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忘却の花屋  作者: こっこ
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つらいこと話してみませんか?

突然、目の前に煙と共に古民家が現れた。


「あ、こんばんは。」

眼鏡姿の浴衣を着た優男風の男性がその古民家から出てきた。


「こんなところにいるのもなんなので、もしよければ見ていきませんか?ここ、こんな佇まいですけど、花屋なんですよ。」


え、なんで私がここにいるのかも分からない。少し怖いけど、少し興味がわいた。


「え、こんなに花が?」

中は思ったよりも色々な種類の花であふれていた。


「そうなんですよ。外見は古民家って感じでしょう?お花屋さんだとはあんまり思ってもらえなくて~」

苦笑しながら優男が言う。


「そうなんですね。あ、この花かわいい。」

真ん中に大きい黄色、周りに白の花びらがついているお花が目に入った。


「あ、それはカモミールですね。ハーブティとかにもよくなりますよね。花言葉はあなたを癒します。ですね。」


「・・・え」

その瞬間に自分の内に一気に記憶が戻ってきた。一気に苦しくなった。


「え、大丈夫ですか。何かありました?ここに来られる方って、悩みがある人ばかりなんですよねぇ。

話聞くくらいしかできないですが、話ききますよ?」

優男がおろおろしながらいう。


「実は、仕事で1000万円の利益が見込める仕事をしていたんですけど、納期が1週間というところで、私がミスして、取引先とのデータを消してしまって、それで全部パーになって、、、。もう無理って。なんであそこで、あれしちゃったんだろって、やってしまった自分が許せなくて。会社の人も大丈夫って言ってくれても、目が怒っているのわかるし。」


「なるほど。そんなことが、、、。

多分、私が大丈夫ですと言ったところで、事情も分からないのにとなると思いますし、本当に話を聞くくらいしかできません。

ただ、仕事で、人生で何かが起こっても、明日は必ず来てしまいます。明日頑張ろうなんて今は思えないと思います。私も前の仕事でやらかしちゃったときはそうでした。

でも、明日を向いてほしいとな賀うからこそ、私はこのカモミールをあなたに送ります。

そして、これも」

そう言って優男は、カモミールの花とともに、どこから取り出したのかお持ち帰り用のカップに入ったものを渡してきた。


「・・・これは?」


「カモミールティをミルクティにしました。牛乳にも合うんですよ。

明日のあなたが少しでも心が軽くなりますように。」


そこで、最初来た時に現れた煙が現れた。

「え・・・」

一瞬意識が飛んだと思ったら、そこは見慣れた自分の部屋だった。


「なんだ。夢か。あーーー、もう最悪。ほんともう。明日会社行きたくないいいいい。」

そんなことを言いながら手に力を込めると、ふにゃッとした感触と共に、何か液体がかかった。


え・・・ナニコレ。

見てみると、手に、さっきの夢で見たカモミールとミルクティが。


夢じゃない?

「パジャマと床が濡れたのは、最悪だけど、また何かやっちゃった時にあの頼りなさげな店主さんに合えるなら、ちょっとだけがんばろっかな。」

床掃除をしながら、つぶやいた。

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