそらく、今回きたのはただの偶然。
だが、そこで私が彼女の魔法を解除したことを見破り、自分のプライドに傷がついて文句を言いにきたとかそんなところだろうと思っていたら、
「申し訳なかった。私のせいで、多くの人に迷惑がかかった」
って言ってきた。
彼女は普段、傲慢な態度しか見せないのだろう。
おじいさんが、あんぐりと口を開けていた。
そして、
「迷惑かも知れないが、よければ私を、配下にしてくれないだろうか」
と、すごくキラキラした目で見つめられながら言われた。
いきなり過ぎだろ!と言う私のこころのツッコミに反し、おじいちゃんまでもが仲間に加えて欲しそうな純粋無垢な顔をしていたので、私も腹を括ることにし、正式にみんなを配下に加えることになった。
ちなみに、名前を聞いてみると、
「私には名前はありません。緑の民が自分の名前であり、皆の名前なのです」
と言うことなので、せっかくなのでみんなに名前をつけることにした。
詳しいことは割愛するが、名前を与える際に、これまで彼らが持っていた魔力などの制御を助けてあげたところ、目に見えて力が増大しているのが分かった。
そうそう、前からお世話になっているおじいさんには、ラウルと言う名前をつけた。
ちなみに、生意気だった女にはあかりという名前をつけた。
なんとなくこれがいいかなって思った名前をそれぞれにつけている。
これから頑張ってほしいものである。
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