壊れた世界2-3
「……どうする? 助けが来るまで、いっそ立て籠もる?」
張田が仕方なさそうに言うが、それも良い案には思えなかった。
ちらりと音楽室へのドアに視線を向ける。
これも俺のせいと言うべきなんだろうな……
音楽室に入った時は半ゾンビの元音楽教師も静かだったが、今はドアにガン……ガン……と、外の半ゾンビが身体をぶつけているような音がする。
古びたドアとつまみ式のカギにそれほどの強度があるとは思えないし、極端な話、俺が思い切り体当たりすれば一回か二回でぶち破れそうなドアだ。何かのきっかけでやつらに破られる可能性が相応にある。……できればここに留まりたくはない。
それに、時間が経てば経つほど、半ゾンビの数は増えていくだろう。逃げるなら、今しかなかった。
「……壁づたいで行こう」
校庭側にたった一つある窓に視線を投げて提案する。
当然最初は燐も張田も「え……?」と疑問の声を上げたが、つまりこういうことだ。
「校舎の壁面に人ひとり歩けるぐらいの出っ張った部分があるだろう。そこを使って隣の教室に移ろう。隣の教室は……」
俺のかわりに張田が答える。
「……美術準備室。たしかにそっちなら、廊下に直で出れるけど」
「……それならOKだ。来るとき見たが、廊下は遠くにしかやつらはいない。逃げるとしたら、今しかない」
「けど……」
張田が不安そうにつぶやくが、その時ちょうど『ガンっ!』とひときわ強くドアをたたく音がして、張田の表情に焦りが現れる。ぐっと息をのんで、決断するまでに長い時間はかからなかった。
なんでもいいので、感想をもらえるとうれしいです




