壊れた世界2-7
「えっ?」
その声と同時、張田の右足がぐいっと後ろに引っ張られた。
「きゃあっ!」
悲鳴と同時に張田はバランスを崩し、床に倒れる。その先には、小柄の男子生徒が這いつくばったまま、張田の右足を掴んでいた。
――両目を真っ赤に染めて。
「あぐあああぁ」
半ゾンビが口を大きく開ける。
その腕には誰かに噛まれたような傷跡がある。
「部長っ!!」
燐が叫ぶ。
「きゃああああああ!」
張田が悲鳴を上げながら必死に抵抗するも、床に倒れていることもあって中々半ゾンビの手は振りほどけない。
「くそっ!」
俺が焦って張田に駆け寄り、「ああぁああ……!」と呻く半ゾンビを両手で引きはがそうとするが、それでも半ゾンビの手は張田を掴んで離さない。……見た目より力がある。
その間にも、徐々に半ゾンビの口が張田の足首に迫り、張田が「ひっ……!」と恐怖に息をのむ。
「がああ!」
「嫌っ!」
張田の足に噛みつこうとした半ゾンビの頭を、張田がもう片方の足でガッと思い切り蹴った。
半ゾンビが少しひるむ。しかし「うがああぁ!」とまだその手は離さない。
張田は半ば恐怖に狂って、何度も繰り返し半ゾンビに蹴りを入れながら、俺に向かって叫んだ。
「土禍くん、頭! 頭を踏みつぶせば、そいつの動きは止まる!!」
「頭か!」
瞬間、張田の言葉に反応した俺が足を大きく振り上げた。
「土禍くん!!」
そのままその足をぐっと踏み抜く――、
踏み抜く、踏み抜こうとしたが……なぜか、足を止めてしまった。
「つ、土禍くん!?」
なんでもいいので、感想をもらえるとうれしいです




