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とととてん  作者: くる
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白髪の女1-6

「はあ……はあ……お兄ちゃん、一回、とまっ……」

「もう少しだ、燐!」

 それはどうやら今はもう放棄された工場のようだった。

 工場の中にはいくつか機械のようなものが置いてあるが、どれも埃をかぶっていて、現役で動くようには見えない。さらに工場の壁もところどころ穴が開いていたり段ボールでなんとか塞がれていたりするだけの箇所があって、とてもじゃないがここがもう使われていない工場なのだとはっきりわかる。極めつけはその床だろう。昔廃棄物でも流していたのか、工場内と川は水路のようなもので間接的につながっていて、けれど水路付近の床は劣化して崩れていて、まるで工場全体が洞窟か何かみたいになっていた。それこそ工場というより洞窟という方がしっくり来たし、少なくとも工場というより廃墟という言葉の方が似合うことは間違いない。

 その中を俺は、とにかく逃げ場所を探して燐を引っ張ってさまよう。

 はっきり言って苦し紛れに入っただけの工場で、右も左もわからないうえほとんど明かりもない工場だ。

「お兄ちゃん……いき、どまり」

「……わかってる。くそっ」

 何度も俺たちは行き止まりにぶつかり、その度方向転換しては工場の奥へ奥へと進んでいった。

 けれどそれも、長くは続かず……

「くそっ……完全に行き止まりかよ」

「お……お兄ちゃん」

 スピードを緩めてさまよったおかげで体力は回復したが、結局袋小路に迷い込んで行き場をなくす。その上すぐ後ろからは、


 カッ……カッ……カッ


 まず間違いなく白髪(しろかみ)のものだろう足音が響いてきて、絶体絶命。

 片側は壁で、もう片側は水路に挟まれ、道の先は行き止まりで、逃げ道がない。


 カッ、カッ、カッ


 その間にも足音は刻一刻と近づいてきて、なんとか逃げ道を探すが、濁った水路の中の、おそらく外の川に繋がっているだろうトンネル、水路とは逆側の壁にある、外光が漏れ出る数十センチほどの小さな穴……そのどちらも逃げ道としてはおよそ適さない。

 そうこう悩んでいるうちに、とうとうそれは来てしまい……

なんでもいいので、感想をもらえるとうれしいです

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