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序章 神崎ヒナタ死亡録

「眩しくって、届かなくって。だから、諦めたくない。私は、舞台が大好きだから」


 そんなセリフを、誰かが言った。


 美して、愚かで、愛のあるセリフ。苦しくてたまらなかった。


 だから私は、次のセリフが始まる前に飛び降りた。

 

 だから私は、知らない。貴方のその先を。終幕、貴方がどんな演技をしたのか。


 見えなかった、見たくなかった。


 だって貴方が、眩しかったから。


 神崎ヒナタは死にました。


 舞台から客席。おおよそ三メートルの高さを飛び降りたことが原因で。


 享年十五歳、短い人生でした。


 失ったものは取り戻せない。どんなにあがいて、もがいて、苦しんでも、亡くした者は戻らない。


 例え生まれ変わったとて、あの神崎ヒナタが再燃することはないでしょう。一度亡くしたものは、もう二度と手に入らないのだから。


それでも幕は上がる。だって私は、生きているから。


神崎ヒナタは死んだ。でも、私は生きている。


物語は続く。誰にも予測できない速度で、一瞬にして駆け抜ける。


私がそこにいなくても。


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