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1話

新連載です。

最初の方は割とたくさん投稿します。

「悪名高き陰湿な女よ。今日を持って、貴様との婚約を破棄する!」


この国雄一の大神殿での出来事だった。


ここリデルリン王国の第一王子であるアレクサンダーは声高らかに宣言する。


それを受け止めたのはこの国で国王に忠誠を誓っている貴族の一人である、アメリア・ランディーネ侯爵だった。


アメリアは、王子の前では笑ってこそいたものの、内心は穏やかではなかった。


ふざけるなバカ王子とか思っていたのである。


アメリアは、「完璧令嬢」とか、「完璧女王」とか言われてきたのである。


貴族としての面の皮は厚いが、ものすごく毒舌だ。

アメリアは、侯爵とついているように、ランディーネ侯爵家の当主である。

ランディーネ侯爵家というのは、ただの貴族ではない。


ランディーネ侯爵家は、

「知識の家系」

と呼ばれていて、数多くの知識と経験と技術が詰まっている家だ。


アメリアは、男尊女卑の風潮がことさら強い中でも当主として生き残ることができたのは、彼女が優秀だったからに他ならない。


「知識の家系」の者としての知識量と、数々の新しい発見などをはたしている。


そんな彼女は完璧と言う名にふさわしく、さまざまな面でも優秀なのだ。


魔法は新しいものを開発しながらも彼女自身、魔法騎士団の団長をつとめた事がありその技量は歴代最高と謳われる程。

剣術にいたっては、近衛騎士の団長と戦って勝ったという記録が残っているほどだ。


しかし、強すぎる力は警戒される。


だからこそ彼女は、自らが主として認めた国王の命令に従い続けてきた。


そして、国王もそれをわかっていたからこそ、ランディーネ侯爵家、ひいてはアメリアにさまざまな恩恵を与えつつも上手いことアメリアを使うことができた。


それは、国王が賢くて狡猾だからこそできることでもある。


しかし、国王はかなりの高齢となり、そろそろ譲位すべきだと言う声が上がっていた。

そこで最後に彼女に託したのが、アレクサンダーなのである。


「第一王子であるアレクサンダーと結婚し、あいつが国王となったときには国を支えろ」

と言う頼みをされた時には、断ることはできないだろう。


この国では、第一王子と言いつつも、直系の王子が一人しかいない。


そして、国王が教育を間違えたわけでもないのに、アレクサンダーとかいうやつは、バカであった。


家臣に甘やかされでもしたのだろう。

自分の命令は絶対で、全員が自分のことを崇めてくれると考えるおめでたい性格であった。


そのため、国王からの命令で婚約者が決まり、しかも自分が何やっても勝てない相手なのがかなり嫌だったのだろう。



ということで、何の交流もなく冷え切っていたが、一応最低限の手助けはしてやることにしていた。


()()()()()、国王が病にふけっているときを狙って、神殿に呼び出させられた。


そして、今に至る。


今王子は、ハエみたいな頭の悪さの中で思いつくような断罪の言葉を吐いている。


そして、

「国外に追放してやる」

と言っていたのが聞こえた。


あいつにそんなことできねーだろって鼻で笑いながら聞き流していたものの、聞き捨てならない言葉が聞こえた。


「第一王子でありものすごく有能な僕が、侯爵家の人間と釣り合うはずがないであろうが。全く、父上ももうろくしたな!」


と言ってきたのだ。

この言葉により、私の怒りゲージは最高潮に達した。


私は勢いのまま、


「は?お前みたいなバカが私みたいなのを国外追放?冗談も大概にしろよ。誰がこの国支えてると思ってるんだよアホだなお前ら。私が貴族としてこの国に仕える相手にバカは要らない。お前みたいなのと結婚なんて、死んでもおことわりだな」

と言ってその場を去った。


とりあいず、この国に仕えている理由はなくなったな。

家族で国外行くか。


と思ったので、私の妹のアリスにこのことを伝えようと歩いていると、ちょうどアリスと会った。


アリスに、ランディーネ侯爵家全員で国外行こうよと誘うと、


「お姉様が行くのであれば、私はどこまでもついていきます」


とキラキラした目で返事をもらった。


ちなみにランディーネ侯爵家は、私と妹と父と母の4人家族に使用人が同じく4人。


私たちの家族はかなり絆が強いことで有名なわけだし、なんとかなるだろう。


ということなどを考えながら妹と歩いていると屋敷についた。

屋敷には着いたんだけど、屋敷ではバカ王子ことアレクサンダーが突っ立っていた。


バカはバカだからこそ自分を追い詰めていく行動に気が付かないのだなと今更実感するアメリアだった。


どうやら王子は、本気で私が悲しんでいると思って、さっきのも泣きたいのを我慢したと思い、煽りに来たらしい。


まあ、目的なんてのは正直どーでもいいし、どうせアホみたいなことなのだろうということはわかる。


別に、今更この国がどうなろうと知ったこっちゃない。


ということで、さっさと立ち去ってやろうと思ったのだが、バカはこういうときもバカなのである。


「来たのかアメリア」

と声をかけてきた。


無視してもよかったのだが、せっかくなのでちょっとだけからかってやることにした。

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