壊れた世界2-15
校舎裏の道に入った俺たちは、いくぶん安堵した。
校舎裏の道は直線状になっているが、非常に幸いなことに、そこには一体の半ゾンビの姿も見当たらなかったのだ。校舎裏さえ抜ければ、だいぶ校門までの距離も近くなる。校庭をまっすぐ突っ切るよりはるかに安全に違いなかった。
「大丈夫そうね……行くわよ」
「お……おう」
いつの間にか先頭を取り仕切るようになった張田が、無駄な時間はかけずにぱっぱと行動すする。……本当にどうしたのだろうか。さっきまでの張田とは大違いだ。今の張田には妙な頼もしささえある。けれどそれはここを無事に脱出するためにはむしろありがたいことで、俺は張田の後ろについて走ると、さらにその後ろの燐を気にかけながら張田についていった。
しかしちょうど校舎裏をあと少しで抜けられるという所まで進んだ時だった。
それは起きた。
――ガラッ!
「っ!?」
背後からの突然の物音に、慌てて俺たち三人が振り向いた。
それは窓が強い力で開けられる音だった。
「なにっ?」
張田の表情に俄然焦りが現れる。
それから一瞬の間を置いて窓から、血相を変えた一人の男子生徒が姿を見せた。
「はあっ!! はあっ!! クソッ、離せよ……!」
身体を半ゾンビに捕まれつつも外に飛び出た男子生徒は、バランスを崩して校舎裏の道にごろんと転がる。次いで――最悪なことに――校舎の中から半ゾンビが一人、また一人と校舎裏に転がり出てくる。
「ちっ……! マジかよ」
突然降りかかった危機的状況にたまらず舌打ちが出る。
でもその時はまだ、余裕があったのだろう。少なくとも男子生徒が半ゾンビ数体に追い詰められている状況を見ても、舌打ちが出るくらいには。
――しかしその男子生徒が次にした行動で、一気に俺の余裕は消え去った。
「あ……ああ、近づくな、ああ! くそっ……どけ!」
あろうことか我を失った男子生徒はたどたどしい足取りでこちらに逃げてくると、挙句ちょうど目の前にいた燐を突き飛ばしたのだ。
なんでもいいので、感想をもらえるとうれしいです




