壊れた世界2-8
「がぁあああ!!」
「くっ!」
その隙に半ゾンビが勢いよく張田の足に噛みつこうとして、俺はその半ゾンビの顔を、振り上げた足の角度を少し変えて真横から蹴り上げた。
「うがああぁあ!!」
半ゾンビは蹴りの反動で横に転がり、張田を掴んでいた手も離れる。
「ひっ!」
張田はようやく解放されるもすぐには立てそうになく、「はっ! はっ!」と激しく息を乱したまま、傍に転がってもがき苦しむ半ゾンビを、呆然と眺めた。
「はぁ……はぁ……っ」
だがゆっくりと張田の回復を待っている時間はない。
俺は「張田!」と呼びかけながら、まだ息もままならない彼女の腕をぐいっと引っ張り上げると、すぐに美術準備室を出て廊下に出た。
見れば、もともと廊下の奥側にいた半ゾンビは問題なかったが、音楽室から数体の半ゾンビが廊下に出ようとしているのが見えた。――しまった。そういえば音楽室のドアを開けっ放しにしていた。まだ幸い音楽室から出てきている半ゾンビは一体のみだが、数体のゾンビが出てくればたちまち廊下はふさがれてしまう。そしたら完全に終わりだ。
俺はまだ満足に歩けない張田を肩で支えると、少し強引に廊下の左側を走り出した。
「燐、先に行ってドアを開けろ!」
「う、うん。わかった!」
燐に指示して先に非常階段のドアの元へ急がせる。
一人身の燐は音楽室から出てきた半ゾンビの横を難なくすり抜ける。
「お兄ちゃん!」
非常階段の前まで着くと、すぐにドアを開けて外で俺を待つ。
しかしこちらはまだ音楽室のドアの手前だ。
そこには……
「ううぅう……」
半ゾンビが廊下の右側に構えている。
俺一人ならなんてことないが、果たして女生徒を一人支えながらの状態で通り抜けられるかどうか……
なんでもいいので、感想をもらえるとうれしいです




